新年明けましておめでとうございます!2019年もGoodpatchをよろしくお願いします。

年明け早々に、たくさんのサービスやデザインのニュースがありましたね。本記事では、Goodpatchメンバーの間で特に注目の集まったプロダクトやサービス、デザインをご紹介します!

過去の月間まとめはこちらをご覧ください。

リニューアル

https://slackhq.com/say-hello-new-logo

Slackがブランドデザインのリニューアル第一弾として、ロゴのリニューアルを発表しました。ブランドの顔であるロゴには、確固たるビジョンや信念が宿っています。たくさんの人から愛されているSlackにとっても、今回のリニューアルは容易ではなかったでしょう。Slackがロゴのリニューアルに乗り切った背景としては、既存ロゴは11色を使用していることから柔軟な拡張が困難であったこと、また様々なプラットフォームや媒体でロゴが使用されていく過程で統一したデザインにする必要があったことが挙げられています。今回のリニューアルをはじめとして、各所デザインをロゴのデザインに統一させていくようです。

Slackを日本でのローンチ直後から導入しているGoodpatchでも、今回のリニューアルは多くの議論を生みました!Slackがロゴリニューアルに踏み切ったことは、ToB向けのプロダクトがUIやUX、ブランドを重要なファクターとしていることの現れと言えるのではないでしょうか。

https://www.forbes.com/sites/allenadamson/2019/01/07/mastercards-smart-new-branding-strategy-speaks-louder-than-words/#594ca5d5dbcd

50年以上に渡って人々に認知され親しまれてきたMasterCardのロゴから、名前が取り除かれました。Slackのロゴリニューアルでも述べましたが、ブランドの顔であるロゴを変えることは様々な影響をもたらします。MasterCardのロゴリニューアルに関しては、既存ロゴの認知度が高く、名前を取り除いたとしてもブランドの認知がブレないというビジネス背景に加え、マーケット背景も強く関与していたことが考えられます。テクノロジーの進化によるFinTech市場の成長を受けて、MasterCardとしての未来を再考した結果なのではないでしょうか。今後どのように展開されていくのか楽しみですね!

プロダクト

Project Alias

http://bjoernkarmann.dk/project_alias

2014年ごろからAmazon Echo、Google Homeなどスマートスピーカーが劇的に普及しました。生活を快適にしてくれる一方で、常に人の会話にさらされるスマートスピーカーに対するプライバシー保護にまつわる議論は活発にされてきました。その問題に関しての一つの解決策となりうるのが、このProject Aliasです。

Project Aliasはスマートスピーカーのホットワードを変更することができる自作アクセサリで、Raspberry Piと2つの小型スピーカー、3Dプリンターで作ったカバーで構成されています。設定したホットワードをProject Aliasが認知した際にのみ、Project Aliasが発していたホワイトノイズが解除されスマートスピーカーが使用可能状態になる仕組みです。これにより、ホットワードの変更とプライバシー保護を担保できるようになりました。またカバーやRaspberry Piの組み方はホームページからダウンロード可能、Raspberry Pi用のソフトウェアはGitHubにて公開されているので誰でも作成・改良することができます。

Project Aliasが行なった日常に潜む身近な課題に対してものづくりを通して解決していくアプローチは、Goodpatchのデザイナーからも多くの共感を生んでいました。

Adapt BB

https://news.nike.com/news/nike-adapt-bb

Nikeがアメリカで、紐なしの自動調整バスケシューズの販売を2月17日に開始します。競技中のアスリートの体験を向上させる目的のもと、自動で靴の締め付け調整ができるFitAdaptという機能を搭載しています。またアプリと連動させることにより締め付けの調整やプリセットの変更、靴自体のワイヤレス充電など、日々使用する靴だからこそ細かい部分の使い心地まで設計されているようです。

スポーツの特性上、バスケット選手は足の半分が扁平化してしまう可能性を抱えています。スポーツ選手が抱える問題を徹底的にリサーチし、テクノロジーという手段を使って解決するだけでなく、エンターテイメント、ファッションとしての価値まで創造するとても魅力的なプロダクトです。また、プロダクトから垣間見えるプロセスやストーリーも魅力の一つです。こちらにストーリーやAdapt BBを製品化するまでのプロセスの一部が掲載されているので、興味のある方はぜひ読んでみてください。

タクシーダッシュボタン

https://www.taxidash.jp

ワンクリックでタクシーを呼ぶことができるIoTデバイスです。高齢者の中には運転免許を返上したなどの理由から、移動手段が限られる人も少なくありません。しかし、スマートフォンを使用してマップ上に小さなピンを立てたりとタクシーを手配することは、難易度が高い可能性も考えられます。

上記で述べた問題を解決してくれるのが、タクシーダッシュボタンです。デバイス自体が利用想定ユーザのことを考慮したシンプルでわかりやすいデザインになっています。またタクシー配車サービス側も電話対応などのコストを削減することができるため、双方にとってメリットのあるプロダクトだと言えます。

サービス

COLOR INSIDE YOURSELF

https://ciy-totem.com

生年月日と86問の質問に答えると、約26万8千通りの診断結果の中から性格分析をしてくれるサービスです。回答内容により生成されるトーテム、所持する武器・装備の種類などが変化し、診断結果の特徴がビジュアルにも現れます。特に86問あるにも関わらず、威圧感を感じず5分で回答できる遊び心のあるUIがGoodpatchメンバーの心を惹きつけました!中には「縦スクロールをしていく回答フォームが良い」という声もありました。性格診断や心理テストなどのゲーム性があるものに対して、ゲーマーの好奇心をくすぐるようなビジュアルデザインを使ったことは、このサービスが盛り上がった一つの要素だと思います。

基本性格だけでなく「対人関係で表に出やすい性格」や「モチベーションが上がるとき」なども診断されます。皆さんもトーテムを使ってチームメンバーの性格を分析してみてはいかがでしょうか。

Design Camera

https://www.designcamera.app

簡単にアプリの3Dモックアップやキャプチャ、アニメーションを作成することができるサービスです。まるでAppleが新しいプロダクトを発表するときに見せるようなリッチなモックアップを作成できることにより、プロダクトの魅力をより際立たせるプレゼンテーションができるのでないでしょうか?現在使用できるのはβ版ですが、Goodpatchのアプリケーションデザイナーは、Design Cameraを使って作成したダイナミックなプロトタイプでチームにイメージを共有、より正確なコミュニケーションを図っていました。

Scratch 3.0

https://scratch.mit.edu

オンラインプログラミング学習環境を提供しているScratchがメジャーアップデートをしました。様々なスプレッドの追加や拡張機能を独自開発できることに加え、Flashなしで動作可能になったことにより、パソコンだけでなくタブレットやスマートフォンからでもプロジェクトを編集・実行できるようになりました。

もともとは子供を対象とした学習環境としてリリースしたサービスですが、学習画面のデザイン性やユーザビリティもScratch3.0になってから劇的に改善されました。今後は学習環境デザインの観点からも興味深い示唆が得られるのではないでしょうか。

イベント

Bauhaus Bus

https://www.lonelyplanet.com/news/2019/01/17/bauhaus-bus/

芸術とデザインの学校であるBauhausが100周年を記念して、国際バスツアーに乗り出しました。ベルリンを本拠地とするVan Bo Le-Mentzelがデザインしたバスで約10ヶ月間、ベルリン・コンゴ・香港を訪れ、国際問題やデザイン課題について議論するワークショップや展覧会などを行うようです。デザインがもたらす力について改めて考える機会はGoodpatchが掲げる「デザインの力を証明する」というビジョンにも通じるところがあり、興味をそそられます!

CES 2019

https://www.ces.tech

毎年1月に開催される電子機器の見本市であるCESが2019年も開催されました。CESに出展するプロダクトは、プロトタイプがほとんどであり、最先端のテクノロジーを踏襲したものや近未来を彷彿とさせるようなものが一同に介します。

今回は、5GやSmart CityなどのInternet、IoT、ヘルスケア、モビリティなどの分野が特に注目されていました。モビリティ分野に関しては、Goodpatch Europeが自社プロダクトとして開発をしている自動運転プロトタイピングツールAthenaに関わるデザイナー11 automotive highlights from CES 2019と題して記事を執筆しました。今後の自動運転の動向について気になる方はぜひ読んでみてください。

以上、1月に話題になったアプリやサービス、デザインのまとめでした。

毎月新しい情報をお届けしておりますので来月もお楽しみに!