こんにちは!GoodpatchでUXデザイナーをしているかつきです。
前回の記事では、Flicfitさんとご一緒させて頂くに至った経緯や、プロジェクトを進めて行くにあたってのGoodpatchのマインドセットをご紹介しました。本記事は、デザインプロセス公開記事Part2です。今回は、キックオフから、ターゲットユーザーの定義とユーザーの価値観を分析するところまでを公開します。
両社CEOも参加のキックオフ!
今回プロジェクトに関わってくださるメンバー全員をお招きして、チームビルディングワークショップと、エグゼクティブインタビューを行いました。両社CEOも参加し、関係性の深まった初回キックオフとなりました。
チームビルディングワークショップでは、Wind&Anchorというフレームを用いて、プロジェクトメンバーのモチベーションの源泉や、それを妨げるものを発表しました。Wind&Anchorの由来は、船を前に進めるつまり、モチベーションを加速させる追い風(Wind)と、船の進行を妨げる錨(Anchor)から来ています。キックオフのアイスブレイクによく使われる手法なので、是非試してみてください。
関連記事:ワークショップ実施における3つのアイスブレイク方法とTips
チームビルディングワークショップのあとは、FlicfitのCEOの廣橋さんにエグゼクティブインタビューをさせていただきました。
- Flicfitが生まれた理由
- Flicfitが描きたい未来はどんな未来か?
- FlicfitとGoodpatchで3ヶ月で達成したいこと
など、根堀り葉掘り伺わせて頂きました。Flicfitさんの持つ技術の可能性や、Flicfitが描く未来を改めて伺うことで、プロジェクトの基盤がより強くなったように思います(僕自身Flicfitさんの技術や、社長の廣橋さんの描く未来へのワクワクが止まりませんでした)。
エグゼクティブインタビューの内容は、同時進行でUI/UXデザイナーの廣川がグラフィックレコーディングを行いました。最終的に決定した本プロジェクトのゴールがこちらです。
仮説ベースでペルソナをマッピング
次に、ターゲットユーザー定義ワークショップを行いました。
まずは、ターゲットのあたりを付けるために、メンタルモデル(靴選びの悩み)でユーザーを分類し、様々な軸でマッピングを試みました。「忙しい↔時間に余裕がある」「実用的↔おしゃれ」「試着必須↔試着不要」「一足を履きつぶす↔ローテーション」など、いろんな軸でユーザーをマッピングしました。
その結果、ファッションにおいて、機能性とファッション性の両立って永遠の課題なのでは?ということに気づき、最終的な縦軸は 「オシャレ↔機能性」 に決定!横軸はFlicfitのバリューでもある、試着に関連した「試着必須↔試着不要」としました。
ターゲットユーザー定義のワークショップ自体は、これで終了したのですが…。
後日改めて考えてみると「買うものが運動靴かパンプスかによって変わりそう…」「平日Or土日でメンタルモデルが全然違いそう…」「価格帯も大きく関わってくるよね?」など、1人のユーザーでもコンテキストによって価値観が変わってきそうだと気づきました。「2軸でマッピングしてユーザーの属性を理解するのは難しいのではないか?」という考えにいたり、結果的にマッピングは失敗…!しかし、「ファッションにおいて、ユーザーはコンテキストによって行動が変わる可能性があり、時には真逆の価値観を持ち合わせていることもある。」という学びを得ました。ということで、2軸でマッピングすることにこだわらず、まずは、いくつかの条件でユーザーを絞り込み、インタビューでパンプスを買う人の価値観を理解することにしました。
72名から回答をいただいたアンケート
靴購入に関する複数の条件から潜在的なユーザーをあぶり出すため、まずは幅広くアンケートを実施しました。設定した条件に当てはまる方を探すために、Google Formでアンケートを作成し、GoodpatchとFlicfitのメンバーで拡散。その結果、なんと72名の方に回答を頂くことが出来ました。ご協力いただいた皆様、ありがとうございました!
インタビューを実施し、価値観を特定
アンケートにご回答頂いた72名の方から、特に条件に当てはまる方を中心に、1週間で11名の方に集中的にインタビューを実施しました。
インタビューの結果を分析し、靴購入者の持つ課題や価値観がなんとなく見えてきました!
「パンプスでの失敗体験を明確に覚えている」「自分の足の特徴を理解している」など興味深い結果がたくさん出てきました。
それを「全員が共通して持つ価値観」と、「2人以上が持つ価値観」で分けて洗い出しました。(重要な部分は隠させてください…!)
やっと、靴を買う皆様の価値観が明らかになってきましたね…!
ターゲットペルソナを確定
靴を買う皆様の持つ価値観を洗い出したところで、Flicfitの持つ技術が解決したい悩みは特にどの悩みなのかをディスカッションし、その価値観を持つ方を数名ピックアップし、ターゲットペルソナを確定しました。現在はペルソナシートとしてそれをまとめ、プロジェクトルームに貼り出しています。
本プロジェクトでは、架空のペルソナを策定するのではなく、リアルに存在する靴を買う皆様の生の声をそのままペルソナシートにまとめていくことにしました。作ったソリューションに対するフィードバックを継続的に聞いていきたいので、現実に存在する方をペルソナとしてそのまま置いています。リアルに存在する方をペルソナとして置いていることで、課題がよりチームの中でクリアになっていることもメリットです。やっとユーザー像が見えてきたところで、次のプロセスは、アイディエーションからプロトタイプ作成に入ります。どんなアイデアになるのか楽しみですね!
さいごに
今回は、プロジェクトキックオフからユーザー理解までをお届けしました。次回はソリューションを作っていく過程をお届けする予定なので、お楽しみに!今後も見守っていただけると嬉しいです!
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スタートアップのデザイン支援がスタート!デザインプロセスを紹介します Part3
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