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AIが相棒のメモアプリ:モードを超えた生成AIのメモアプリのデザイン哲学

作業中、ふと浮かんだアイデアをメモしながら、すぐにAIチャットで軽く相談できたら……。

そんな思いから生まれたのが、ソフトバンクさんと一緒に開発プロジェクトを手掛けている satto memo。2025年10月にリリースされた、iPhone向けメモアプリです。

生成AIを取り入れたメモアプリ、具体的にはメモ機能と生成AIとのチャット機能の融合を目指したsatto memoでは、一般的なメモアプリとは異なるデザイン思想で画面が設計されています。

今回の記事では、どのような考えでsatto memoのデザインが生まれたのか、その裏側をお見せします!

生成AIプロダクトならではの「モードレス」を意識する

近年、生成AIの普及によって「AI」という技術が、より身近な存在になり、生成AIとのチャットを使う人も増えたと思います。仕事にAIチャットを使うという方もいるでしょう。

私たち開発チームが注目したのは、AIが、高度な成果を生み出すために使う「特別なツール」ではなく、もはや「頭の中にいる相談相手」のような存在になりつつある、ということです。

何か特定のテーマについて相談するというだけでなく、ふと思い浮かんだ疑問を気兼ねなく聞ける。そのような用途でAIチャットを使っている人も多いのではないでしょうか。

頭の中にいる相談相手として、私たちの行動の前後の文脈を読み取り、自然にサポートしてくれる──そんな感覚を目指すとなると、AIとのコミュニケーション(インタラクション)に対する考え方や目指すべきデザインも自ずと変わってきます。

今回、satto memoを開発するにあたって、私たちは「メモを取るモード」「AIチャットを使うモード」といった、いわゆる「モード」の区別自体が、だんだんと必要なくなってきているのでは?と考えました。相談しながらメモをする。つまり「考えること」と「書くこと」の行動の境目があいまいになるためです。これはプロダクトに生成AIを取り入れるときの特徴と言えるかもしれません。

だからこそ、このアプリでは情報を「AIチャットをするシーン」「メモを取るシーン」といった明確なモードを分けることなく、メモをとり「ながら」、AIチャットに相談し「ながら」と、同時並行に物事が進めやすいデザインを目指しました。

メモとAIのモードレスな一体感

その答えとして生まれたのが、メモとAIチャットの間に明確なモード切り替えを作らない設計です。メモ画面の下部に小さな導線があり、そこを引き上げるだけで、まるで同じ紙面の片隅でアシスタントに話しかけるようにAIチャットへアクセスできます。

これにより、ユーザーはメモを別画面でとったり、AIチャットを別画面で使ったり、モードや画面を切り替える手間なく、スムーズにメモとAIチャットを行き来できるんです。

◾️AIチャットとメモをスクロール操作で行き来

デスクトップとモバイル、それぞれの特性を生かしたデザイン

satto memoはデスクトップ版もあります。デスクトップ版では広い画面を生かし、メモとAIチャットを横並びに配置。一方でモバイル版では、小さな画面だからこそフォーカスを絞り、メモとAIチャットの行き来をスムーズにするための工夫を凝らしました。

◾️デスクトップで横並びの関係性を、iOSではメモに集中する比重をより高め「縦並び」に

◾️設計時のメモ

モードを分けず、同じ情報階層でメモとチャットを扱うことで、AIの回答を確認しながらメモをとったり、メモを見返しながらAIの回答をするシームレスな体験を目指しました。webでポインターを使ってスムーズにAIチャットとメモを同じ画面で行き来するように、アプリ内でも指ひとつで簡単に行き来できます。

試行錯誤から生まれた並列デザイン

実はこの並列デザインにたどり着くまでに、いくつかの試行錯誤がありました。例えば、開発初期には、YouTubeショートのコメント欄のように、メモの上にAIチャットを重ねる案も検討しました。

しかしそれでは画面に階層が生まれてしまい、直感的な操作性が損なわれると感じ、最終的に「メモとAIチャットは、完全に並列で同列に扱おう」という結論に至ったのです。

たとえば、YouTubeショートでは、動画の上にコメント欄が重なって表示されます。動画を“見る”モードと、コメントを“書く”モードがはっきり分かれており、どちらの操作をしていてももう一方が邪魔にならない設計になっています。

たとえば、Googleカレンダー。YouTubeと同じく半モーダルの構造ですが、後ろのカレンダー自身を触りながら被さっているモーダルも操作できる設計になっています。カレンダー自身があくまで主体で、操作は必要な時だけできるという主従関係が生まれています。

ただ使いやすいだけでなく、そんな裏側のこだわりも詰まったアプリをぜひ体験してみてください。

おまけ

ぜひ実際に触ってみてください!こんな体験も隠れているのでぜひ使ってみてくださいね。

※sattoはソフトバンク株式会社の登録商標です。

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