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Sparkle Design導入ガイド2──デザインシステムを育てる方法とは? スクラムで回すグッドパッチ流の運用術を大公開

こんにちは、グッドパッチのUIデザイナーのナスカです。

2025年6月に公開したデザインシステム「Sparkle Design」、皆さんはもう使っていただけましたか?Figmaコミュニティでの活用数(複製数)は5000人に迫る勢いでうれしい限りです。

前回の記事では、デザインシステムの導入方法について解説しましたが、今回は導入ガイドの2回目ということで導入の後──つまり、デザインシステムの運用のプロセスについてお話しできればと思います。

専任が置かれにくいデザインシステム運用 「片手間」でもうまく改善サイクルを回すには?

デザインシステムは導入して終わりではなく、“育て続ける仕組み”が大切。とはいえ、多くの企業では、デザインシステムにまつわるタスクは、専任の方が行うというよりも、他プロジェクトと並行しながら進めることが多いと思います。

グッドパッチでもそれは同じです。Sparkle Designの開発メンバーは基本的にクライアントワークも行っているので、少ないリソースの中でも「成果を出し続ける」ための運用の仕組みが必要でした。この仕組みがなければ、ゴールがあいまいになって進行が停滞しやすくなってしまいます。

Sparkle Designでは、立ち上げ初期から1週間のスクラムを導入し、高速に改善を回しながら、デザイン・実装・ガイドライン・アクセシビリティといった領域を少しずつ育ててきました。この記事では、その運用プロセスについて紹介し、グッドパッチのメンバーがどのようにデザインシステムを育てていったのか共有できればと思います。

Sparkle Designのスクラム運用は、以下のようなニーズがあるチームにとって再現性の高いモデルケースになれるはずです。ぜひご覧ください。

  • 小さな組織・兼務体制でも、実現可能な運用サイクルを作れる
  • 属人化せず、誰が入っても改善に参加できるチームになれる
  • UI/React/アクセシビリティを横断して“一貫した品質”を保てる

半期ごとのゴール設計と、属人化しない運用の作り方

Sparkle Designの開発は、場当たり的に動くのではなく、半期ごとのゴールを設定して進めるようにしています。過去には、以下のような目標を立てていました。

📅 2024年9月〜2025年2月

  • Figmaライブラリを作り切る
  • ガイドラインを整備し、Figmaライブラリと紐づける

📅 2025年2月〜2025年8月

  • Figma上でできるアクセシビリティ対応(WCAG 2.2)を反映
  • 業務アプリケーションに特化したデザインパターンをドキュメント化

大枠の方向性を固めたあとは、ゴールを “誰でも進められるタスク” に落とし込む仕組みを整えました。

Sparkle Design では、属人化しない運用のために「エピックの詳細化 → 手順書の作成 → チェックリスト化」をセットで行っています。

  1. エピックの詳細化 :目的・課題・ユーザーストーリーを明文化し、何のための取り組みか全員が理解できるようにする
  2. 手順書の作成 :実際の作業ステップを具体的に言語化し、誰が見ても同じ進め方ができる状態を作る
  3. チェックリスト化 :レビューで判断を統一し、品質のばらつきをなくす

属人化しない運用についての説明画像

また、基本的なロードマップ設計や優先度の判断は PO が行いますが、メンバーそれぞれの専門性を活かすため、テーマ(エピック)ごとにリード担当を配置しました。リードが自分の得意領域について誰が担当しても同じように進められる仕組みづくりを行います。

この体制により、特定の人に依存せず、兼務チームでも継続的に改善が回る運用を実現できています。

Sparkle Designスクラム運用の全体像

続いて、スクラム運用についてご紹介します。Sparkle Designでは1週間のスプリントで回していました。

具体的には以下のようなスケジュールで進めています。

  • 月曜日:スプリントプランニング
    • POがスプリントゴールを定め、メンバーの稼働状況も考慮しながらタスクを決定
  • 木曜日:中間レビュー + リファインメント
    • 進捗確認と、翌週以降のチケット整理
  • 金曜日:スプリントレビュー + レトロスペクティブ
    • 完了したタスクをデモで共有と、1週間の振り返り

会議のドキュメントはNotion、チケットはJiraで管理していました。タスクは大きすぎると1週間で完了できないので、なるべく最小化することを意識していました。

Sparkle Designに割けるメンバーの稼働が月20時間程度といった状況下でも、着実に進められたのはこの仕組み化のおかげです。

スクラムで活用しているドキュメントとバックログの事例

スプリントでの失敗と学び

もちろん、毎回スプリントゴールが達成できるわけではありません。むしろ、達成できないことのほうが多かったかなと感じるほどです。レトロスペクティブでは「どうすれば達成できるか?」を毎回真剣に話し合い、工夫と改善を繰り返してきました。

  • 中間レビューの導入で、進捗確認とタスクのスコープを1スプリントでやり切れるように分割
  • 水曜日にSlackのBotで進捗を共有する文化をつくった
  • ハドルでレビュアーと直接会話し、その場でレビューを完了させる動きも増やした

レトロスペクティブの様子

失敗も含めて試行錯誤し、チームに合ったサイクルにたどり着いたのが今のスタイルです。1週間のスプリントはあっという間で正直ギリギリで回している状態ですが、2週間にすると停滞しやすい。だからこそ、メリハリのある1週間が私たちには合っていると感じています。こうしたさまざまな取り組みを通じて、今ではトップダウンでもボトムアップでも改善が回り続けているのです。

使える・続くデザインシステムを一緒に育てていきましょう!

「Sparkle Design」のFigma LibraryやFigma Pluginは、Figma Communityからどなたでも自由に複製・活用いただけます。ご興味を持たれた方は、ぜひ試してみてください。

👉 Figma Communityページを見る

👉 構成や思想をもっと知りたい

導入方法に迷った方は、前回の記事(Sparkle Design導入ガイド──課題から考えるデザインシステムの最適なスタートの切り方)を合わせてどうぞ。Sparkle Designが、「もっと速く、もっと良いモノをつくりたい」と願うすべてのデザイナーやチームの力になれたらうれしいです。

そして、組織に合わせたデザインシステム構築支援も行ってるので、デザインシステムの導入にお困りの企業は、ぜひお問い合わせください。一緒に、“使える・続く”デザインシステムを育てていきましょう!

お知らせ:2025年アドベントカレンダー開催中🎄

この記事は、Goodpatch Design Advent Calendar 2025 Day6の記事です。他の記事もぜひどうぞ。

また、エンジニアも参加しているGoodpatch Advent Calendar 2025も開催中!そちらも併せてご覧ください!

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