新しいものが大好きなGoodpatchで5月話題になったアプリ、サービス、デザインまとめ(2025)
新年度が始まり1ヶ月、あっという間に5月も終わりですね。
風が気持ちよくて、外に出るのも楽しい季節。
ちょっとした散歩や寄り道が、良いインスピレーションを与えてくれたりしますよね。
ということで、今月もグッドパッチで話題になったサービスやイベントをピックアップしました!気軽に読めて、ちょっとだけ視点が広がる。そんなコンテンツをご紹介します!
目次
AI
「NotebookLM」の音声概要が日本語を含む50以上の言語で利用可能に
NotebookLM の音声概要が日本語を含む 50 以上の言語で利用可能に
2025年4月、GoogleのAIツール「NotebookLM」に大規模なアップデートが行われました。
今回、追加されたのは「音声概要(Audio Overviews)」機能。日本語を含む50以上の言語に対応し、アップロードした資料をもとに、2人のAIホストがポッドキャスト形式で主要トピックを深掘りしてくれるというものです。
設定には新たに「出力言語」オプションも加わり、音声やチャットの言語を自由に切り替え可能になりました。
個人的に嬉しいポイントは二つありました。一つ目は倍速再生対応。音声は記憶に残りやすい一方で、テキストに比べてインプット速度が劣ることがありました。一方「NotebookLM」では再生速度を2.0倍まで調整でき、スピーディにインプットできます。二つ目は、AI同士の対話形式であることです。従来は人間とAIのラリー形式が主流でしたが、本機能ではAI同士が会話します。まるでポッドキャストを聴くような自然なインプット体験ができます。
今後のAIの展開にも目が離せないなと感じました。
サービス・プロダクト
「Figma Config 2025」にて「Figma Sites」発表
Figma Config 2025 | May 6-8 – Moscone Center SF
2025年5月6日から8日にかけて、Figmaのカンファレンス「Config 2025」がサンフランシスコで開催されました。今年も世界中から多くのFigmaユーザーが集まり、Figmaの進化とともに、デザインの未来を感じられる3日間となりました。
今回の発表では、より自由なビジュアル表現を追求できる「Figma Draw」や、プロンプトで機能的なプロトタイプをすばやく作成できる「Figma Make」などの新機能が紹介されましたが、なかでも注目を集めたのが、デザイン・プロトタイピング・公開が一つで完結できる「Figma Sites」です。
「Figma Sites」では、これまで必要だった外部ツールや開発プロセスを介さずに、デザイナー自身がウェブサイトを公開できるようになります。この体験は、デザインと実装の境界を大きく溶かしていくように思います。
現時点ではベータ版ということもあり、CMS機能や外部サービスとの連携など、実務での活用を考えるとまだ物足りない印象です。とはいえ、今後のアップデート次第で一気に実用性が高まる可能性もあり、どこまで進化していくのか今後に期待が膨らみます。
LIXILの15製品「Red Dot Design Award 2025」を受賞
LIXILの15製品が「Red Dot Design Award 2025」を受賞
4月下旬、世界的なデザイン賞「Red Dot Design Award 2025」の受賞結果が発表されました。日本からも複数の企業が選出され、プロダクトデザイン部門においては多数の受賞がありました。なかでも株式会社LIXILは計15製品が受賞し、新しい入浴スタイルの浴室空間「bathtope(バストープ)」も「iF DESIGN AWARD 2025」に続いてAwardを受賞しました。
この製品は従来の浴槽の概念を覆し、リムーバブルな布製浴槽を採用することで、浴室空間の自由度を大幅に向上させています。
柔らかい織物と防水フィルムの複層構造で作られた布製浴槽は、使用時にはしっかりと体を支え、使用後は簡単に折りたたんで収納できます。これによってシャワールームとしても、バスタブとしても利用可能な柔軟な空間を実現しています。
入浴が日常のルーティンに組み込まれている人、仕事の疲れを癒すために入る人、普段はシャワーしか浴びない人。ライフスタイルが多様化している現代では、入浴のタイミングも入浴におけるニーズもさまざまです。
バスルームという定形となりやすい領域において「bathtope」のように「ライフスタイルに合わせて選べる余地」を提供するプロダクトは、今後の住空間デザインにおけるヒントになるのではないかと感じました。
特許庁、「中小企業におけるデザイン経営の効果・ニーズに関する調査」報告書を公開
中小企業におけるデザイン経営の効果に関する調査~見えてきた3つの効果~
2025年4月21日、特許庁が「中小企業におけるデザイン経営の効果・ニーズに関する調査」報告書を公開。調査の結果、デザイン経営支援プログラムに参加した中小企業を対象に、デザイン経営による3つの効果の発現プロセスを体系化しました。
主な効果は、「自社らしさの明確化」「人材の採用と定着化」「新しい仕事の創出」。企業のブランドの核となる価値観を言語化することで、社内外の共感が生まれ、人が集まり、行動が変わります。結果として、従業員発の新規事業や商品も続々と誕生。デザインが単なる表現ではなく、組織や経営の変革を引き起こす触媒となっているのです。
デザイン経営とは、「ビジョンにデザインを、戦略に創造性を、組織に共感を」もたらす実践です。変化の激しい時代において、企業が生き残るには「正しさ」だけでなく「共感されるらしさ」が必要になっています。
今後のデザイナーは、「感性・共創・ストーリーテリング」のチカラが求められていくのかもしれません。
イベント
「Google I/O 2025」で発表された生成AIの新サービス
Google I/O 2025
(画像引用:Google Japan Blog)
Googleから同社の最新技術や新サービスのトピックスを発表する「Google I/O 2025」が5月21日に行われました。最新版Geminiのアップデートしたポイント、生成AIによる検索「AIモード」、最新映像生成モデル「Veo 3」、3D会議ツールの「Google Beam」など生成AIを活用した新しいサービスが多数発表されました。
なかでもGoogle Meetのリアルタイム音声翻訳は、英語とスペイン語が同時翻訳されている会議の様子が流れ、そのリアルタイム性と自然に翻訳がなされる様子に多くの聴衆が心を惹きつけられました。従来の字幕や翻訳機能はどうしても発言からわずかなタイムラグが発生してしまうことが会話への没入感を損なっていましたが、この「ズレ」を最小化したことで、別々の言語を扱う人同士の会話の実現が理想形に近づきました。
デザイナーとしては、これまでどうしても非言語情報との接続が難しかった外国人の方へのユーザーインタビューが、この機能により可能になっていく未来が想像でき、イノベーティブなものづくりの進化を感じました。
マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート(森美術館)
マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート | 森美術館 – MORI ART MUSEUM
2025年2月13日から6月8日まで六本木ヒルズの森美術館で開催中の「マシン・ラブ」は、AIやゲームエンジンなど、デジタルテクノロジーを駆使した約50点のアート作品が集結する展覧会です。
実際に訪れてみたのですが、各国の先鋭的なアーティストたちが哲学やプログラミング、身体表現といった、それぞれの感性で現実と仮想が入り混じる空間を表現し、まるで未来の“創造”のあり方を問いかけるような展示に引き込まれる時間でした。
じっくり腰を据えてみたい作品も多数あり、きっと時間を忘れて楽しむことができます。AI × アートに興味がある方にはもちろん、未来の感性に刺激を受けたい方はぜひ時間に余裕を持って訪れてみてください!