クライアントワークの中では日々、様々なタスクが発生します。
エンジニアとして働いている私の場合、例えば以下のようなものです。

  • リリースに向けた機能の実装
  • チームのエンジニアのコードレビュー
  • フィージビリティを検討するための会議
  • 緊急度の高い不具合の対応
  • 仕様変更の相談、依頼

これらのタスク達は、プロジェクトの規模が大きくなればなるほど、自分の担当範囲が広くなればなるほど、予期しないタイミングで発生しやすいものです。
私自身、タスクに追われて本来やるべき事が疎かになったり、作業が遅れてチームに迷惑をかけてしまった事が多々あります。

タスクが溢れないように十分な人員と時間が確保されていれば良いのですが、プロジェクトの状況や納期、予算の都合上「なんとかやるしかない」というケースは現実の問題として起こり得ることだと思います。

そのような問題はチームの体制、あるいはプロジェクト自体に見直しが必要な場合もありますが、まずは個人の生産性を上げる事で改善できる場合もあります。

生産性をあげるために出来ること

職種によって生産性の定義は変わりますが、生産性を上げる方法として、「インプットを減らして、アウトプットを増やす」という事が挙げられます。つまり、労働時間というインプットを減らして、成果というアウトプットを増やす事が出来れば、生産性は上がったと言えるでしょう。

そして、個人の生産性を上げる方法の1つに「どのようにタスクを管理するか」という自己管理のスキルがあります。これは職種関係なく実践できる汎用的なスキルです。私は過去の失敗から、以下の3つを意識して仕事に取り掛かる事で、以前より生産性を上げられたと感じています。

  1. タスクに優先度をつける
  2. タスクの期限を切る
  3. スタートダッシュでタスクを消化する

1.タスクに優先度をつける

まず、タスクに優先度をつけるためには今抱えているタスクを明らかにする必要があります。タスクが多い時に頭の中だけで管理しようとするのは危険です。人は一昨日食べた晩御飯もすぐに忘れてしまいます。
タスクの管理ツールはさまざまなものがありますが、私は昔からWunderlistを使っています。
その他のツールはこちらの記事で紹介しているので、自分に合ったものを選んでみてください。

タスクを明文化すると、脳みそのリソースを1つのタスクに集中して使う事ができます。
タスクの優先順位をつける時には時間管理マトリクスの考え方をベースにします。

納品物やクライアントからの問い合わせなどは、重要度が高いタスクです。
また、早く対応しないと他の人の作業に影響が出てしまうものは緊急度が高いタスクです。基本的には①→④の順に対応していくと良いとされています。

2.タスクの期限を切る

タスクを振る時、あるいは振られた時には必ず期限を切るようにします。
期限は日付単位(◯月○日まで)や時間単位(◯時まで)で具体的なものが望ましいです。クライアントとのやり取りの場合はクライアントの定時内に期限を切る方が好まれるでしょう。
期限がないタスクは終わらないタスクと言っても過言ではありません。
人は走る時にゴールがないと、なかなか全速力を出す気にはなれないものです。

また、タスクの期限を切る時には工数の見積力がとても大事です。
工数の見積もりが甘いと自分を苦しめる事になりますし、逆に期限を延ばしすぎても不信感を買います。
過去に経験がない作業で見積自体が難しい場合は、「見積をするための工数」をもらうようにします。

スピードというものは意外と感覚的に評価される事も多く、期限や過去の実績と比較して早いとか遅いとか感じられる事がよくあります。
例えば、「見積が1日だったのにもかかわらず、2日かかってしまった」場合と「見積が3日だったけど、2日で終わった」場合とでは、後者の方が体感速度としては早く感じられます。

3.スタートダッシュでタスクを消化する

これはなぜ、あなたの仕事は終わらないのかという書籍に書いてある事ですが「2割の工数で8割の仕事を終わらせる」という考え方です。

大半の人が、スケジューリングの段階から大きな勘違いをして仕事に取り掛かってい ます。締め切りという言葉への典型的な誤った考え方は、次のようなものでしょう。

  • 見積もりはあくまで見積もりでしかなく、予定どおりに仕事が進むとは限らない
  • 締め切り目前に、徹夜 でも何でもして頑張ることが大切
  • それでもどうしても締め切りに間に合わなかった場合は、その段階でスケジュールを変更してもらうしかない

こんなことでは、プロの仕事とは言えません。この仕事の根底には「締め切り = 努力目標」という考えがあり、「目標に向けて精一杯努力をすることが大切」という体育会的な姿勢があります。そして最も良くないのが「ラストスパート志向」です。多くの人が、「 最初はのんびりしていても、 最後に頑張ればなんとかなる」という根本的な誤ちを改めるところから始めないといけません。

実際に私も案件で試しましたが、さすがにきつかったので「5割の工数で8割の仕事を終わらせる事」を目標にしていました。

終わりに

今回は、生産性を上げる方法として「タスク管理」を取り上げました。
タスク管理の方法は人それぞれだと思いますが、前提として必要なのは 時間は守らなければいけないという意識です。
個人の生産性が上がれば、自分もチームも楽になりますし、早く帰って自分の好きな事に時間を使う事ができます。