Goodpatchは、SDGsなどの社会課題に取り組む挑戦者たちにデザインの力を届けたいという想いのもと、企業・団体・NPO法人へデザインの無償支援を行っています。SDGs推進は、社会の一員として無視することができない普遍的なテーマとして捉えているからです。

この取り組みの支援先として、Goodpatchは2021年3月からフードロス削減に取り組むクラダシのパートナーとして併走しています。

GoodpatchはSDGs推進に向けどのようにBX(ブランドエクスペリエンス)デザインを社会に実装していこうとしているのか。クラダシの価値の言語化に向けた共通認識づくりを目的に開催したワークショップ当日の様子をご紹介する形でお届けします。

クラダシとは?

クラダシは、社会貢献型ショッピングサイトKURADASHIを運営する2014年創業のスタートアップです。
賛同メーカーより協賛価格で提供を受けた商品を最大97%OFFで消費者(会員)へ販売し売り上げの一部を社会貢献活動団体へと寄付する仕組みを通じて、フードロス削減を目指しています。

価値の言語化に向けワークショップ開催

開催背景

品質に問題がないにもかかわらず廃棄されそうになっている商品の「お得なお買い物」が、フードロス削減と社会貢献につながる。こんなビジネスモデルの新しさが様々なメディアにも取り上げられているクラダシ。

一方「食や消費に対する需要や考え方が変化しつつある今、食品そのものの品質や価格だけでない、どのような価値を届けることでフードロス削減というビジョンに共感する顧客を増やすことができるだろうか」という問いがクラダシ社内に存在していたようです。
品質や価格を含めた「クラダシの本質的な価値」を言葉にする必要に迫られていました。

今回のワークショップではその「価値の言語化」を進める上で必要となる共通認識と多様な視点を得ることを目的に開催しました。クラダシが生み出したい提供価値とありたい姿を各プロジェクトメンバーが思い思いに発散。それをチームで共有・議論する形で進めます。

プロジェクトがスタートしてから約1ヶ月半、全てオンラインで推進していました。今回のワークショプは、感染症対策に十分配慮した上で、クラダシさんのオフィスにて開催。メンバーが初めて対面で顔を合わせる時間にもなりました。

「食」を軸にイントロダクション

冒頭のアイスブレイクでは、参加メンバー全員が「食」に関する大好きなモノ・コト・時間を写真を用いて紹介。それらが自分にどのような価値を与えてくれているのかを発表し合いました。

ベビーカーフレンドリーなレストランが好き。自分がおいしい食事を食べられる場所というよりも、私にとってはむしろ「食事を通して子供に新しい経験を与えながら家族で楽しく過ごせる場所という存在です。

自分にとって好きなモノの理由を考えることを通して「結局のところそれは自分にとってどういう存在なのか」、「そのモノを通してどのような”体験の価値”を得ているのか」の解像度を上げていくアイスブレイクでした。

実現したい世界を見つめ直すワークショップ

アイスブレイクを終え、食と消費と社会貢献活動のトレンドについて共有し発想を広げるためのインプットをしたのち、いよいよ価値の言語化についてのワークに移ります。

当日は2種類のワークシートを用いて議論を深めました。

ひとつは「クラダシが消費者に向けて実現したい世界・提供価値を言葉にする」ためのワークです。

クラダシを通じて提供したい価値や競合優位となる特徴、実現したい世界などをシートに書き込む形で一人一人が発散。複数のアイデアを出し終えたら、メンバー全員に発表しました。

改めてメンバーが考えるクラダシの価値観を共有。クラダシを通じてどんな世界を実現したいのかメンバー全員の解像度が上がる時間となりました。全員の発表からディスカションを経て、クラダシの価値を探索しました。

続いて、二枚目のワークシートを使ってさらに言語化を進めます。

2枚目のワークシートでは、バイアスを外して考えることに重きを置いて作られたフレームで発散しました。

・販売単位を極小にできたら、どんな価値が提供できそうか?
・リソースを100倍に増やせたら、どんなことをしたい?
・○×という世界/価値を実現するために、こんな仕組みを作りたい!

など、制約を外したり、あえて設ける形で実現したい未来を書き出し、発表。

ワークシートをホワイトボードに張り出し、他の方のアイデアへの感想を付箋に貼る形で発散アイデアを可視化。出そろった意見から、クラダシの価値を抽出するための議論を深めました。

参加したメンバーの声

 

「おかげ様で日々サービスが大きくなる中で、このワークショップをきっかけにあえて立ち止まり、現在と未来にじっくり向き合えたことは意義のある体験でした。価値の言語化を完結させた先のさらなる事業成長が楽しみです。」

「KURADASHIのビジネスモデルは少し複雑で、サービスの価値をわかりやすく言語化するのが難しかったのですが、ワークショップを通じて、とても本質的なエッセンスが抽出できたと思います。」

「主観的にみて、俯瞰的にみて、
抽象度を高めてみて、解像度を高めてみて、
短期的にみて、長期的にみてと様々な角度からクラダシをとらえる良い機会で、今後の羅針盤となる良いワークショップでした。」

「脳みそに刺激を与えられたワークショップでした。連続する日常の中で固定化されがちな思考の枠を敢えて外して本質に立ち返り、未来に向けて行うディスカッションは、得られるものが多かったです。」

価値の言語化は、組織の求心力と事業の推進力を増幅させる

クラダシは、事業の成長に伴い組織も急速に拡大中です。人が増えても適切な求心力・凝集性を保つために、いま価値の言語化というブランド構築を行うことで事業成長を加速させることができます。
クラダシの事業は、フードロス・食品業界の構造やマーケットの常識を変える挑戦的な取り組みです。Goodpatchは、今後もデザインの力で社会の可能性を切り拓いていくことを目指しています。

引き続き、クラダシのコア言語化を進め、今後はブランドブックとしてまとめていく予定です。ことばとビジュアルを用いて、共通認識の取れた価値観の可視化と浸透を通じて、フードロス削減を実現するためにさらなる事業成長を後押ししていきます。

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