芸術の秋を体感。プチ贅沢な休日を彩る展覧会情報【2017】
突然ですが、みなさんは良い休日を過ごせていますか?以前、仕事につながる週末の過ごし方についてご紹介しました。
今回はちょっぴり贅沢な休日の過ごし方として、東京近郊で開催される展覧会の情報をまとめてみました。いつもの自分の視点を覆すような作品に触れることで、リフレッシュが期待できるところが美術鑑賞の嬉しいポイント。まとまった時間がとれる休日こそ、気になる展覧会へ足を伸ばしてみませんか?
今回ご紹介するのは、2017年秋から冬にかけて開催予定、もしくは開催中の展覧会です。
デザイン、アート、絵画に分けてお届けするので、気になるカテゴリからチェックしてみてくださいね。
▶︎デザイン
AMBIENT 深澤直人がデザインする生活の周囲展
世界的なブランドのデザインやコンサルティングを務めるほか、国内の有名企業のプロダクトの数々を手がけるプロダクトデザイナー深澤直人氏の展覧会が開催されています。生活に溶け込みつつも、シンプルな佇まいで存在感を失わない彼のプロダクトは、時代を超えても愛される普遍的なデザインと言えるでしょう。
本展示では、その生活空間にあってこそ際立つデザインに着目し、展示空間をひとつの生活空間に見立てて作品を設置しているそうです。展示のタイトル“AMBIENT”の意味を考えながら、本質的なデザインをじっくり味わいたいですね。今週末で会期終了なので、気になる人はチェックしておきましょう!
会場・アクセス
パナソニック汐留ミュージアム
〒105-8301 東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階
都営大江戸線「汐留」駅 3、4番出口より徒歩約5分
会期
2017年7月8日(土)~10月1日(日)
開館時間
10:00〜18:00
休館日
毎週水曜日
観覧料
- 一般 1,000円
- 大学生 700円
組版造形
組版(くみはん)造形とは、「紙面に文字組版を配置・構成した空間を含む造形」のことを言います。主に紙媒体において欠かせないタイポグラフィを司る大切な要素のことです。
本展示は、デザイン誌『アイデア』のアートディレクションをはじめ、数多くのエディトリアルデザインやブックデザインを手がける白井敬尚氏による個展です。これまでに彼が担当した雑誌や書籍が並び、そのひとつひとつに最適化されたレイアウト、組版を目にすることができる内容となっています。
秋は読書の季節と言いますが、読書の時間を支える影の功労者・組版についてを、本展示から学んでみるのもいいかもしれません。
会場・アクセス
ギンザ・グラフィック・ギャラリー
〒104-0061 東京都中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル1F
東京メトロ銀座線/日比谷線/丸ノ内線「銀座」駅より徒歩5分
会期
2017年09月26日(火)~11月07日(火)
開館時間
11:00〜19:00
休館日
日曜日・祝日
観覧料
無料
台湾のCDジャケットデザイン展
「泊まることのできるギャラリー」として、台湾のデザイン事務所BXG株式会社が2017年6月にオープンしたNIBUNNO。オープン以来、ギャラリースペースでは、日本と台湾のクリエイティビティの架け橋となるような展示を企画しています。
現在開催中の「台湾のCDジャケットデザイン展」では、台湾のデザイナー5名の作品が展示されるほか、気に入ったジャケットのCDは視聴・購入もできるそうです。
また、デザイナーによるトークイベントも開催されます。「音楽の世界観からビジュアル化までの発想プロセス」というトークテーマは、音楽に浸りたい気分が増えるこれからの季節にぴったりな内容になるのではないでしょうか。
客室はすでに満室の日も多いようですが、せっかくならデザイン研究合宿などを開き、本展示とセットで丸一日楽しんでみたいですね。
会場・アクセス
NIBUNNO
〒106-0044 東京都港区東麻布1-8-2
都営大江戸線「赤羽橋」駅より徒歩5分
会期
2017年9月16日(土)〜10月29日(日)
開館時間
12:00〜19:00
休館日
毎週月、火曜日
観覧料
500円(レコード別売)
パリ グラフィック―ロートレックとアートになった版画・ポスター展
21世紀の現在において、「メディア」とは何を指すでしょう。例えば世界情勢を知るためには、スマートフォンさえあれば欲しい情報が思いのままに手に入りますよね。私たちにとってのメディアは、インターネット上に存在するあらゆる情報と言えます。
さて時は遡り、19世紀後半のパリにおけるメディアとは何だったのか。それは版画の技法を用いたグラフィックデザイン、すなわちポスターでした。
作家たちの観察眼は生活のあらゆる瞬間に向けられ、ムーラン・ルージュやカフェ、サーカスなどでの人々の様子を緻密に描き出した作品が多く生まれました。本展示のタイトルにもなっているロートレックは、商業的だと画家たちから見下されていたポスターを、芸術の域にまで押し上げた功績で今もなお有名です。
リトグラフのポスターに囲まれて、19世紀のパリにタイムスリップしてみませんか?
会場・アクセス
三菱一号館美術館
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-6-2
東京メトロ千代田線「二重橋前」駅 1番出口より徒歩3分
会期
2017年10月18日(水)~1月8日(月・祝)
開館時間
10:00〜18:00
休館日
毎週月曜日
観覧料
- 一般 1,700円
- 大学生・高校生 1,000円
MATERIAL DESIGN EXHIBITION 2017
ニューヨークを本拠地とし、世界中に拠点を置く会員制のマテリアルライブラリーであるMaterial ConneXionによる、3回目の企画展です。今回は企業とデザイナーがタッグを組み、様々な素材に新しい価値を生み出す挑戦をしました。8組のコラボレーションから誕生したプロトタイプを展示します。
プロダクトデザインの展示では、完成品が展示されることはあっても、試作品やプロセスを目にする機会は少ないのではと思います。本展示は、素材に触れた瞬間デザイナーが何を感じ、どのような考えでプロトタイピングを行なったのかを手に取るように知ることができる貴重な機会。プロダクトデザインに興味がある人はもちろん、サービスやアプリなど、ものづくりに携わる人なら共感できるポイントが見つかるのではないでしょうか。
会場・アクセス
Material ConneXion Tokyo
〒107-0062 東京都港区南青山2-11-16 METLIFE青山ビル4F
東京メトロ銀座線「外苑前」駅 1b、4a出口より徒歩4分
会期
2017年10月16日(月)~12月22日(金)
開館時間
10:00〜18:00
休館日
土・日・祝
観覧料
無料
GOOD DESIGN EXHIBITION 2017
人々の暮らしを豊かにする「よいデザイン」を表彰するグッドデザイン賞の受賞展が、2017年も開催されます。
何を持って人々にとってよいデザインと言えるのか。見かけが美しいだけではないことが、本展示を通じてわかるのではないでしょうか。
そして今回は、グッドパッチがデザイン・開発をサポートした株式会社中川政七商店の「さんち」がグッドデザイン・ベスト100受賞デザインとして、展示される予定です。三連休にぜひ足を運んでみてくださいね!
会場・アクセス
東京ミッドタウン
〒107-6290 東京都港区赤坂9-7-6
都営大江戸線/東京メトロ日比谷線「六本木」駅、千代田線「乃木坂」駅より徒歩5分
会期
2017年11月1日(水)〜11月5日(日)
開館時間
11:00〜20:00
観覧料
1000円(大学生以下無料)
▶︎アート
草間彌生美術館開館記念展「創造は孤高の営みだ、愛こそはまさに芸術への近づき」
来たる2017年10月1日に、草間彌生美術館が新宿区にオープンします。最新作を含む、近作を揃えたこけら落としの展示となるようです。圧倒的なパワーをもらいに、ぜひ訪れてみませんか。彼女らしさがあふれる外観は、近くまで来れば必ず分かるはず!
草間彌生美術館のユニークなポイントは、訪れた人が快適に鑑賞を楽しめるように、日時指定の予約・定員制であるところ、1グループ90分の時間制になっているところです。
集中して作品と向き合い、展示タイトルのメッセージに耳を傾けてみたいですね。
会場・アクセス
草間彌生美術館
〒162-0851 東京都新宿区弁天町107
東京メトロ東西線「早稲田」駅 出口1より徒歩7分
会期
2017年10月1日(日)〜2018年2月25日(日)
開館時間
11:00〜17:00
開館日
木・金・土・日・祝
休館日
月・火・水曜日
観覧料
- 一般 1,000円
- 小中高生 600円
サンシャワー:東南アジアの現代美術展
経済や文化の発展が目覚ましいASEAN(東南アジア諸国連合)。その設立50周年を記念して、ASEAN加盟の10ヶ国から、86名/組のアーティストたちが集いました。
国立新美術館・森美術館での2館同時開催となる今回の展覧会は、規模も過去国内最大級とのことで、東南アジア現代美術のお祭りと言えそうですね。
多くの展示作品は撮影可能なので、様々なアートからサンシャワー(天気雨)のように降り注ぐASEANの空気を感じとってみませんか。
会場・アクセス
- 国立新美術館 企画展示室2E
〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
東京メトロ千代田線「乃木坂」駅 青山霊園方面改札6出口直結 - 森美術館
〒106-6150 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階
東京メトロ日比谷線「六本木」駅 1C出口直結
会期
2017年7月5日(水)~10月23日(月)
開館時間
国立新美術館 10:00~18:00(毎週金・土曜日は21:00まで)
森美術館 10:00~22:00(毎週火曜日は17:00まで)
休館日
- 国立新美術館 毎週火曜日
- 森美術館 なし(会期中無休)
観覧料
- 一般1,800円
- 大学生 800円
「そこまでやるか」壮大なプロジェクト展
湖に3kmに渡ってかけられた布製の浮き橋、連続制作時間96時間の絵画、実現不可能性99%とされるプロジェクト…アーティストたちの斬新なアイデアと、それを形にする執念は、時に私たちに「そこまでやるか」という驚きや、新鮮な気づきを与えてくれます。
「そこまでやるか」展では、そんな8つの作品が展示されています。アーティストたちの熱意の結晶に触れて、ものを生み出すことの楽しみや苦しみを感じ取ってみてください。
会場・アクセス
21_21 DESIGN SIGHT
〒107-6290 東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン内
都営大江戸線/東京メトロ日比谷線「六本木」駅、千代田線「乃木坂」駅より徒歩5分
会期
2017年6月23日(金)〜10月1日(日)
開館時間
10:00〜19:00
休館日
毎週火曜日
六本木アートナイト2017
六本木が舞台のアートのお祭りと言えば、六本木アートナイト。今や東京のアートシーンを語るには欠かせないイベントに成長しました。
今年は初の試みとして、国立新美術館・森美術館との協働プロジェクト「東南アジア・プロジェクト」が始動するほか、メインプログラムアーティストとして蜷川実花氏が参加しており、見逃せないプログラムが盛りだくさんです。六本木が一夜限りでアートに包まれる非日常な瞬間を、目撃してみませんか。
会場
六本木ヒルズ、森美術館、東京ミッドタウン、サントリー美術館、21_21 DESIGN SIGHT、国立新美術館、六本木商店街、その他六本木地区の協力施設や公共スペース
会期
2017年9月30日(土)〜10月1日(日)
開催時間
10:00〜翌18:00
※コアタイムは9月30日(土)の17:27から10月1日(日)の日の出5:36まで
観覧料
無料
※一部のプログラムおよび美術館企画展は有料
第17回グラフィック「1_WALL」展
1_WALL展とは、銀座のギャラリーガーディアン・ガーデンが主催する、個展開催の権利をかけた公募展です。つまり出展者は、ポートフォリオによる一次審査と、面接の二次審査を通過した6名の新進気鋭のアーティストたちです。本展示が最終審査の場となり、グランプリに輝いた1名だけが、個展を開催することができます。
そんな1_WALL展では、絵画やイラストレーション、立体作品など、アーティストたちの様々な表現方法を楽しめます。彼らの表現からは、「人はどんな瞬間にインスピレーションを得られるのか」という視点を学ぶことができると思います。新しい着眼点が欲しい人におすすめな展示です。
会場・アクセス
ガーディアン・ガーデン
〒104-8227
東京都中央区銀座7-3-5 ヒューリック銀座7丁目ビルB1F
東京メトロ「銀座」駅 C2出口より徒歩5分
会期
2017年10月3日(火)〜27日(金)
開館時間
11:00〜19:00
休館日
日曜日・祝日
観覧料
無料
THE TOKYO ART BOOK FAIR 2017
「アート」に特化した本が並ぶTHE TOKYO ART BOOK FAIR。9回目となる今回は、同地区のギャラリーやショップとの連動企画や、350組の出展者と共に、過去最大級の規模で開催されます。公式Instagrmでは、企画の舞台裏を垣間見ることができ、参加への期待が高まるような写真が投稿されています。
書店で手に取る体験とは異なる、特別なアートブックとの出会いを探しに行ってみる休日も素敵ですね。
会場・アクセス
寺田倉庫
〒140-0002 東京都品川区東品川2-6-10
会期
2017年10月5日(木)~8日(日)
開催時間
- 10月6日(金)12:00〜20:00
- 10月7日(土)12:00〜20:00
- 10月8日(日)11:00〜19:00
観覧料
無料
▶︎絵画
ゴッホ展 巡りゆく日本の夢
世界中の絵画の中でも、ゴッホの絵を目にしたことがある人は多いでしょう。特に有名な「ひまわり」「星月夜」などは、印象派に影響を受けたとされる彼の後期の作品です。
そしてゴッホに影響を与えていたもう一つの美術は、日本の浮世絵だったと言います。ゴッホがパリにいる弟の元へやってきた1880年代、パリはジャポニスムの最盛期でした。そして彼はこの頃に多くの浮世絵と出会い、模写を繰り返し、浮世絵展を開くほど心酔していたのだそう。
「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」では、ゴッホが日本美術のどのようなところに心惹かれたのか紐解き、ゴッホ作品に潜むジャポニスムを検証します。西洋美術の展示ながら、テーマが日本に設定されているところに興味を惹かれますね。
会場・アクセス
東京都美術館
〒110-0007 東京都台東区上野公園8-36
JR「上野」駅 公園口より徒歩7分
会期
2017年10月24日(火)〜2018年1月8日(月・祝)
開館時間
9:30~17:30
※毎週金曜日、11月1日(水)、2日(木)、4日(土)は20:00まで
休館日
毎週月曜日、年末年始
観覧料
- 一般 1,600円
- 大学生・専門学校生 1,300円
あわせて観たい「ゴッホ〜最期の手紙〜」
2017年は展覧会だけではなく、ゴッホにフォーカスした映画も公開されます。
なんと全編油絵で構成されており、125名もの画家たちが、ゴッホのタッチを再現して描いたのだそうです。
晩年に共同生活をしていた画家・ゴーギャンとの別れから錯乱を引き起こし、耳を切り落としたエピソードに始まり、狂気のイメージが強いゴッホという人物。しかし私たちは、彼に会ったこともなければ、本当の姿を知っているわけでもありませんよね。
「体験型アート・サスペンス」と銘打った本作は、ある郵便配達人の息子の視点で進み、ゴッホを取り巻く人生の謎に迫っていくストーリー。展覧会の後に見るもよし、映画を先に見るもよし。ぜひ色々な角度から、ゴッホという画家の知られざる生涯をのぞいてみましょう。劇場公開は2017年11月03日(金)から。
公式サイト : http://www.gogh-movie.jp/
100点の名画でめぐる100年の旅
ポーラ美術館の設立15年を記念して、わくわくするほど贅沢な展示が開催予定です。
貴重な1万点のコレクションの中から厳選された絵画を100点揃え、19世紀〜20世紀の芸術の流れをこの展示だけで学ぶことができるのです。
「絵画はよくわからない」という人も、厳選された100点を鑑賞する中で、「これは好きかも」「これは苦手だな」という自分の好みが見えてくるはず。
代表的な作品ばかりが並ぶ機会なので、いつもと違う休日を過ごすプランに組み込んでみては?
会場・アクセス
ポーラ美術館
〒250-0631 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山 1285
小田急線「小田原」駅より1時間(直通バスあり)
会期
2017年10月1日(日)〜2018年3月11日(日)
開館時間
9:00~17:00
休館日
年中無休(展示替のための臨時休館あり)
観覧料
- 一般 1,800円
- 大学生・高校生 1,300円
「怖い絵」展
日本のドイツ文学者中野京子氏によるベストセラー本「怖い絵」はご存知でしょうか。
誰もが知っている有名な絵画に隠された、歴史的な闇を解説し、新しい角度からの鑑賞方法を教えてくれるかの本が、展覧会になって東京にやってきます。
一見すると美しい作品でも、描かれた背景や作者の生い立ちを知ることで「怖い」と感じるようになる瞬間を、ぜひ絵画の目の前で体験してみてください。「怖い絵」展仕様のパッケージで作られた北海道のお菓子「黒い恋人」は、ハロウィンシーズンの手土産にもぴったりですよ。
会場・アクセス
上野の森美術館
〒110-0007 東京都台東区上野公園1-2
JR「上野」駅 公園口より徒歩3分
会期
2017年10月7日(土)~12月17日(日)
開館時間
10:00~17:00
休館日
なし(会期中無休)
観覧料
- 一般 1,600円
- 大学生・高校生 1,200円
気になる展覧会は見つけられましたか?良質なインプットは、優れたアウトプットにも繋がります。休日はゆっくりと芸術鑑賞を楽しみながら、贅沢な時間を過ごしてみてくださいね。