厳しい冬と小さな春の訪れを感じる最近、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
今月もGoodpatchで話題になったアプリやサービスをご紹介します!

アプリケーション

話題の音声SNS「Clubhouse」の認知率は66%まで上昇!

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002896.000001594.html

音声版ツイッターとも呼ばれるオーディオアプリ「Clubhouse」が2021年1月23日より日本でサービスを開始しました。UIは英語のみ、Androidも非対応という制約がありながらもリリース直後からユーザー数は爆発的に増加し、各界の著名人も連日登場するような盛り上がりを見せています。

そんな話題沸騰のClubhouseですが、特徴的な点として「限られた招待枠」「その場でしか聞けないオフレコトーク」という特別感を感じられることがあります。また、コロナ禍で雑談する機会が減っていることも相まって、気軽に話してみることや誰かが話しているところを覗きにいくことに楽しみを感じる人も多いのはないでしょうか。

実際にGoodpatchの採用担当者が社内カルチャーや採用の現状を話す配信をしてみたのですが、簡単にトーク部屋を設定でき、配信中はリスナーも柔軟にスピーカー側に入ってもらうことで、会話が広がっていく面白さを感じました。今後も新しいボイスメディアの可能性として、様々な場面で活用が期待できそうですね。

次世代写真SNSアプリDispoが話題David Dobrik Launches Disposable Camera App Inspired By Hit Instagram Account - Tubefilter

https://www.notion.so/Dispo-f76084c8caeb4cf68d88524b2e9429a3

スロバキアの人気YouTuberであるデビッド・ドブリック氏がリリースした写真SNSアプリ「Dispo」が話題になっています。使い捨てカメラをモチーフにしたアプリで、翌日朝9時にならないと撮った写真を確認できません。写真は友達と共有しリアクションもできますが、利用するには既存ユーザーからの招待が必要であり、アプリ画面の共有も禁止されています。

時代に逆行したアイディアで、プリントの工程を経ないと写真が見られなかったフィルムカメラを想起させます。また、友達と撮った写真を別々の場所で同時に確認しリアクションし合うという、これまでにないアプリの体験も話題になっている理由の1つです。

様々なサービスがデジタル化していくことで、アナログならではの体験がいつの間にか失われているのかもしれません。Dispoはそんな古き良き体験をデジタルという舞台で再定義することで、新たな体験に昇華していると言えるのではないでしょうか。

Epic Gamesがリアルなデジタルヒューマンを簡単に作成できる「MetaHuman Creator」を発表

https://www.unrealengine.com/ja/digital-humans

Epic Gamesは2021年2月11日にデジタルヒューマン作成ツール「MetaHuman Creator」を発表しました。このサービスを使えばこれまで数週間や数ヶ月かかっていた、人物キャラクターの作成をわずか1時間以内でおこなうことが可能です。顔の特徴やヘアスタイル、体格、服装などを選択し、調整をおこなうことで様々なタイプの人物を作成できます。キャラクターの書き出しも可能で、書き出したキャラクターを様々なツールに取り込むこともできます。

今回注目したいのは、キャラクターの見た目のクオリティとこれがクラウド上で動くという点。今までデジタルヒューマン作成用のツールはいくつかありましたが、今回のツールは特にクオリティが高く、細かなシワや顔の色味などがリアルに出ています。また、このアプリケーションはクラウド上で動くので処理に負荷がかかりキャラクター作成をおこなう際にかくついてしまう、という事態を避けられることが予想されます。ハイクオリティなキャラクターモデルを使用することが予算との兼ね合いで難しかった、個人のデベロッパーや中小企業にとっては非常に便利なツールかもしれません。今後の利用が楽しみですね。

Oktaがアクセシビリティを重視したオープンソースの新デザインシステムをローンチ

https://www.okta.com/blog/2021/02/proceed-with-confidence-elevating-our-brand-identity/

Oktaは米国時間2月4日に「Odyssey Design System」と呼ばれる新しいデザインシステムをローンチしました。このデザインシステムは、W3CのWCAG 2.1のAAランクに準拠したアクセシビリティ重視のデザインシステムとされています。またデザインシステムのローンチと同時に、企業ビジョンの変更・全てのWebサイトのデザインの更新をデザインシステムに則って行っています。

Oktaはこれまでプラットフォームとして組織に焦点を当てていました。一方で新しく掲げた企業ビジョンは組織だけではなく「あらゆる人があらゆるテクノロジーを安全に使うことができる世界を実現する」というものです。今後個人の活動においてもアイディティティが重要になるため、より個人への焦点を強化していくという背景から、今回のビジョン変更に至ったようです。こうした思想が「Odyssey Design System」においてアクセシビリティを重視することになった理由だと考えられます。健常者だけでなく、障害を抱える方々も含めたユーザーを想定するインクルーシブな視点は、まさしくOktaがあらゆる人のユーザー体験を向上させるために必要だと言えるでしょう。

サービス

NOT A HOTELがホテルにもなる住宅の販売開始を発表

https://notahotel.com/

NOT A HOTELが2月10日、ホテルとして利用可能な住宅を今年夏からオンライン販売を開始すると発表しました。NOT A HOTELで購入した住宅は、自宅(別荘)として利用するかホテルとして貸し出すかを、アプリの操作で使い分けることができ、ホテルとしてのオペレーションは全てNOT A HOTELがサポートするというサービスです。第一弾となる物件はSUPPOSE DESIGN OFFICEがデザインを手がけています。

アプリ1つでフレキシブルに環境を切り替えられる機能面・サポートの充実さ・クリエイティブな空間、などオーナー体験の斬新さには衝撃を受けました。ホテルとして利用するユーザーの体験はどうなるのかにも今後注目したいです。

オンライン上で消費者に直接住宅を販売する新しいビジネスモデルは『住宅のD2C』と言われており、新しい暮らし方や住宅体験を届けるブランドをダイレクトに消費者に伝えていることも特徴的です。リモートワークの増加によって住む場所・働く場所の境界が曖昧になったことや、移住・別荘需要の高まりも、NOT A HOTELが提示するあたらしい暮らし方を後押しするでしょう。

FacebookとInstagramでShopifyの決済サービスShopPayが対応

https://news.shopify.com/shop-pay-expands-to-facebook-and-instagram

オンラインショップ構築プラットフォームを運営するShopifyの決済サービス「Shop Pay」が、FacebookやInstagram内のオンラインショップで利用可能になりました。「Shop Pay」は、決済に必要な情報を一度登録することでそれ以降は入力を省略して決済を行うことができます。購買意欲が出てから決済するまでの流れをシームレスにすることで、ストレスのないオンライン購買体験を提供すると期待されています。

ShopifyのゼネラルマネージャーCarl Rivera氏は「Shop PayをShopifyの外で初めて利用できるようにしたことは、より多くの買い物客がインターネット上で最速かつ最高のチェックアウトを利用できることを意味します」と述べています。オンライン購買の需要が高まる昨今、幅広い世代が利用しているFacebook、Instagramでの「Shop Pay」対応はオンライン購買の魅力をより一層印象付けるでしょう。

プロダクト

Nikeが手を使わずに脱ぎ履き容易な「Nike GO FlyEase」発表

https://news.nike.com/news/nike-go-flyease-hands-free-shoe

ナイキは手を使わなくても履けるス二ーカー「Nike GO FlyEase」を発表しました。体重をかけるだけでシューズが足にフィットするため、靴ひもを閉める動作や時間が不要です。両手に荷物を持っていたり、急いでいる場合などでも容易に着脱が可能です。妊婦の方や障がいを持つ方にとっても手を使わずに履けることは大きなメリットになります。ヒールのキックスタンドなど、多くの人が靴を脱ぐ際に習慣的に行っている動作を観察したうえで違和感なく使用できる工夫が施されています。

Nike FlyEaseはすべてのアスリートにメリットをもたらすデザインをコンセプトにアクセシブルな靴を生み出したきたシリーズです。Nike FlyEaseイノベーションチームのサラ・レイネルトセン氏は、障がいを持つ人のための技術開発が、障がいを持たない人にとっての利便性にも繋がると語りました。このようなプロダクトは、人々が持つ特殊な課題を解決するデザインがすべての人に役立つ可能性を感じさせてくれます。

音が出る壁紙やポスターとしても利用できる、紙のようなスピーカー「T-Paper」が開発

https://www.tu-chemnitz.de/tu/pressestelle/aktuell/10545/en

一見、普通の紙にしか見えない紙のようなスピーカー「T-Paper」がドイツのケムニッツ大学で開発されました。T-Paperは、全体の90%が従来の紙で構成されており、低コストで大量に生産することができます。T-Paperを応用することで、ポスターや本から直接音楽や効果音を再生することができます。何枚かのT-Paperを繋げて使用することもでき、簡単にサラウンド環境を構成することもできます。

T-Paperにより低コストかつ省スペースでスピーカーを設置できることで、さまざまな新しい体験の実現が期待されます。音響システムを簡単に導入できることで、例えば聴覚を使った全く新しい読書体験や、街中での見たことも聞いたこともないような広告コミュニケーションが実現されるかもしれませんね。

展示・イベント

シャッターを活⽤した地域⽀援アートロジェクト 「CHILL ART」が渋谷エリアに実施

https://www.wallshare-inc.com/chillart

WALL SHARE株式会社と合同会社Endianが運営するリラクゼーションドリンク「CHILL OUT(チルアウト)」が、2021年3⽉下旬から東京・渋⾕エリアにおいてシャッターを活⽤した地域⽀援アートプロジェクト「CHILL ART」を実施します。同プロジェクトは、渋谷エリアにあるシャッターにアーティストがアートを描くプロジェクトです。新型コロナウイルスの影響を受けている飲食店や不動産オーナーなどをターゲットにシャッターの募集を行い、シャッターアートを活用することで街に活気を与え各店舗の認知拡大も目的としています。

「CHILL OUT」はミューラルアート(壁画)を活用したイベントサービスなどを開催するWALL SHARE株式会社と、ストレス社会にチルでクリエイティブなライフスタイルをコンセプトに開発されたリラクゼーションドリンク「CHILL OUT」のコラボレーションにより、「SHUTTER」×「ART」×「CHILL」といった今までにないアートプロジェクトです。数日間かけて出来上がっていくARTのライブ感を味わうことができ、コロナ禍の今日でも、3密を避けながら多くの人が気軽に楽しむことができます。これからもコロナ禍の今だからこそ、賑わう街を取り戻すためにこうした新しいアイデアを盛り込んだ企業の取り組みが増えていくのではないでしょうか。


以上、2月に話題になったアプリやサービスをお届けしました。
毎月新しい情報をお届けしておりますので、来月もお楽しみに!

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