Goodpatch が実践しているデザイナー研修方法とは?

こんにちは。デザイナーのユンです。

Goodpatch では、社内のジュニアデザイナーが成長できる機会を増やすために、2017年よりデザイナー研修を行なっています。今回は、その研修の設計を担当している私から、研修がはじまった当初からこれまで行なってきたカリキュラムの内容をご紹介したいと思います。社内でデザイナー育成に取り組む方の参考になれば嬉しいです。

なぜはじめたのか?

Goodpatch の Design Division のジェネラルマネージャー(General Manager)である松岡から「社内で新卒デザイナーやジュニアデザイナー向けのデザイナー研修プログラムを作りたい」という話がありました。私も元々デザイナーの育成には興味があったので、「是非やらせてください」と手を挙げたことがきっかけです。それが Experimental Design Project の始まりでした。

始めた当初は、これから一人でメインのUIデザイナーとしてプロジェクトを担当するジュニアデザイナーや、デザイナーとしての経歴はありつつもUIデザインに慣れてない他の業界から転職してきたデザイナー(元ウェブデザイナー・元グラフィックデザイナーなど)を対象に行いました。私もUIデザイナーとしてのキャリアはそこまで長くなかったため、一緒に勉強していく気持ちで臨みました。

カリキュラムの構成

現在3回目を行っていますが、少しずつやり方を変えながらアップデートしています。
基本的な流れは、デザインプロセスで良く知られているダブルダイアモンドという方法をベースにしています。

また、Goodpatchに入る前に自分がスキルアップするために利用していた Daily UI からもインスピレーションを受けました。Daily UIは、100日間毎日メールで課題が送られてくるラーニングサービスです。作ったものは Dribbble や Twitter にハッシュタグ #dailyui を付けてアップロードします。課題の内容は、ログインフォームやクレジットカード決済画面など、簡単な課題だと3〜4時間で終わる内容のものが多いです。

daily UI

1回目

Daily UIからインスピレーションを受けて、対象だったジュニアデザイナーに「1日1回は開いて触っているアプリの中で、好きだけど改善点があると感じるアプリ」を決めてもらい、リデザインした成果物を社内で発表してもらいました。

ゴール

  • Weekly UI Design Developement を実装する
  • デザインプロセスのダブルダイヤモンドをデザイナー1人で回してみる

Goodpatch のクライアントワークは、通常 PM(Project Manager)とデザイナーの2人がタッグを組んで進めることが多いです。その際は、ダブルダイアモンドの前の方は PM が主導となり、デザイナーがフォロワーに回るケースが多いです。そのため、本研修ではデザイナーが一人で「PM・UX デザイナーの役割も担いながらアウトプットを出せるようになること」を目標にしました。
ただ綺麗で素敵なデザインを作るのではなく、サービスの本質的な課題と向き合い、解決策を導き出せるように特訓することを目的としたのです。

具体的なカリキュラム

  1. 改善したいプロダクト・サービスを知る(Lean Canvas、Custmor Journey map)
  2. ユーザーを知る(Persona)
  3. ユーザーのニーズを理解する(User Interview)
  4. 自分の仮説と合ってるかを検証する(Prototyping)
  5. どう改善していくか決める(Develope)
  6. その解決案をデザインに落とし込む(UI design output)

約3ヶ月間、それぞれのメンバーが一人で全工程を行いました。一連の流れの中でも、❶〜❸番の作業に半分以上の時間を使い、UI デザイナーが UX の部分を重点的に学べるようなスケジュールを組んでいます。

メンバーが作成したカスタマージャーニーマップ

 

デザインリニューアル案(ワイヤーフレーム・ナビゲーション再設計、グリッド・カラーシステム再定義)

 

2回目

2回目は、2018年の新卒メンバーを対象に行いました。新卒は全部で9人いたので、2つのチームに分けて行いました。UIデザイナーだけでなく、PM、フロントエンドエンジニア、バックエンドエンジニアなど多様な職種がいましたが、全員がデザインプロセスの一連の流れに関われる研修を設計しました。内容は1回目とほとんど変りませんが、新卒には比較的 PM が多くいたので、1回目よりも企画面が強いアウトプットを出すことを目指しました。

ゴール

  • Goodpatch のデザインプロセスのダブルダイヤモンドの一部を新卒チームメンバーのみで回し、アウトプットを作り出す。

具体的なカリキュラム

  1. 改善したいプロダクト・サービスを知る(Custmor Journey map)
  2. 競合調査 (Market Research)
  3. ユーザーを知る(Persona)
  4. ユーザーのニーズを理解する(User Interview)
  5. サービスのコンセプトの再定義(re-define Service’s concept)
  6. 自分の仮説と合ってるかを検証する(Prototyping)
  7. どう改善していくか決める(Develope)
  8. その解決案をデザインに落とし込む(UI design output)

上のプロセスの中でも、ビジネスで成功するために重要なサービスとユーザーの本質的な部分を知るためのフェーズ(❶〜❺)に多くの時間を使いました。ユーザーインタビューも、ただユーザーのインサイトを見つけるだけではなく、ビジネスにどうつなげるかを徹底的に検証しました。その後、❻〜❽を3〜4回繰り返しながら、ビジネスにもユーザーにも良い働きをする面にフォーカスし、アウトプットとして表現できるようにしました。

Aチームが作成したカスタマージャーニーマップ & ペルソナ

Bチームが作成したワイヤーフレーム

今と今後について

現在は3回目の研修中。過去の2回とは異なり、今回はデザインの基礎的な部分の知識のインプットと、その知識を活かしたワークショップも行っています。ただ知識を知るだけでなく、今後案件で活用できるようにインプット・アウトプットを行うことを目的としています。内容は、UI デザイナーでなくてもデザイナーなら基本的に身につけておくべき「ゲシュタルト理論」や「視覚調整」などです。

資料:ゲシュタルト理論

資料:視覚調整

その後は以前と同じく、デザインプロセスに基づいた任意のプロダクト・サービスの改善を行っています。

毎回行う際に、Goodpatch の UI デザイナーとして必要な知識やスキルと、各デザイナーが描いている個人の目指す姿との接点を探すことに気を配りながら、研修の内容を少しずつ作り直しています。UIデザイナーと言っても、各個人が伸ばしたい思っている部分やなりたいデザイナー像は異なっているからです。その理由で押し付ける・ただ座って聞くだけの研修でなく、これを行うことで Goodpatch の UI デザイナーとして担当案件で実力を発揮でき、評価されるデザイナーになれます。そして、それを元に自分が描いているデザイナー像に一歩ずつ進めているのを実感することで、会社も個人も同時に成長できると嬉しいと思っています。

これからまだまだアップデートしていかないといけないことばかりですが、会社と個人がお互いウィンウィンになれるような研修を作っていきたいと思っています。

ABOUTこの記事をかいた人

Byungwoo Yoon

いろいろ見て、いろいろ作って、いろいろ撮って、いろいろ聞いて、いろいろ話すのが好きです。
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