Effective 1on1 – 1on1のためにやっていること

CTOのひらいさだあきです。これはGoodpatch Advent Calendar 2017 – Qiitaの25日目の記事です。

調べてみたら、ここ4ヶ月で1on1を120回以上やっていました。主にエンジニアとの1on1です。
2015年の夏くらいからマネージャーになって、それからメンバーとの1on1はずっと続けていましたが、最近はその対象を広げ、全エンジニアと定期的に1on1を実施しています。

現在の組織構造はこんな感じです。この他に経営企画室や管理部があります。

  • DesignDiv
    • エンジニア / PM / デザイナーが所属するユニットがいくつかある
  • ProductDiv
    • エンジニアユニットがいくつかある
    • その他職種のユニットがいくつかある

僕はCTOとしてエンジニア組織全般を担当しつつ、ProductDivのエンジニアユニットのマネージャーをしています。全体として二十数名のエンジニアがいます。

1on1のやり方に関する情報はたくさんあります。特にヤフーの1on1はとても参考させてもらっています。

また、マネージャーになりたてのころは、こちらの記事を参考にしながら1on1をはじめました。

いろいろな事例を基に、あれこれ試行錯誤しながら1on1のやり方を模索しています。この記事では、現在やっている1on1についてご紹介させていただきます。組織や事業のフェーズによって1on1のやり方はどんどん変わっていくと思うので、今後もよりよい1on1を目指していきたいと思っています。

1on1の目的と頻度

1on1の大きな目的は以下の2点です。

  • キャリア形成の支援
  • 目標達成の支援

1on1の頻度は人によって異なるのですが、こんなペースで実施しています。

  • ユニットメンバー
    • 週1回 or 隔週1回 / 1回30分
  • それ以外のメンバー
    • 隔週1回 or 月1回 / 1回30分

1 on 1の内容

1on1の目的を達成するために、以下の内容を話し合っています。

  • OKRの確認とすりあわせ
  • Will / Can / Mustの確認
  • メンバーの状況確認

OKRの確認とすりあわせ

全社でOKRを設定しています。全社のOKRから部門のOKRが設定され、部門のOKRからマネージャーや個人のOKRを設定しています。

上記のOKRツリーの他に、エンジニアリングに関わる人達にはCTOのOKRに紐づくOKRを設定してもらっています。このOKRのすり合わせを1on1で行っています。具体的には以下のようなことを話し合っています。

  • OKRの設定したことが実行できているか?
    • もし実行できていないなら、なにか手伝えることはあるか?
  • OKRを変更する必要はあるか?
    • 1on1実施時点でのフィードバック
    • 期待以上 / 期待通り /期待以下 のどれか?
  • 期待に関する認識がずれていないか?ずれていたら合わせる
  • どういった状態になれば期待以上となるのか話し合う

OKRの運用は今期が始めてなのですが、こういったすりあわせを定期的に行っていけば、認識のずれが期末に発生するのを防げると感じています。

また課題やギャップの解決については、こちらの記事も参考になると思います。

Will / Can / Mustの確認とすりあわせ

それぞれのメンバーのキャリアを一緒に考えていく上で、Will / Can / Mustの確認とすりあわせをしています。

  • will
    • 2-3年後に実現したいこと、やりたいこと
  • can
    • 強み、できること
  • must
    • やらなくてはならないこと

リクルートではこれを人材育成のサイクルに組み込んでいるそうです。

Willは実現したいことなので、現在の自分とはギャップがあります。Willを目指していくにあたって、強味 / 課題としていること明らかにし、Willとのギャップをどのように埋めていくかを話し合います。また、Willをいつまでに実現したいのかを話し合います。業務や個人での取り組みを通じて、いつまでになにをやるのか明確にします。

Will / Can / Mustを確認して、個人の成長と会社の成長の方向性のすり合わせを行います。具体的には「デザインと技術をつなぐ」というエンジニアのミッションステートメントがグッドパッチにはあり、こういった内容と日々の業務がどう関わっていくかを話し合います。

最近では、個人としての生存戦略について話し合うこともあります。技術の変化が早いため、個人の技術のポートフォリオをどのように組み立てていくのかを話し合います。

OKRでは主に3ヶ月、または6ヶ月程度のスパンの内容になります。Willについては2-3年先を見据えたことを話します。長期的なイメージが持ちにくい人に関しては、計画的偶発性について話し合い、偶発性が起こりやすくなるようにどう取り組むかといったことを話し合います。

個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される。その偶然を計画的に設計し、自分のキャリアを良いものにしていこうという考え方。

行動特性
その計画された偶発性は以下の行動特性を持っている人に起こりやすいと考えられる。

  1. 好奇心[Curiosity]
  2. 持続性[Persistence]
  3. 柔軟性[Flexibility]
  4. 楽観性[Optimism]
  5. 冒険心[Risk Taking]

計画的偶発性理論 – Wikipedia

これらの内容は1回の1on1で話し合って結論がでるようなことではないので、継続的に話し合っていきます。

メンバーの状況確認

一般的には、1on1はメンバーのための時間であり、マネージャーのための時間ではないので、状況確認などを1on1で行うべきではないと言われています。
僕の場合、普段同じプロジェクトで働いていないメンバーとも1on1をするため、プロジェクトの状況確認などもさせてもらっています。ただ、あまり時間を使いすぎないようには気をつけています。状況把握の観点では、以下のような質問をしています。

  • プロジェクト、チームの状態はどうですか?
  • なにかブロッカーになっていることはありますか?
  • なにか不安なことはありますか?
  • いまの仕事は楽しいですか?

なにか問題が起こっている場合、他のマネージャーと連携して対処するために確認しています。他のマネージャーに共有するときは、本人に承諾をもらってから共有しています。
また1on1である程度プロジェクトの状況を教えてもらっていると、普段から声を掛けやすくなったり、1on1以外でのコミュニケーションがしやすくなったと実感しています。

1on1のツール

グッドパッチでは Small Improvements というツールを使っています。OKRや1on1を管理できます。1on1には使いやすいのですが、OKRにはちょっと使いづらく、困ってもいます。ただ以前はスプレッドシートなどで管理していたので、それに比べればかなりよい状態です。

1on1の機能についてはこちら説明があります。

1on1の前にミーティングを設定し、 Talking Points という話したいトピックを登録します。僕は Small Improvements の画面をディスプレイに映しながら1on1をやっています。話した内容は Meeting Notes に記載し、その場で認識合わせまで行います。
話し合ってきまったアクションなども Meeting Notes に記載し、次回の1on1で確認するようにしています。

1on1で気をつけていること

1on1では傾聴、コーチングといった要素が重視されています。これらの内容については、「ヤフーの1on1」でも多くの紙面が割かれています。

1on1は文字通り1対1のミーティングなので、相手との関係性によって、進め方が変わってきます。そのため、入社したばかりのメンバーとは、まずはお互いに心理的安全性が確認でき、話し合う体制ができてから、より具体的な内容について話し合うようにしています。心理的安全性が低い状態でOKRや将来のことを話し合っても、あまり効果がないためです。

1on1では3つの働きかけ方があります。基本的にはコーチングの比重を大きくし、相手の話す割合を多くすることが重要です。

  • コーチング
    • 引き出す
  • ティーチング
    • 教える
  • フィードバック
    • 伝える

現在はフィードバックとティーチングという、僕から伝える内容が多くなってしまっています。OKR や Will / Can / Must の認識合わせをしっかりと行い、コーチングに使える時間の割合を増やしていきたいと思っています。

まとめ

幸いなことに、1on1を実施することに対する反発のようなものはあまりありませんでした。1on1にはベースとなる考え方ややり方があり、その情報は入手しやすくなっています。ただ1on1の相手はひとりひとり違うので、その人にあったやり方を探していきたいです。

現在はエンジニアリング組織をよりしっかりとしたものにするために、1on1を中心とした取り組みを計画的に行なっています。そのためCTOというよりは、VPoE(Vice President of Engineering)的なことに多くの時間を使っています。ただこのやり方ではスケールしないため、スケールできる体制作りにも取り組み、時間の使い方を変えていくことも目指しています。


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