企業と個人の関係性が多様化してきた現在、従業員体験(Employee Experience)という言葉を耳にする機会が増えています。企業に在籍する社員のエンゲージメントを高める取り組みとして、GoogleやAirbnb、Salesforceなど海外企業にも浸透している考え方です。

Goodpatchには、2018年9月よりPeople Experienceチームが存在します。“Employee”よりも人間という意味合いが強い“People”という言葉には、Goodpatchの強みである体験のデザインを活かして、ステークホルダーすべてに人として向き合うという意味が込められています。

People Experienceチームが実践している取り組みのひとつに、新入社員のオンボーディングプログラムがあげられます。
一般的なオンボーディングプログラムは

業務についての内容が中心ですが、Goodpatchでは新たなメンバーが最高のチームのつくり手になっていくために、会社のカルチャーを知り、理解してもらうためのプログラムも用意しています。

では、具体的にどんなオンボーディングプログラムを作っているのか。実施の背景と共にご紹介します。

入社前からカルチャーにアクセスできる、Goodpatch Wiki

WikiはGoodpatch Europeで導入されていた取り組みを、Goodpatch Tokyoでも展開しているものです。内定から入社までのあいだもカルチャーに触れられるよう、Goodpatchの創業ストーリーやビジョンとミッションに込められた想い、実績などに目を通すことができます。

つくり手のこだわりを込めたオンボーディンググッズ

入社初日のメンバーには、Goodpatchオリジナルのオンボーディンググッズをお渡ししています。いずれもPeople Experienceの観点でこだわってデザインされたものです。ここではその一部をご紹介します。

ウェルカムカード

新しいメンバーがGoodpatchとより深くつながるために用意しているものです。手書きのメッセージを書き込んだ状態で贈られるウェルカムカードは、新卒メンバーの場合はメンターからのメッセージが書き込まれています。

フロアマップ

これから働くオフィスのことや、オンボーディングプログラムのプロセス、社内で定期的に開催されるイベントなど、新入社員の疑問に寄り添ってくれるのがこちらのマップです。入社初日にこれを目にしたら、きっとワクワクするような遊び心をちりばめて社内のデザイナーがデザインしました。

CEO自ら創業ストーリーを語る、ヒストリー研修

入社したメンバーにまず受けてもらうのが、代表土屋によるヒストリー研修です。
いつか起業をしたいと考えながらWebディレクターとしてサラリーマンをしていた土屋が、ひょんなことから家族をつれてシリコンバレーに渡り、現地のスタートアップのサービスを見てUI/UXの重要性に気づき、Goodpatchを創業する。そんなストーリーを直接、新入社員に語りかけます。

2時間に及ぶヒストリー研修を経て、Goodpatchのメンバーは誰でも創業ストーリーを語れるようになっていくのです。新入社員がストーリーの語り手になっていくことで、カルチャーへの理解を深めることを目指しています。

共通の価値観について理解を深めるバリュー研修

ビジョンとミッションを達成するための共通の価値観である、バリューについても、代表土屋が直接伝えています。組織崩壊を経験し、バリュー再構築のプロジェクトがスタートしたところから、それぞれの言葉に込められた想い。そして、バリューを体現した行動とはどんなものなのか、ワークを通して自分ごととしてバリューに向き合います。

5つのバリューそれぞれで、するべき行動、するべきではない行動を考えます。バリューに基づいた行動やフィードバックが積み重なって、会社のカルチャーを作ります。新たな仲間とのバリュー研修は、ヒストリー研修と合わせて毎月5時間近く使って開催し続けています。

Jointpatch

2020年2月中旬より、リモートワーク中心の働き方になってからは、新入社員の場合、業務以外での横のつながりを持ちにくいという課題がありました。そこで入社後、「この人、こんな領域の人と話したい」とリクエストをもらい、社員同士をマッチングさせることでコミュニケーションの機会を増やすイベントがJointpatchです。少人数制で実施していましたが、緊急事態宣言中はお休みしています。

リモート下の社員体験をサポート。社内コミュニケーションの場「Jointpatch」を始めました

1・3・6インタビュー

入社から1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月のタイミングで実施しているインタビューです。入社後の体験、この会社における自分の状況、会社の課題…と、実施するタイミングによってテーマが変わっていきます。直属の上司以外が担当することで、率直な意見が出にくくなることを防いでいます。

実はこのタイミングで得やすいのは会社や組織に対する知見です。中途入社の社員は別の会社で働いた経験を持っているので、他社の事例に学ぶチャンスを与えてくれる存在です。しかし、グッドパッチの中で気になることがあってもそれが会社の課題なのか、たまたま発生しただけなのか判別できるようになるには一定の時間がかかります。いくつかのプロジェクトに携わり、複数のメンバーと一緒に働くことによって多面的な検証を経たこの時期には、よりグッドパッチという会社に対する認識がクリアになっています。

グッドパッチの離職率改善を支えた施策「1・3・6インタビュー」