ユーザーインタビュー結果を、サービス開発・改善に取り入れるために
グッドパッチのデザインプロセスの中では、各フェーズ毎にユーザーインタビュー(ユーザーテスト)が設定されており、定量的な分析だけでなく、ユーザーインタビューの結果を重要視しています。
ユーザーインタビューでは、まずユーザーの生の声を聞くことができます。さらにサービス開発・改善時の思い込みや、潜在ニーズを顕在化し、成功の確度を上げることができます。
しかし、ユーザーインタビューを行って出てきた結果すべてを取り入れることはできません。結果の中で何に着目し、次のプロセスを実施するべきなのか決定することが重要になってきます。
今回は、ユーザーインタビュー結果を整理し、サービス開発や改善に取り入れていく方法をご紹介していきます。
ビジネスとユーザーの両視点の4象限マトリクスを使った整理方法
ユーザーインタビューを行った後は、その結果を整理し、着目すべきポイントを定める必要があります。まずは、整理方法として4象限マトリックスを使った整理方法をご紹介します。
まずは、インタビューの中で出てきた気になる点をポストイットに書き出します。
書き出したポストイットを、
縦軸がビジネスにとって影響度が高いか低いか。
横軸がユーザーにとって影響度が高いか低いか。
の4象限マトリクスに張り出していきます。
この4象限マトリクスを使うことで、ビジネス視点⇆ユーザー視点の両面からユーザーインタビュー結果を整理し、重み付けすることができます。
右上はビジネスにとってもユーザーにとっても影響力が高い事象なり、サービス開発や改善の中でメインで取り組むべき内容となります。
このようにインタビュー結果を4象限マトリックスにプロットする方法で結果を整理し、着目すべきポイントを客観的に導き出すことができます。
仮説検証マップ(アサンプションマップ)を使ったインタビュー設計〜検証方法
続いてユーザーインタビュー、ユーザーテストの設計から組み立てて結果を整理することができる仮説検証マップ(アサンプションマップ)の活用方法についてご紹介します。
仮説検証マップは、下記の図のようにユーザー体験・ビジネスへの影響度が高いか低いか、自分たちが知っている(既知)か知らない(未知)かを4象限マトリクスを使って整理する方法です。
これから検証すべき対象に対しての仮説立てを行いプロットしていきます。(仮説立ての詳細に関してはこちらの記事を参照してください。)
- ユーザー体験・ビジネスにとって影響度のある仮説かどうか
- 自分たちが知っているかどうか
この二つの視点でプロットしていくと、ユーザー体験・ビジネスに影響度が高く、未知であることが検証すべき事象と分かります。
この4象限マップを使うことで、何を聞くべきなのか、何を検証すべきなのかを整理でき、サービス開発・改善の中で効率的なユーザーインタビュー、ユーザーテストを行うことができます。
仮説をそれぞれプロットし終えたら、右上、右下、左上の優先度でユーザーインタビュー、ユーザーテストのスクリプトを組んでいきます。それぞれプロットしたものは仮説となるので「ユーザーは〇〇するはずだ」→「〇〇しますか?」と質問に置き換え組んでいきます。(インタビュースクリプトに関してはこちらの記事を参考にしてください。)
ユーザーインタビュー後は、仮説に対してユーザーがどのような反応や意見を出したかをマップ上にプロットしていきます。仮説として正しかったものは、検証済みとなります。仮説として正しくなかったものは、新たな仮説を立て、検証項目として再度あげるようにします。
このようにサービス開発、改善においての仮説を優先度ごとに検証していくことで、不確実な事項を潰し、失敗のリスクを下げ、成功の確度を上げていくことができます。
仮説検証マップでは、下記のステップで仮説の検証を繰り返し行うことがサービス開発、改善の有効な手段になります。
まとめ
ユーザーインタビューを行うことはサービス開発・改善の中で失敗のリスクを下げ、成功の確度をあげるための重要なプロセスです。ただ、ユーザーインタビューをすれば良いというものではありません。より効率的かつ有効的に取り入れられるように「ビジネス視点ユーザー視点の4象限マトリクス」や「仮説検証マップ」等のフレームワークをうまく活用し、実行してみましょう。