日々の業務において、スケジュールやプロジェクトの日程・進捗管理は重要です。プロジェクトが非効率的に進んでいく要因として、プロジェクトの管理を行うツールや担当者が明確化されていないという課題があります。また、仮にExcelをタスク管理ツールとして運用した場合にも、見づらいなどの要因から、逆に仕事が非効率的になるという不満が渦まくことも少なくありません。

誰が何をどこまで遂行したのかが把握できず、暗闇の中でプロジェクトが進んでいく・・・そんな経験を一度はしたことがあるのでは?

本記事では、プロジェクト進行やマネジメントにおいて、そのような課題を抱えているプロジェクトマネージャーやメンバーが使えるおすすめのタスク管理ツールをご紹介します。これらのツールをプロジェクトで上手く使いこなして、業務効率化を測りましょう!

世界中で人気を集めているタスク管理ツール

世界にはさまざまなタスク管理ツールがありますが、自社のプロジェクトに最適なツールを選ぶには、ツールの用途や機能性を把握した上で選ぶことをおすすめします。
まずはタスク管理の考え方である「かんばん」と「ガントチャート」を解説し、続けておすすめのツールについて詳しくご紹介します。

かんばん

トヨタの生産方式から生まれた「かんばん」。いつどこで誰が何をするのかが書かれたカードをタスクごとに作成し、タスクが終了するとともにカードをアーカイブしていきます。
個人のタスクが把握できるだけでなく、チームメンバーの状況を把握したり、誰も手をつけていないタスクが可視化できるので、生産性の高い仕事が期待できます。

ガントチャート

プロジェクトマネジメントやタスク管理のための棒グラフ状の表のことで、各プロジェクトメンバーの進捗状況を表すために用いられます。
プロジェクト全体における個々のタスクの優先順位やタスク同士の関連性がわかることで、予期せぬトラブルや遅延に素早く対応することができます。

おすすめ_タスク管理ツール_taskmanagement

今回ご紹介するタスク管理ツールを4象限マトリクスで表してみました。
横の軸がかんばんかガントチャート、どちらに活用できるかを示し、縦の軸では実際に使用してみてわかった操作性を示しています。

では、実際にそれぞれのツールの特徴を詳しく見ていきましょう。

Asana

かんばんと言えば、まずはじめに挙げておきたいのがAsana。AmazonやSpotify、P&G、Paypalなど数々の超有名企業が愛用していると聞くと、信頼性も高いですよね。

<おすすめポイント>

かんばんとカレンダーをスイッチしながらタスクを可視化できるAsanaは、複数の人で実施するプロジェクト向き。かんばんにはLikeボタンやコメント機能があり、メンバーとカジュアルにコミュニケーションをとることができます。メールでコミュニケーションをとるよりも、実際にFacebookなどのSNSを使って会話をしている感覚になります。

また、カレンダーの確認でプロジェクトの全体像を把握でき、Goodpatch社内でもスケジュールの調整がしやすいと評価を得ています。

<操作画面・言語>

機能は多いのですが、白を基調とした見やすいUIなので慣れると感覚で使えるようになり、気持ちの良いタスク管理ができそうです。
ほとんどの機能は日本語表記で迷わず操作ができますが、チュートリアル動画は英語音声、英語字幕で理解が難しい点もあるかもしれません。

<機能>

さらに、Asanaの連携機能を使えば、SlackやGoogle Calenderなど数々のツールと連携可能になります。例えば、Asana上でタスクに変更があった際にはSlack上で通知を受け取ることが可能です。

ガントチャートを活用したい場合には、Instaganttという拡張機能でAsanaと連携できます。Instaganttの機能により、タスクのスケジュールをより視覚的に把握できるようになります。
Asanaの有料プランにもタイムラインを用いてメンバーのタスクを把握する機能があります。しかし、進捗管理にガントチャートを活用する場合や外部との共有する機会があるならば、Instaganttの活用をおすすめします

Instagantt

<価格>

  • Basicプラン:15ユーザーまで共有可能、機能制限あり
  • Premiumプラン:1ユーザーにつき月額1,200円(年間払い)ただし少人数チームには割引あり、一部機能制限あり
  • Businessプラン:1ユーザーにつき月額2,700円(年間払い)
  • Enterprizeプラン:価格問い合わせ、優先サポートなどの機能付き

Trello

国や企業規模を問わず、さまざまなプロジェクトで活用されているTrello。2011年のローンチの翌日に5万人のユーザーを獲得したそうです。

<おすすめポイント>

Asanaと異なるのは、かんばんにフォーカスしており比較的少人数のプロジェクト向きなこと。カレンダーのような機能はなく、かんばんに特化したツールなので、個人のタスク管理に使うこともできます。簡単に公開範囲を変更できるため、様々な規模のプロジェクトで活用できる点も魅力的です。

<操作画面・言語>

タスクを緊急度や重要度をもとに、上下左右に簡単に並び変えることができるのも、Trelloの強みです。かんばんの位置に意味を持たせることで配置を見るだけで優先すべきタスクがわかるようになります。タスクの移動もスムーズにできます。

日本語にも幅広く対応しており、操作でわからない点があってもヘルプを参照することができます。しかし、これからご紹介する拡張機能やテンプレートの説明は2019点7月時点では日本語での説明は不足しています。

<機能>

複数人で使う場合は拡張機能を追加することをおすすめします。複数の指標を使うことでタスクがより見やすくなり、生産性が上がるでしょう。テンプレートやサンプルをまとめているTrello Templatesを参照すれば、使い方の参考になるボードがたくさん見れます。

また、Asanaと同様に、Elegantt for TrelloというTrello専用のガントチャート拡張機能を追加することもできます。

Elegantt_for_Trello

Elegantt for Trello

Elegantt for Trelloを使えば、かんばんでしかタスクが可視化できなかったTrelloに、新たなビジュアルを加えられます。全体のスケジュールをカードで把握するだけでなく線で見ることで、より長期的なプランを見据えて作業ができますね。

<価格>

  • 無料プラン:ワークスペースあたり最大10 件のボードなど制限あり
  • Standardプラン::1ユーザーにつき月額$5(年間払い)チームへの共有は無制限、ただし一部機能制限あり
  • Premiumプラン::1ユーザーにつき月額$10(年間払い)ダッシュボードビューなど、Standardプランにはない機能が追加
  • Enterpriseプラン:1ユーザーごと月額は使用する人数により変動あり

Quip

もともと独立したサービスだったQuipは、2016年にSalesforceに買収され、現在はSalesforceと協働できる強みからamazonなどの大手企業で活用されています。

<おすすめポイント>

Trelloはタスクの進捗管理を行うツールとして優れていますが、コメントの追加や変更に気づくことが困難です。そのためチャットをより重視するのであればQuipを使うことをおすすめします。

Slackを使ってログインすれば、過去の社内プロジェクトの履歴にアクセスすることができるので、引き継ぎなども容易にできます。また、タスク管理をするボードのすぐ左には、リアルタイムでチャットできる機能があり、ページを移動しなくてもチャットとタスク管理が同時にできます。
これらのポイントからわかるように、Quipはチーム内のより円滑なコミュニケーションを可能にするでしょう

<操作画面・言語>

Quipでは1つのページにかんばんやカレンダー、進捗表といった複数のコンテンツを表示できます。並び替えや色の設定も容易なのでかなり自由度が高いと言えるでしょう。

一部の操作表示やテンプレートは英語ですが、ほとんどは日本語表示なので特に困ることなく使用できます。

<機能>

Quip_Salesforceとの連携

Quipの1番の強みは、Salesforceのデータと連携して、データのリアルタイムでの表示やスプレッドシート作成が簡単にできることです。このツール1つで全てを完結できると言っても過言ではありませんね。

<価格>

  • Quip Starterプラン:※無料体験版あり 1ユーザーにつき月額$10(年間払い)、一部機能制限あり
  • Quip Plusプラン:1ユーザーにつき月額$25(年間払い)、シングルサインオンなどStarterプランには含まれていない機能が追加
  • Quip Advancedプラン:1ユーザーにつき月額$100(年間払い)、Salesforceデータとの双方向同期などPlusプランには含まれていない機能が追加

※Salesforceとの連携機能を活用する場合の価格については問い合わせが必要

 

Jira

Jiraの人気が高い理由の1つにはTrelloを提供するATLASSIAN発のサービスであることが挙げられます。Jiraシリーズには管理ツールが複数ありますが、今回は課題やプロジェクト管理に対応しているJira Software(以下、Jira)をご紹介します。

<おすすめポイント>

Jiraは機能が多く複雑でありながら、タスク管理や進捗管理といった全ての管理作業を1つの場所で完結できるツールなので、エンジニアやデザイナーのいるプロジェクト向きと言えます。
また、プロジェクト管理の方法を選択してボードを作成することができます。かんばんだけでなく、スプリント(限られた期間でのサービス・プロダクト開発)に適したスクラムも活用できます。


加えて、アジャイルレポート機能を通じて、チームの生産性を様々なグラフで可視化することができます。管理だけでなく、次のプロジェクトに向けてどんな変更を加えていくか考えるヒントになります。

<操作画面・言語>

JiraSoftware_操作画面

前述したように、1つの場所でタスク管理や進捗管理といった機能を使用することができるため、迷わず操作することができます。しかし、クリックする場所によっては選択したタスクのみが表示されるページに飛んでしまう場合もあり、煩わしさが感じられる瞬間もあるかもしれません。
表示はほぼ日本語ですが、機能の解説の多くは英語で記載されてい流ので注意が必要です。

<機能>

Jiraも他のツールと同じく様々なアプリケーションとの連携が可能です。特徴的な機能として開発ツールとの統合もできる点があり、エンジニアには特に嬉しいプロジェクト管理ツールです。

また、Slackとの連携を行うことによって、Jira上の通知をSlackで受け取るだけでなく、Jiraで操作を行い、Slack上で新規のスレッドを作成することもできます。

<価格>

  • Freeプラン:常に無料、10ユーザーまで共有可能
  • Standardプラン:1ユーザーにつき月額900円、一部機能制限あり
  • Premiumプラン:1ユーザーにつき月額1,730円、機能制限なし、サイト上限は1
  • Enterpriseプラン:価格の詳細については問い合わせが必要、機能制限なし、サイト上限なし

Teamgantt

Teamganttはガントチャートに特化したツールで、初めてガントチャートを導入する場合でも安心して使用できます

<おすすめポイント>

Teamganttは1つ1つの細かいタスクではなく、全体のスケジュールを把握したい人におすすめです。個人のタスクだけでなく、プロジェクト全体のタスク管理も容易に行えます。

加えて、スケジュールの進捗についても、計画時のスケジュールと実際とのズレを確認できます。この機能により、プロジェクトやタスクの状況を簡単にチームで共有できます。

<操作画面・言語>

TeamganntのUIはシンプルでわかりやすいという特徴があり、直感的に操作できます。表記は全て英語ですが、操作が容易なためあまり言語の影響受けずに使用できます。

また、スマートフォンアプリも洗練されているため、タスクのスケジュールを簡単に把握することができます。チームメンバーとのやり取りもアプリ上で可能なため、手元にPCがない状態でも活用できますね。

<機能>

他のツールに比べて、Teamgantt上でのアプリケーションとの連携や拡張機能は多くありません。
TeamganttはTrelloの拡張機能として設定が可能なので、かんばんとガントチャートを同時に活用する場合にはTrelloと連携してみてはいかがでしょうか。

<価格>

  • Freeプラン:3ユーザーまで共有可能、1プロジェクトまで立ち上げ可能
  • Standardプラン:※無料トライアルあり、1ユーザーの利用と無制限のゲスト追加が可能で月額$19.90、一部機能制限あり
  • Advancedプラン:※無料トライアルあり、1ユーザーの利用と無制限のゲスト追加が可能で共有可能で月額$24.45

monday.com

mondaycom_画面

monday.comはかんばんやガントチャートなど複数の機能の表示をワンクリックで切り替えることができる、非常にシンプルなツールです。

<おすすめポイント>

プロジェクトの種類や職種に合わせて複数のテンプレートが用意されているため、初めてタスク管理ツールを導入する会社にとても導入コストが低いツールだと言えます。

メディアの運用などエンジニアやデザイナーが関わらないプロジェクトにおいては、monday.comのようなできるだけ無駄な機能を省いたツールがおすすめです。

<操作画面・言語>

mondaycom_操作画面

かんばんとガントチャートを並行して管理できる点ではすでにご紹介したQuipをよりシンプルにしたツールだと考えられます。

表記は全て英語ですが、大きめのアイコンが添えらえれており、他のツールと比べても、迷うことなく操作ができます。

<機能>

monday.comはSlackやGoogle Calender、Google Driveといったサービスと連携できます。
Slackとの連携で、monday.com上でのスケジュール変更やコメントがSlackのスレッド上に自動で反映されるようになります。スケジュール変更の見過ごしを防止できるという点からも連携は必須ですね。

さらに、Trelloとの連携も可能です。monday.comにはかんばんの機能がありますが、Trelloを使用している外部のチームと協働する際には連携による自動更新が役立ちます。

<価格>

ここでは、1年間分を一括で支払う場合の料金を掲載しております。すべて無料で試すことができます。

  • Basicプラン:月額1,100円、一部機能制限あり
  • Standardプラン:月額1,400円、Basicプランを含んでさらに機能追加
  • Proプラン:月額2,200円、Standardプランを含んでさらに機能追加
  • Enterpriseプラン:価格問い合わせ、Proプランを含んでさらに機能追加

プロジェクトに最適なタスク管理ツールを選択しよう

プロジェクトの内容や規模感によって、選択するツールも変わりそうです。プロジェクトマネージャーの役割は、仕事のスケジュールを予算の制約と兼ね合いながら調整していくこと。いつまでに何をするべきかをガントチャートであらかじめマイルストーンを引いておく。さらにタスクをブレイクダウンしてかんばんに書き出し、その都度整理していく。この工程をうまく運用することが、目的達成への近道となります。

効率よく目標を達成するためにも、ご紹介した特徴をもとにチームに合ったツールを見つけてみましょう。また、本ブログではタスク管理・生産性向上のためのノウハウも多数記載しています。あわせてご覧下さい。

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