伝えるためのプレゼン作りをGoodpatchメンバーに聞いてみた!UXデザイナー編

プレゼンの場面において、メッセージを理解してもらえなかったり、意図せぬ伝わり方をした経験はありませんか?話や資料を交えて相手を納得させたり、理解してもらうことは難しいですよね。
そこで今回、Goodpatchのメンバーに、伝えるためのプレゼン作りについて話を聞いてきました。

今回は執行役員 / UXデザイナーの村越にインタビューしました。Goodpatchメンバーの中でも特にプレゼン経験が多く、イベントや勉強会はもちろん、デザイン案件から会社経営まで幅広いシーンで活躍しています。

マインドマップで話のコアを作る

──村越さんは登壇経験がとても多いとお伺いしましたが、どういった流れで登壇を引き受けているのでしょうか?

イベントや勉強会の依頼に関しては、知り合いの方経由であれば「お任せで」というライトなものから資料や打ち合わせベースで詰めていくものまで、色々なパターンがあります。

ご依頼いただいたときに判断する時のポイントとしては「イベントのテーマと会社のブランディングの方向性が合うか」という1点と、「お受けして、自分の知見をお話しすることによりイベントに参加される方に気づきとなるような何かを提供できそうかどうか」の2点で考えています。

──引き受けた後、どのように準備を始めるのでしょうか?

僕は登壇資料を作る時に、いきなりスライドから作るということはありません。まずは話のロジックを組み立て、話すテーマに対する「コア」を探すことから始めます。

コアを探すときによくやるのが、「テーマに対して自分が話せそうなトピックをひたすら洗い出していく」ということと、そのトピックを「構造化して、分類、抽象化する」ということです。その時に、よく使うのがマインドマップです。

僕はよく『Mindnode』を使って作業をしています。PCだけでなく、移動中にタブレットなどで作業することも多いので、デバイスをまたがって作業できるこのツールを使っています。

──マインドマップを用いる理由を教えてください。

トピックを発散して集約や分類したり、トピックごとの関連性を俯瞰して見るのに適していると思うからです。情報同士の関連や階層構造を見て、整理していくことで新たな視点が生まれたり、新たな自分の中のテーマが生まれてくることもあります。

まずはマインドマップで自分の頭の中を全て吐き出し、再構築する。それを繰り返すことによって自分の中のテーマが組み上がっていきます。僕はこのテーマ決めのプロセスを長時間かけて行います。ブレないテーマを決めてそこから全体を組み上げていく方がロジックも強くなるし、資料作成の効率化や合理化にも繋がります。

この吐き出しと再構築の際に気をつけていることは、運営層と来客層が誰で、何を目的にしているのかということです。この層と目的が意識できていないと独り善がりな登壇になってしまうので、とても重要なことだと考えています。

──最初にコアを決めるのは、とても難しいように思えます。

いただいたテーマについて、色々な視点から見たり考えたりする、というのはよくやります。プレゼンをする上では、自分の経験や知識を織り交ぜないと話せないですから、まずそのテーマに関して深く問いを立ててみるのです。例えば、以前登壇したイベントのテーマは「ビジネス組織やチームの中でのデザイナーの重要性と役割」でした。

このテーマは、デザイナーでありながら会社経営に関わっている僕にとって、とても話しやすい内容でした。ただ、考えていく中で疑問に思ったのは「なぜビジネスにおいてデザインが必要だと言われるのか」と「なぜ企業はデザイナーを必要とするのか」ということでした。僕は「デザイナーの力で企業が再生した」「デザインの力でビジネスが蘇った」という事例をあまり聞いたことがありません。なのになぜ企業はデザイナーを必要とし始めているのか、それには「企業と顧客、あるいはステークホルダーとの関係性の変化があるのかもしれない」という仮説から思考をスタートしました。

参考 : 市場環境から考えるデザイナーの価値

『一発撮り』をコンセプトに、スライドで印象付けをする

──スライドの作成はどのように進めていますか?

最初に行う「コアを探す」作業で、ぼんやりと自分の中で見つけた方向性をもとに、大まかなキーワードなど話す内容を決め込んでいきます。そして「ここは何ページ使う」という大まかなページ割りをしますね。なので、スライドの作成自体は集中して数時間で仕上げてしまうことが多いです。

──スライド作成時のコツってありますか?

これはプレゼンの基本でもありますが、「1ページ1トピック」「文字をあまり使わない」という見せ方はよく使います。

スライドにアニメーションもあまりつけませんし、図や表、写真も最低限しか入れていません。僕は早口と言われることも多いので、そんな早口の僕が話す内容でも理解してもらえるよう、論旨展開は極力シンプルになるように心がけています。

それと、音楽のレコーディングで「一発録り」というのがあると思います。文字通り、楽曲を一発一回で演奏しきってそれをパッケージするというやり方です。僕は昔バンドをやっていたのですが、プレゼンも似たようなところがあると思っていて、自分がテーマとして話したい、伝えたいコアが見つかったら、その勢いのまま一気にパッケージングする方がプレゼンに良いテンションが生まれるような気がしています。

──スライドのボリュームが少ないと、スライドに目がいかないことの方が多くなるかと思いますが?

私はスライドをじっくり見られたり、ひたすらスライドの写真を取られたりするのがあまり好きではないんですよね。『一発撮り感』は『ライブ感』だとも思っていて、その場でしか得られないものを聞いてくれている人に届けたい。本当に伝えたいことを簡潔に載せることで、話の方にも集中が行くと思ってます。スライドをみせることと話すことの両方がプレゼンと捉えてうまくバランスを取ることが大切です。

人や場に合わせたライブ感を大切にする

──音楽のライブ会場などで得られるあのライブ感と近いですね。

そうですね。録音では伝わらない雰囲気や感覚をライブ会場では得ることができますよね?もともとバンドでボーカルをやっていたというのもありますが、自分が話す時のテンション、聞いている人のテンション、全てがその場限りのライブだと思っています。場の雰囲気を捉えながらその時に適したテンションとメッセージを乗せて話す方が聞いている人に伝わると思います。

─確かにライブではその場限りでしか得られない演出を色々行なっていますよね。

スライドのページ割りを考えるのは音楽でいうところの、ライブのセットリストを考える作業と似ていると思います。コアとなるメッセージをどこで伝えるかや、コアとなる中心メッセージに向けてどう自分を盛り上げていくか、などの場の空気を想像しながら自分が話している姿、人が聞いている姿を想像しながら考えていきます。

──納得です。私もよくライブにいきますが、セットリストはみなさんとても悩んでいる印象です。

ライブのセットリストもプレゼンも要は組み立てなんです。最初に結論を話して引き込むのも、最後に話して構造的に寄せて行くのも、内容次第でうまく使い分けることが大切です。スライドの順番がセットリストだと考えて、見せ場や抑揚を意識することが大切だと考えています。

まとめ

  • マインドマップを利用したプレゼン構成
  • スライドはページ割をしてから集中して作成
  • スライドギミックは使用しない
  • その場の雰囲気を大切にする

以上4点が、プレゼンにおいて村越が特に大切にしていることです。インタビューをする中で、情報設計をとても大切にしていることに気づきました。

プレゼンにおいて『デザイン』と聞くと、私たちはどうしても、スライドの見た目や、アニメーションの表現などに着目しがちです。しかし、その前のテーマ設定の段階からが「プレゼンをデザインする」ということなんだな、と強く感じました。

近日、UIデザイナー編、ビジネスデベロップメント編も公開予定です。職種によって様々な角度から、プレゼン作りのコツをお届けしたいと思います。

ABOUTこの記事をかいた人

Hiroto Fukada

’95年横浜生まれ。商業高校卒業後、美術大学でメディアデザインを学ぶ。グッドパッチでは自社プロダクトに関する記事を中心に発信。

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