年が明けてはや1ヶ月。皆さんいかがお過ごしでしょうか?
時々暖かい日があると、それだけでちょっと嬉しくなる今日この頃です。
それでは今月もGoodpatchで話題になったアプリやサービスをご紹介します!

アプリケーション

履歴が残らないリアルタイムメッセージングアプリ「Honk」がリリース

https://honk.me/

友だちとのやり取りをもっと対話的にできるリアルタイムメッセージアプリ「Honk」が2020年12月23日にリリースされました。Honkでは自分が入力ボックスにタイプし始めると、相手にはリアルタイムでテキストが表示されます。チャット履歴は残らず保存ボタンもありません。すぐに相手に気づいてもらいたい場合は「Honk」ボタンを何度も押すと、いくつもの通知を相手に送ることができます。

近年は対面でのコミュニケーションの機会が減り、テキストコミュニケーションが中心になっています。Honkでは対面コミュニケーションのような感覚を、テキストコミュニケーションを通して味わうことができます。「ちょっと聞いて」とそばにいる友だちに話しかけるような手軽さや、思わず勢いづいて盛り上がるような会話の楽しさを味わうことができるのではないでしょうか。細部までこだわったアニメーションや心地よいインタラクションも楽しいメッセージングを盛り上げてくれるでしょう。

TikTokがLiDARを使った初のARエフェクトを発表

https://twitter.com/TikTokComms/status/1346828242506969089

TikTokは2021年1月6日、同社初のLiDARを使ったエフェクトを発表しました。LiDAR(Light Detection and Ranging)とは、光が物体に反射してから戻ってくるまでの時間を利用し距離を測定する技術のことで、これまでよりも広範囲かつ高精度なAR(拡張現実)を体験できると期待されています。今回TikTokに追加されたエフェクトは、カウントダウン後にくす玉が爆発し、紙吹雪と共に「2021」の文字が空中に浮かぶというものです。

これまでのスマートフォンでは、ARアプリを利用するにあたっていくつか課題がありました。例えば、AR上の物体が現実世界の物体を突き抜けてしまったり、ARアプリを利用するためにはスマートフォンによる物体・空間検知の動作が必要でした。広範囲かつ高精度な測定が可能なLiDARを搭載したスマートフォンが普及することで、ARアプリの表現の幅が広がるだけではなく、よりシームレスにARアプリを使えるようになるでしょう。 

サービス

TwitterがソーシャルPodcastの「Breaker」を買収、Spaces機能開発に力を入れる

https://blog.breaker.audio/the-breaker-team-is-joining-twitter-f8c1721d66c6

ソーシャルPodcastサービスを手掛ける「Breaker」が1月4日、Twitterに参画したことを公式ブログで発表しました。Breakerが提供していたサービスは終了せず、Mapple Media社がサービスを引き継ぎます。

「Spaces」は、現在一部のユーザーでテスト中の音声チャットルームサービスで、ライブの文字起こし・絵文字によるリアクション・報告とブロック・ツイートの共有などの機能をテストしています。Breakerのリア・カルバーCTOは、Twitterの「Spaces」という機能に参画することを表明しています。そのためTwitterはPodcastを新規で始める意図ではなく、自社サービスに関連のあるスタートアップ企業のサービスと人材を評価した、Acqui-hire(買収による人材の獲得)が目的だと推定できます。

Google・SpotifyがPodcastに参入していたり、Voicy・stand.fmなどのボイスメディアサービスの普及など、昨今音声サービスは盛り上がりを見せています。ユーザーがアプリケーションで音声コンテンツを楽しむことに慣れてきたことで、音声を交えた新しい体験がTwitterでも楽しめる未来はそう遠くないかもしれません。

プロダクト

指輪だけで決済や解錠ができるスマートリング「EVERING」

http://evering.jp/

かざすだけでVISA決済や扉の解錠ができる世界唯一のスマートリング「EVERING」が2021年春頃に日本で予約発売予定です。スマートリングと呼ばれる「EVERING」は、スマートフォンと連携する指輪型ウェアラブルデバイスで、万が一の事態にもスマートフォンからワンタップで利用停止などを制御できます。また、防水や充電不要といった機能を搭載しているため、普通の指輪と全く同じように扱えることが特徴です。

昨今利用されている多くのウェアラブルデバイスは、充電のためにデバイスを外すという動作が求められます。この少しの動作が日常生活を送る上では大きなストレスになっている人も多いのではないでしょうか。このことからも充電不要という機能を搭載した「EVERING」は私たちの日常に溶け込むようなデザインがなされていると言えますね。「EVERING」は決済とスマートキーとしての利用が可能ですが、今後はヘルステックやID認証なども実現したいと発表しています。指輪を通してあらゆるサービスと人がつながる世界は現実になりつつありますね。

中国のEVスタートアップ企業NIOが電気自動車の新型セダン「ET7」を発表

https://www.nio.com/et7

2021年1月9日に中国のEVスタートアップ企業であるNIOが「NIO Day 2020」を開催しました。同イベント内でセダンタイプの新型EV「ET7」を発表。2022年には、全固体電池を搭載可能とする仕組みを展開予定だと発表しました。EVへの応用を目指し、いくもの企業が開発に乗り出していましたが、今回の発表はどの企業よりも早いものでした。

全固体電池は、リチウチ電池と比べて3倍程度のエネルギー密度を持ち、高充電性能・電池寿命の延長・コストやスペースの削減等を実現する技術として期待されている技術です。本体価格が安くなり購入ハードルが低下することや、充電インフラの充実やバッテリー寿命の向上によって一般自動車と比較しても遜色のない走行体験を提供することが、EVが普及するための課題としてあげられています。新技術はこれらの課題を解決する突破口となり、EVはさらに一般消費者の手に届きやすく使いやすいものとなるのでしょうか。

全固体電池の開発は、EVのみならず電池を必要とする多くのハードウェアにおいて、充電・寿命性能やコスト削減を実現する技術として期待されると思うので注目したいですね。

SamsungがGalaxy Unpackedを開催し「Galaxy S21」シリーズを発表

モデル比較|Galaxy S21 5G|S21+ 5G|S21 Ultra 5G(ギャラクシーS21 5G|S21+ 5G|S21 Ultra)| Galaxy公式(日本)

https://www.galaxymobile.jp/

Samsungは日本時間1月15日0時に開催した新商品発表イベント「Galaxy Unpacked」にて、Androidスマートフォンの新機種である「Galaxy S21」シリーズを発表しました。同イベントでは他にも、完全ワイヤレスイヤホン「Galaxy Buds Pro」と忘れ物防止タグ「Galaxy SmartTag」「Galaxy SmartTag+」の2種類の発表もあり、注目を集めました。

「Galaxy S21」シリーズの中でも、特に「Galaxy S21 Ultra」は最上位機種となり機能が大きく追加されています。例えばカメラは4眼になり、レイザーオートフォーカスもサポートされてます。また別売りのタッチペン「S Pen」を使用しての操作が可能になりました。

「Galaxy S21」シリーズはよりクリエティブな表現が可能になる機能が充実しています。これによってスマートフォンの担う役割が生活の中だけなく、リモートでの仕事の道具の一つとしての役割も期待できるのではないでしょうか。また、近年発売されるスマートフォンはカメラの機能の充実が中心ですが、ソフトウェアの重要性が増している現代では、今後ハードウェアのどのような機能が注目されていくのか気になります。

展示・イベント

立命館大学がMiroを使用したオンラインキャンパス「Ritsumeikan Cyber-Campus(βversion)」を公開

http://www.ritsumei.ac.jp/news/detail/?id=1960

立命館大学は、2020年12月23日より新型コロナウィルス禍における学生交流の新たな場として、インタラクティブオンラインキャンパス「Ritsumeikan Cyber-Campus(βversion)」を公開しました。プロジェクトの企画協力、開発はテクニカルディレクター・コレクティブのBASSDRUMが担当しています。

「Ritsumeikan Cyber-Campus(βversion)」では、Miro上に作られた複数の島を自由に移動し、キャンパスライフをイメージできます。実際に、公開されているボードに訪れてみると、ポップな色合いで構成された立体的なイラストの中からサークルや施設に関するコンテンツを見つけることができました。会議などで使用されるホワイトボードツールを用いてこうした遊び心に溢れる交流の場が作られていることに驚きます。また、現在でも何名かのユーザーがボードに訪問している様子が伺えることから、公開から1ヶ月が経過しても、引きも切らず楽しまれているコンテンツであることが分かります。世界中の人々がアクセスできるだけでなく、運営コストを抑えた上で長期イベントの開催を可能にした今回のプロジェクトは、画期的なアイデアと言えるのではないでしょうか。

その他

三重県版デジタル庁の最高デジタル責任者(CDO)をビズリーチで公募

https://www.bizreach.jp/job-feed/public-advertising/bfv51od/

株式会社ビズリーチが運営する即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」は、三重県版デジタル庁とも呼ばれているデジタル社会推進局(仮称)の最高デジタル責任者(CDO)を、2021年1月12日から1月26日まで「ビズリーチ」のサイト上で公募しました。

三重県版デジタル庁は、三重県庁のデジタル化を部局横断的に推進する組織で2021年度に新設を予定しています。三重県のデジタル化の推進は県庁の各部局にまたがっているのが現状です。県庁のデジタル化の課題を横断的に把握するだけでなく、優先順位を決めて推進できるデジタル領域の責任者が県庁内には不在ということもあり、三重県のデジタル化の推進は効率的に推進できていないという課題がありました。こうした課題を解決するため、三重県全体のデジタル化を部局横断的に、強い意思と権限を持って推進していく最高デジタル責任者を公募し、経験豊富な民間人材の登用を期待しています。

リモートでの勤務が推奨されている中、三重県はすでに在宅勤務の活用や運用を強く推進しています。今回のデジタル庁設置の取り組みや、最高デジタル責任者(CDO)の一般公募などは現代に合った働き方の推進という側面だけでなく、日本国内に大きなデジタルの革命を与える取り組みと言えるでしょう。三重県の今後のデジタル社会形成の動向にも注目です。


以上、1月に話題になったアプリやサービスをお届けしました。
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