事業成長の本質的課題とグロース施策を結びつけるIssue Analysisの活用
既存事業をグロースさせていく中で、下記のような悩みを一度は持ったことがある方は多いのではないでしょうか?
日々さまざまな施策を検討し実施しているが、場当たり的な施策や思いつきの施策もその中にはあり、実施してみたが本質的な事業課題とはズレてしまっていた。
事業成長の本質的な課題や要因を明らかにする手法としてグロースサイクルがあるが、描いた後うまくそれを活用できなかったまたは、描いたことに満足してしまった。
グロースサイクルでは、事業やサービスの成長に関わる本質的な課題や要因を明らかにすることができますが、そこからそれらの要因に対しどのような施策をとりアクションしていけばよいかまでは担うことはできません。
ビジネスモデルの視点:グロースサイクルを基にコアを意識した構造のデザイン
今回は、事業やサービスの成長の本質的な課題を明らかにした後、具体的な施策やアクションに結びつけ、日々のオペレーションで活用できる「Issue Analysis」とそのプロセスについて具体的な事例をベースにご紹介していきます。
目次
Issue Analysisを作るまでのプロセス
Issue Analysisを作るにはまず前提となるBig Issueを明らかにする必要があります。
冒頭で解説したグロースサイクルは、具体的な施策やアクションまで導き出すものにはなっていないもののサービスの成長課題の把握、循環の把握ができるものになっています。サービスの成長課題を全体把握しながら抽出ができるため、適切にIssueを把握することができるフレームとも言えます。
今回はグロースサイクルをベースにIssue Analysisを設計するプロセスを辿ってみたいと思います。
具体的な事例があったほうが理解しやすいと思うので、今回はGoodpathのDesignOpsで行っているナレッジマネジメントのIssueベースでフローを整理していきたいと思います。
1. グロースサイクルの作成
まずは、Issue Analysisのベースとなるグロースサイクルの作成です。
グロースサイクルの作成は世の中にいくつか記事が上がっているので参照してください。(参照例:グロースサイクルの本質とは何か?)
Issue Analysis内でSub Issueに切っていくので、ここではできるだけシンプルに成長に起因する要素を上げていきます。
(パートナー事業のknowledge managementグロースサイクル)
2. Sub Issueに分解する
グロースサイクルで出した各要素をBig Issueに置き、それを達成するためのSub Issueを発散します。
Big Issueはグロースサイクルからそのままもってくる場合もありますが、ある程度まとめたり言葉を変えたりする必要が場合によっては生じるかもしれません。
(Sub Issue一部抜粋)
3. Sub Issueを達成するための施策・アクションを検討する
Sub Issueにある程度分解できたタイミングでそのSub Issueを達成するための施策・アクションを検討していきます。
ここでは、個人だけでなくチームでアイディエーションし、よりIssueの理解を行いながら施策をより広い視点で発散していきましょう。
(アクション一部抜粋)
4. アクションに優先度をつけ、それぞれに紐づく定量的な指標を設定する
検討したアクションの中で実行可能なものを選び、優先度をつけていきます。また、優先度が高いものはそれに紐づく定量的な指標を設定し、日々追うべきKPIとして設定することができます。
指標、KPIを設定できたらIssue Analysisの作成は以上となり、あとは日常の業務の中でアクションとして各チームメンバーで実行しています。
また、世間一般的な指標をKPIとして設定するのではなく、サービスの本質的な成長に紐づくKPIを設計しモニタリングできるのもIssue Analysisのメリットといえます。
(管理スプレッドシート一部抜粋)
まとめ
今回はグロースサイクルで描いた成長課題をより具体的な施策やアクションに落とすための手法であるIssue Analysisのプロセスを整理してみました。
冒頭でご紹介したPodcastの中でも話されていますが、Issue Analysisで出した施策・アクションは、Issueの優先度やそのIssueに効いてくるものから取り組む必要があると思います。ただ、優先度を立てて施策を順に行うだけでなく、そのスピードをどう上げるかも重要な視点となります。
優先度立てし施策を実施しても実際にIssueに効いてくる施策かどうかは正直実施してみないと効果はわからず、意外とIssueへのインパクトは低いものが多いです。
優先度にこだわりすぎず、Issue Analysisをうまく活かしプロジェクト全体でのスピード感や実行量を増やしサービスをグロースする事例をGoodpatchでも増やしていきたいと考えています。
今回のIssue Analysisや事業のグロースに悩んでいるという方はお気軽にご相談ください。