今回インタビューしたのは、GoodpatchのExperience Design Unitでデザインリードを務める栗田 透。人材系サービスの事業会社にてプロダクトマネージャーを経験した彼が、成長の幅を広げるきっかけとなったGoodpatchのクライアントワークの醍醐味とは?そしてUXデザインリードとして、チームを前進させている原動力についてのお話を聞きました。

多くの人に使われ、喜ばれるサービスをつくるためプロダクトマネージャーへ

幼い頃から新しいアイディアを考えるのが好きで、おもしろい遊びを発明してたくさんの友達に楽しんでもらうことが好きな子供でした。僕のファーストキャリアは営業なんですが、新卒から法人営業を3年間経験する中で、やっぱりものづくりに携わりたいという気持ちが芽生え、26歳でWebディレクターに転職しました。

Webディレクターとしてやっていた仕事は、ランディングページやバナーの制作ディレクションが中心。よりたくさんの人が使って、喜んでくれるサービスをつくることに関わりたいという思いから、前職の人材系の事業会社にプロダクトマネージャーとして入社しています。

何度でも最高のサービスを作れるようになりたい

プロダクトマネージャーは、ビジネス・デザイン・開発・マーケティング・セールス・カスタマーサポートなど、いくつもの視野をかけ合わせることが求められるポジションです。常に部署を越境してサービスづくりに関わる中で、自分の視野や企画力は少しずつ広がっていったと思います。

僕は当時から、「何度でも最高のサービスを作れるようになりたい」と考えていたのですが、プロダクトマネージャーとして経験を積んでも、その感覚はなかなか持てませんでした。「もっとできることがあるはずだ」と思いながら、UXデザインの領域を勉強したりはしていたものの、いつも自分の中には焦燥感がありましたね。

そのまま6年間、同じ会社でプロダクトマネージャーとしての経験を積み、「そろそろ転職をしてもいいんじゃないか」と考えました。サービスづくりは複雑で生き物のようなものなので、「これが正解」という定石がありません。つまり、正解に近づくためのカンを研ぎ澄ませるには、実践に裏付けられた思考の深さ、経験の数がとても重要です。

これから自分が新しい経験をするなら、異なる業界やドメインのサービスをたくさんつくってみたい。そこで、事業会社ではなく、クライアントワークができる会社を探しはじめました。

Goodpatchのことは前職の事業会社にいた頃から知っていて、クライアントワークを行うデザインファームの中でも規模も大きく、一番やりたいことをやれそうなイメージを持ったので、話を聞きにいってみました。中でも執行役員の松岡との面接が今でも印象に残っていて、冒頭30分で当時の事業課題と組織課題をひと通り僕に話してくれたんです。そのオープンさ、簡潔さが自分の指向性と近いと直感し、Goodpatchを選びました。

事業会社からクライアントワークに移って活かせた経験

初めて経験するクライアントワークは、想像以上に緊張感を伴うものでした。

自分が事業会社にいた頃、新規サービスの立ち上げは何度も経験してきましたが、クライアントワークとして担当することで、クライアントの想像を超えるクオリティとスピードに責任を持たなければいけない状況を初めて味わいました。

そんなヒリヒリ感を持ちながらも、クライアントワークには事業会社での経験が活かせることにも気がつきました。それを特に強く感じたのは「助太刀」という建設業界向けマッチングアプリのリニューアルプロジェクトを担当した時のことです。

建設業界に従事する全ての人を支えるマッチングプラットフォーム「助太刀

助太刀のリニューアルプロジェクトは、CEOの我妻さんをはじめ、カスタマーサクセス、セールス、マーケティングなど助太刀社内を越境しながら進めていきました。GoodpatchのUXデザイナーは、クライアントの組織に深く入り込み、サービスをづくりを主導します。そんなところがプロダクトマネージャーの仕事とよく似ているなと感じたのです。組織に入り込む過程では、クライアントと同じくらいの熱量が求められますが、事業会社の時のような上司・部下などの力関係や、組織間のセクショナリズムがない分、フラットにコミットすることができます。

Goodpatchでクライアントワークをする醍醐味は、第一線で活躍する経営者や事業責任者と一緒にサービスをつくる貴重な経験が得られることだと思います。彼らの視座の高さや視野の広さは刺激になりますし、サービスづくりの力が磨かれて、結果的に自分も成長できるのだと思います。

人に向き合い、組織を内側からも支える

ちょうど助太刀のプロジェクトの途中でデザインリードというポジションで働く話をもらい、トライアル期間を経て、現在Experience Design Unitでメンバーのマネジメントや各プロジェクトの統括を担当しています。

メンバーとは毎週1on1をしています。僕はもともと人の相談に乗ったり、話を聞くことが好きなのですが、1on1で話してくれていたそれぞれの苦手なことや克服したいことにプロジェクトを通して挑戦して、どんどん成長していく姿を見ると、すごくやりがいを感じられますね。

Experience Design Unitのメンバーは、一人ひとりがクライアントのデザインパートナーとして日々並走していて、時には悩み疲れるようなこともあります。僕自身がプレイヤーだったからこそ、今はマネージャーとしてそんな悩みをすくい上げる存在でありたいし、自分のチームはメンバーにとっての拠り所のような場所にしたいと思っています。

難易度が高い課題に踏み込めるUXデザイナーを輩出する

リードになってからはメンバーの強みや得意なことを把握して、最大限価値を発揮できるようにしつつ、アウトプットのクオリティを上げていくことの難しさを日々感じています。ですが、「エクスペリエンスデザイン」という、まだ社会にとって不明瞭な仕事の価値を広げていくためにも、一つひとつのプロジェクトのクオリティは最高レベルにしていきたいです。その上で、メンバーが専門性を深められ、成長実感を感じられるような学習機会を作っていくことが今の僕のミッションと考えています。共感してくれる仲間をもっと増やしていきたいですし、ゆくゆくは社会にUXデザイナーがもっと増えたらいいなと思います。

もっと長期的には、デザインで社会問題を解決していきたいとずっと思っています。もちろん、僕たちがお手伝いしているクライアントは、助太刀しかり世の中に新しい価値を提供するサービスを生み出している企業ばかりです。一方で、戦争や環境問題、貧困など、より難易度が高い課題はこの社会にたくさんあります。僕たちUXデザイナーが行き着くところは、そうした課題を解決することなんじゃないかなと思っているんです。GoodpatchのUXデザイナーは常に新たな課題に踏み込んでいける存在でありたいですし、デザインにはそんな課題を解決できる可能性があると信じています。


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