今回インタビューしたのはUIデザイナーの石黒 澪。GoodpatchでのUIデザイナー見習いを経て入社した彼女は現在、SUNTORY+のUIデザイナーとしてビジュアルに強みを発揮しながら活躍し、2020年にグッドデザイン賞、2021年にはiF Design Awardを受賞するプロダクトへと育てる過程に並走してきました。プライドが高く負けず嫌いだった彼女に訪れた変化と、SUNTORY+デザイナーとしての2年間のストーリーを聞きました。
目次
大学を中退、UIデザイナー見習いを経てGoodpatchへ
私は横浜市立大学を半年で中退し、2ヶ月間のニート生活と2年間のスタートアップ経験を経てGoodpatchでインターンとして働きはじめました。
それまではスタートアップで約1年半年ほどデザイナーのインターン生としてお世話になっていて、イラスト全般を描いたり、ユーザーのモチベーションを管理するUXデザインやUIデザインを担当していました。他にも、起業した友人の会社のロゴやコーポレートサイトのデザインなども少し手伝っていましたね。
Goodpatchでインターンすることを決めた方のは、総合大学出身の私でも真剣に向き合えばデザイナーになれる可能性がありそうだったからです。また「ハートを揺さぶるデザインで世界を前進させる」という、非合理的な要素を企業のミッションとして掲げているところにも面白みを感じましたね。通常スタートアップの開発ではMVPを生み出すことを優先し、ユーザーの心を揺さぶる要素は後回しにされがちですが、Goodpatchでならハートを揺さぶるデザインに最初から向き合いながらプロダクトを作っていけるかもしれない、と思いました。
見習い期間を経て正式に入社することが決まったので、中途扱いになるのかなと思っていたら、代表の土屋が「同期がいた方がいいと思うから、新卒と一緒に入社してみたら?」と声をかけてくれたんです。
でも、実は学生時代の私は「チームで何かを頑張る」ことが苦手でした。加えて大学中退を決めてからスタートアップやGoodpatchで働くことを経験していたので、変なプライドが邪魔をして同期とあまり話せなかったり、新卒研修を素直に吸収できない時期もありました(笑)。
個人ではなくチームの成果を求められて気づいたこと
学生時代は自分のスキルにばかり目が向き「あれもこれもできるようになりたい」という気持ちで働いていましたが、Goodpatchで働くようになってからはチームで成果を出すことが明確に求められるようになり、視点を「自分」から「チーム」に変えることができたと思います。
自分のことばかりに目が向いているうちは成長速度は変わらない。「私は何のために成長したいんだろう」ともう一度考えてみると、ただ「いいデザイナー」になりたいのではなく、チームの目標達成や成長を目標に自分ができることを最大化したいんだと気づくことができました。
さらに自分を俯瞰することの重要性を示唆されたのは、入社1年の節目で行った代表土屋との面談でした。私はその面談で、今もお手伝いしているSUNTORY+のプロダクトオーナーであるサントリー食品インターナショナルの赤間さんや、同僚でBXデザイナーの石井から刺激を受けていることを話そうとしたのですが、いざ口に出そうとするとうまく言語化できなかったんです。その時に土屋から「彼らのどんなところを、なぜ魅力に感じているのか言語化した方がいいよ」と言ってもらえたことをきっかけに、自分の考えやチームについて意識的に俯瞰する癖をつけようと思ったことを覚えています。土屋はあの時の面談のことはもう覚えていないかもしれません(笑)。
人の心に響く、合理と情理が両立したデザインを作りたい
今、SUNTORY+での1年目の自分を振り返って思うのはとにかく必死に走ってきてよかったということです。もちろん今も必死なんですが、当時は「同期の中でMVPをとりたい」「手伝っているSUNTORY+でグッドデザイン賞をとりたい」「もっとクライアントに満足してもらいたい」と様々な想いで成果を出すことに執着し続けた1年目だったと思います。
当時はSUNTORY+のUIをゼロから作る段階で、リリース日も刻々と迫っていたので、新しいことをインプットしたり自分を省みる時間はほとんどありませんでした。一日中プロダクトのことだけを考えていましたし、夢の中でもUIをデザインしていました。失敗もたくさんありましたが、濃い体験ができたので1年目はそれでよかったと思っています。
想いを注ぎこみながら作ってきたSUNTORY+がグロースフェーズに入った段階で、ようやく自分ができていること、できていないことを俯瞰する余裕が生まれました。また、Goodpatchの事業をデザイナーとして広く捉えられるようになった実感もあります。そんな中、デザインリードの山木が率いるビジュアルデザイナーのチームでGoodpatchの新しい商材を企画しました。それが企業のビジュアル選任パートナー TOROというソリューションです。
TOROとは、経営者や事業責任者が持つ想いや世界観をプロジェクトの初期段階から具現化するビジュアルドリブンプロセスです。ビジュアルデザインに特化したGoodpatchのデザイナーが早期にクオリティの高いビジュアルを作ることで、ロジカルな部分とエモーショナルな部分が両立した状態で合意形成を促すことができます。
論理的思考には価値がありますが、どうせ作るなら人の心に響くデザイン、合理と情理を両立したものを作りたい。そういう想いでTOROとSUNTORY+に向き合ってきました。
ユーザーの気持ちが昂る、思わず自分も開発したくなるプロダクトを作りたい
一時期は「人の心に響くデザインを作る」なんて、ありきたりな夢なのでは?と疑心暗鬼していました。デザイナーなら一度は考えることなんじゃないかと思ったからです。
でも私は、心に響くデザインを作るために日々奮闘している人をたくさん知っています。SUNTORY+のPOであるサントリー食品インターナショナルの赤間さんや、一緒に働くGoodpatchのメンバー、直属の上司である山木、みんな私よりもずっと経験のある尊敬する方々です。彼らが奮闘するほど大変なことなら、私の夢は誇っていいものなんだと自信がつきました。
手に取ったときに気持ちが昂り、思わず自分も一緒に開発したくなるくらいファンになってもらえるデザインをプロダクトに落とし込めるようになりたい。これはいちデザイナーとしての夢でもありますが、プロダクトにとってもプラスになることだと思います。
Goodpatchで見つけた夢を実現できるように、これからもデザインとプロダクトに真剣に向き合い続けたいです。
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Goodpatchではビジュアルデザイナー、UIデザイナーを募集しています。ハートに響くビジュアルデザインを追求したい方、チームでプロダクトに向き合いたい方、ぜひ一度お話ししましょう!
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