新しいものが大好きなGoodpatchで11月話題になったアプリ、サービス、デザインまとめ(2023)
一気に気温も下がり、朝に布団が恋しくなる季節になってきました。より一層と寒くなっていくことに期待と不安を抱く時期ですが、いかがお過ごしでしょうか。今月もGoodpatchで話題になったサービスやトレンドをご紹介します!
目次
デザイン
Procreate Dreams リリース
https://procreate.com/jp/dreams
2023年11月23日に、iPad用の2Dアニメーション製作アプリ「Procreate Dreams」が発売されました。Procreate Dreamsでは、タッチ操作やApple Pencilを使ってイラストの2Dアニメーションを制作することができます。
iPad用のペイントアプリとして既に人気のあるProcreateのアニメーション強化版とあって、SNSでも大きな話題となりました。Procreateのブラシを使用できるため、イラストの描画体験の良さも期待できます。
Procreate Dreamsのタイムラインはマルチタッチジェスチャーによって、アニメーション編集に最適化されたシンプルで直感的なUIとなっています。オニオンスキンなど、アニメーションに便利な描画機能だけでなく、音楽や映像を読み込むこともできるため、本格的なアニメーション制作がiPadでできるようになりそうです。
公開されている映像では、他のアプリではあまり見られないユニークな編集パネルやカーソルが登場しており、非常にスムーズな操作感を感じられます。タッチデバイスのビデオエディタUIとしては革命的な体験ができるかもしれません。
多摩美術大学がTama Design High School 開催
https://tub.tamabi.ac.jp/exhibitions/4155/
多摩美術⼤学は2023年11⽉27⽇から12月24日まで、東京ミッドタウン・デザインハブにて「Tama Design High School」を開催することを発表しました。
こちらは「初学者向けのデザインのお話」をテーマに⾼校の授業のようなスタイルで、活躍するクリエイターや、教育関係者、デザイン研究者、実務家などさまざまな講師からデザインにまつわる授業を誰でも無料で受けられるイベントです。
講義だけではなく、会場内にて美術⼤学で実際に使われるツールや制作風景や最新の授業内容を見ることができる展⽰も開催されるそうです。
期間中ほぼ毎日授業が行われ、トップバッターは「ロッテ キシリトールガム」や「国立科学博物館」でお馴染みのグラフィックデザイナー 佐藤卓さんでした。現地での聴講にはWebサイトより申し込みが必要ですが、YouTubeでは申し込み不要で授業のライブ配信を見られるとのこと。
グッドパッチ社内でも衝撃が走るほど一流の講師陣のお話を聞ける貴重な機会ですので、チェックしてみてはいかがでしょうか。
サービス
メルカリ、スポットワーク事業参入を発表
https://about.mercari.com/press/news/articles/20231113_mercarihallo/
株式会社メルカリは2023年11月13日、新たにスポットワークの求人プラットフォーム「mercari Hallo(メルカリ ハロ)」を発表しました。こちらはユーザーがメルカリのアプリから好みの条件の仕事を探して応募し、スキマ時間でアルバイトをすることで報酬が得られるサービスです。
メルカリは今回のスポットワーク事業への参入により、これまで築き上げたエコシステムの「モノ」「お金」「信用」の循環にユーザーが持つ「時間やスキル」という価値の循環が加わることで、「働く」こととその先にあるモノの購入、決済、与信といった体験をつなげることを目指すとのこと。特徴的なのは、メルペイを通じたデジタル給与払いが行われる点で、メルカリが提供するクレジットカードの「メルカード」の返済にも充当ができるなど既存事業とのシナジーが見込まれます。
グッドパッチ社内では新規事業と既存事業とがつながるストーリーを賞賛する声や、発表されたアプリのUIが6タブ編成であったことに注目する声など、さまざまな反応がありました。
本サービスは2024年春から始まる見込みで、現在求人を出す「パートナー」の先行募集を行っているとのことです。
Zenly創業者による新サービス「ID by amo」リリース
2023年11月19日、Zenlyの共同創設者のAntoine Martin氏が立ち上げたamoより「ID by amo」がリリースされました。Zenlyは10代を中心に数多くのユーザーを抱えていた位置情報共有アプリで、本年2月に運営元のSnap社による事業再編でサービスが終了してしまい、大きな反響を呼びました。
そんなZenlyを立ち上げたAntoine Martin氏によるID by amoは、自分や友達のキャンバスを作成することができるアプリです。キャンバスにはステッカーや画像、リンクを貼って、自分らしさや友達との思い出をキャンバスに貼って楽しむことができます。
人生の選択肢が豊富になり、アイデンティティも自分で選択する時代といわれる現代、「自分がどんなコンテンツを消費しているのか」も、拠り所の一つとなっています。だからこそ多くの人が、Instagramに音楽をつけてストーリーズを投稿したり、自分の好きなものを発信するのではないでしょうか。amoでは、自分を抽象するキャンバスを友達と作ることで、自他共に認めるアイデンティティを表現でき、揺らぐ自己認知の中で拠り所の一つとなると考えられます。
現時点では、まだ友達追加導線やサービスの活用にハードルがありますが、今後どのように進展していくのかに注目です。
イベント
Japan Mobility Show2023 開催
https://www.japan-mobility-show.com/
2023年10月27日〜11月5日にかけて東京ビッグサイトにて「Japan Mobility Show2023」が開催されました。会期を通して111万2000人の来場者を記録し、平日でも朝から長蛇の列だったそうです。プログラムは「こんなモビリティがある未来があったらいいな」を感じる、未来の東京ツアーをコンセプトにした「Tokyo Future Tour」、各領域のプロがモビリティの未来を語る「Japan Future Session」など、体験型のものからトークセッションまで自動車の未来にワクワクするコンテンツが盛りだくさんでした。
特にグッドパッチで話題になっていたのは、中国のEVメーカーBYDの展示。デザインも洗練されており、乗り心地もよかったそうです。車体デザインだけでなく、どうテスラとの差別化を図るのかや、日本など海外市場への更なる進出計画にも注目です。
国内最大級のファッションイベント、TOKYO FASHION CROSSING 開催
https://tokyofashioncrossing.com/
国内最大級のファッションイベント「TOKYO FASHION CROSSING」が2023年11月3日〜11月6日、丸の内・銀座・渋谷エリアで開催されました。TOKYO FASHION CROSSINGは、街全体でファッションやアパレルを楽しむ気運を醸成し、産業を活性化することが目的で、誰もが参加できるファッションイベントです。ファッションショーをはじめ、さまざまな洋服の試着体験やフリーマーケット、染物や機織りなどの体験コンテンツも。
特にファッションショーは“ダイバーシティ”をテーマにしたさまざまな取り組みがみられ、中でも「異彩を、放て」がミッションの福祉実験カンパニー、ヘラルボニーとの協業で作られたカラフルなランウェイが会場を彩ったことが話題となりました。日本のファッションショーで、ダイバーシティをテーマに日本のファッションを発信するということは、とても意義があることです。これを機に、さらに世間にダイバーシティへの寛容とその意思表示がファッションを通して行われると素敵だなと思います。
AIトレンド
Open AI Dev Day 開催
2023年11月7日、サンフランシスコにてOpen AI社のカンファレンスであるOpen AI Dev Dayが開催されました。このカンファレンスでは、ChatGPTなどのOpen AI社が運営するサービスの新しい機能が発表されました。どれも革新的なものでしたが、特筆すべき2つのアップデートを本記事では紹介します。
1:ChatGPTのPDFファイルの読み込み機能の追加
以前より、ChatGPTの保有する情報自体が古いことやWeb上に載っている情報しか取り扱えないことで、ユーザーがうまく活用できないという問題がありました。今回PDFファイルを読み込めるようになり、ChatGPTにローカルな情報を学習させることが可能になりました。
2:新機能のGPTsの追加
今回大きな波紋を呼んでいるのが、GPTsの追加です。先ほどのPDFファイルの読み込み機能に加えて、GPTsが追加されたことで用途を特化させたGPTを作成することが可能になりました。例えば、「確定申告について教えてくれるGPT」といった形で、より実用的な形で活用できるようになりました。また、自分の作成したGPTを他の人と共有することもできます。
今回のアップデートで生成AIは更に日常生活に溶け込みやすくなってきていることを感じました。とはいえ、生成AIはいまだに一部の人間にしか活用されていないのが現状です。そのため、一般的に普及するように生活導線の中に生成AIを組み込んだデザインが必要になると考えられます。生成AIの今後の発展に目が離せません。
Notion AI Q&A 機能発表
https://www.notion.so/product/ai
2023年11月14日、オールインワン ワークスペース「Notion」の公式XにてNotion AIによるQ&A機能が発表されました。Notion AIは、AIによって文章作成や要約などが行えるもので、今回発表されたQ&A機能を使えば、Notion内のWikiやプロジェクト、ドキュメントなどのあらゆる事柄について質問し、Notion AIからの回答を得られるようになります。
例えば、「先週のミーティングで何が議論されたか」や、「プロジェクトのとあるタスクがいつから開始されるか」なども質問できます。実際の業務の情報に根付いたサポートを対話形式でしてくれる、まるで映画のAIエージェントのような機能ですね。必要に応じてNotion内の対象のページへ遷移するリンクがついているようなので、情報へのアクセス性、回遊性が飛躍的に向上しそうです。
有料プランでNotionを使用している場合、1メンバーあたり月額8ドルでNotion AIが利用できるそうで、Q&A機能の他にも業務効率化に便利なAI機能が提供されています。この機会にAIを活用した最新機能を体験してみてはいかがでしょうか。
以上、11月に話題になったアプリやサービスをお届けしました。
毎月新しい情報をお届けしておりますので、来月もお楽しみに!
過去の月間まとめ記事はこちらからどうぞ!