新しいものが大好きなGoodpatchで4月話題になったアプリ、サービス、デザインまとめ(2020)
春の訪れを告げた満点の桜も、葉桜へ移ろい、梅雨の匂いを感じさせる今日。変わり始めたクローゼットの色たちに心を踊らせる方も多いのではないでしょうか。
今月もGoodpatch Blogでは、Goodpatchで話題になったアプリケーションやサービスをご紹介致します!
目次
プロダクト
ニューバランスがフェイスマスクの生産を開始
https://www.newbalance.com/made-medical-letter-landing-page-4-2/
アメリカ国内でCOVID-19流行によって高まる個人用保護具への需要を受け、New Balanceは「Made shoes yesterday. Making masks today.」というメッセージとともに、フェイスマスクの生産への取り組みを発表しました。生産されたフェイスマスクは、アメリカ国内の医療施設への配布が予定されています。また、New Balanceはフェイスマスクの生産と並行し、3Dプリント技術を用いてガウンやフットカバーリングなど、他の個人用保護具のプロトタイピングへの取り組みも行っているそうです。
現在もCOVID-19に対するメッセージやクリエイティブを発表するブランドが相次いでいる印象ですが、今回のNew Balanceによるフェイスマスク製造および医療現場への配布は、CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)を実践する企業の模範となる事例と言えるのではないでしょうか。加えて、SNSではプレスリリースに対する好意的反応が見受けられます。こうした反応の大きさを鑑みると、今回の取り組みによりユーザーの信頼を得ることができれば、ブランドイメージの向上にも貢献すると考えられます。
新しいiPhone SEのリリース発表
https://www.apple.com/jp/iphone-se/
Appleが2020年4月15日にiPhone SE第2世代を発表しました。価格は4万4800円(税別)からと低価格になっています。外観はホームボタン・Touch IDなどiPhone 8の流れを汲んだ商品でありつつ、iPhone 11シリーズと同じ最新のチップセットやポートレートモードも可能なカメラを搭載しています。
今回発表された新しいiPhone SEは、値段が問題でiPhoneに手を出せなかった消費者が購入するチャンスになるでしょう。iPhoneというハード製品のユーザーを増やすことは、Apple MusicやiCloud追加ストレージなど、Appleのサブスクリプションサービスの拡大に貢献する可能性があります。新しいiPhone SE発売の背景には、Appleの収益構造の比重がハードからサブスクリプションサービスへ転換していくという狙いがあるのではないでしょうか。
reMarkable2
紙のようなディスプレイを目指すタブレットreMarkable 2が2020年3月17日に発表されました。reMarkable 2は、これまでのreMarkableよりも紙に近づいた新しい機種です。文章を書く・スケッチを描く・電子書籍を読むなど主にモノクロのコンテンツに重点を置き、iPadやSurfaceなどとは異なった個性的な路線を貫いています。より紙に近い書き心地やタブレットの薄さを実現するために、ディスプレイの厚さを4.7mmに設計したり、線を引くための遅延を20ミリ秒に抑えるなど多くの改良が重ねられています。
iPadやSurfaceなどのタブレットでは、ノートパソコンにも迫る勢いで多くの機能が追加されています。しかし、reMarkableはあえて文字を書く、スケッチをするという機能のみに焦点を当てたことで、よりミニマルな使用感を求める層をターゲットとしてreMarkableならではのブランドを確立していると考えられます。機能的には劣るものの、選択肢を狭めることで無駄を削ぎ落とすことに繋がったのではないでしょうか。このreMarkable 2のように、より良い生活を送るためのターゲットに寄り添ったプロダクトは、今後ますます増えていくのではないでしょうか。
どこをみるかで変わるエンディング、VR映画「HERA」
https://corporate.wowow.co.jp/hera/
世界初の分岐型マルチエンディングVR映画「HERA」の制作プロジェクトがWOWOWとsoicsenseから発表されました。VRとアイトラッキングを用いることで、観ている人の視線によってストーリーが変化するようになっています。分岐は2つ、エンディングは3つあります。ユーザーが無意識に向ける視線でストーリーが選ばれ、感覚的なインタラクションが可能になる他、VR空間での一人称視点により主人公として没入しながら物語を体験できます。「HERA」は2021年のリリースを目指して制作が進んでいます。
従来のゲームにもマルチエンディングはありました。しかし今回のコンテンツでは、VR特有の没入感と視線での自然なインタラクションによって独自のエンディングを迎えることができます。今後、アイトラッキングの技術をベースに視線から自然な体験を生み出すVRコンテンツが増えていくでしょう。
サービス
あなたを守るホテル「ホテルシェルター」
https://www.hotel-shelter.net/
5月の上旬から開始する「ホテルシェルター」は、1泊3000円から、COVID-19の感染対策が行われているホテル・旅館に宿泊できるサービスです。近頃は、企業がリモートワークの導入を進め、家で過ごす時間が増えた人も多くなってきました。一方で、外出自粛にも関わらず出勤を続け対応不特定多数の人に会う勤務地で働き自宅にウイルスを持ち帰ることが不安な人、家庭内のトラブルを抱えている人など、家にいること、家に帰ることが心配な人がいます。ホテルシェルターはそんな、家にいることができない人々に、全国の加盟ホテルに手頃な価格で安全に宿泊できる新しいサービスです。
宿泊者数が激減し事業運営が厳しくなっているホテルは稼働率をあげることができ、サービス利用者は安全に泊まれる場所を確保し、ホテルシェルターは安全に宿泊できる人を増やすサービス提供ができます。
このニュースを知った時、次の二つを感じました。まず、社会の速い変化に対応して短い期間で新しいサービスができること。また、家が安全ではない方も含めた心暖かいサービスがある。ホテルシェルターは単なる感染病の対策よりかは、この世に必要なサービスだったかもしれません。私たちも普段見逃していたところで解決できることはないでしょうか。
Airbnbがオンライン旅行体験サービスを提供
https://news.airbnb.com/ja/enjoy-the-magic-of-airbnb-experiences-from-the-comfort-of-your-home/
Airbnbがオンライン旅行体験サービスの提供を開始しました。このサービスでは、専門的な知識をもつ世界各地のホストが非日常を提供してくれます。例えば「日本の僧侶と一緒に瞑想」や「プロのコーヒーテスターと一緒にコーヒーを淹れてみよう」など、さまざまな種類のものがあります。それらの体験は自宅から気軽に参加でき、小人数グループで行うため、、Airbnbコミュニティのメンバーと新しいことを一緒に学びながら、安全に交流することができます。
今日のインターネットの普及と発展により、オンライン上で人との繋がりを感じる機会が増え始めています。このサービスをきっかけに旅行体験の形が変わり、観光業にもオンラインを用いた新しいサービスが増え初め、自宅での体験がより豊かでグローバルなものになるはずです。Airbnbが提供する自宅での新しい体験の世界に、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
Kyash Visaカードから紐解く決済の未来
https://news.kyash.co/post/614705091004579840/20200407
2020年4月7日からKyash VisaカードがApple Payに対応しました。iPhoneやApple Watchをかざすだけで支払いが可能になったことで、「お金を使う」という行為が今までよりも直感的かつ簡単に行えるようになりました。
Apple Payへの対応によって、Kyash Visaカードの魅力である直感性、リアルタイム性、安心性を日常で感じる機会は以前よりも格段に増え、キャッシュレス決済がより一層、生活 へ溶け込んだものになりました。日本でのキャッシュレス決済の利用率は今後さらに増加すると考えられ、決済方法の主流が現金ではなくキャッシュレスになる日も近いのではないでしょうか。
Netflixが若者向けメンタルヘルスケアを目的としたインスタライブを配信開始
NetflixがInstagram公式アカウントにてメンタルヘルスケアを訴える動画の配信を開始しました。そこではNetflixの人気コンテンツに登場するスターが起用され、生活が激変し不安を抱える若者向けに「不安をどうマネジメントするか」や「セルフケアの方法」といったトピックが紹介されています。2020年4月9日から5月14日の期間限定で行われ、日本時間では毎週金曜日に配信されています。
NetflixとInstagramという若者に絶大な人気を誇る2つのサービスがコラボして訴えかけることは、社会的インパクトも大きく、若者の心を少しでも明るくしたいという強いメッセージが感じられます。登場するスターたちにも注目が集まりますね。ぜひNetflixのInstagram公式アカウントを覗いてみてはいかがでしょうか。
アプリケーション
Androidが点字入力に対応
https://www.blog.google/products/android/braille-keyboard/
今回、GoogleがAndroidのユーザー補助機能にTalkBack点字キーボードを追加しました。
点字キーボードは、米国時間の2020年4月9日に、まずは英語のみを対象に「Android 5.0」以降を搭載するすべての端末に提供されました。今まで視覚障害を持ったAndroidのユーザーは、検索機能や記事の読み上げに関して、TalkBack機能を使用することが多いため、外出時や音声が出せない状況下では使用できるシーンが限られていました。
Androidデバイスのすべてのアプリケーションで機能し、英語点字におけるグレードでは、公共英語のグレード1とグレード2をサポートするそうです。現在対応している言語としては英語のみですが、近いうちに多言語にも対応すると思われます。
Androidのユーザーも点字キーボードが登場したことよって、コミュニケーションの量だけではなく、会話の質などの向上も期待でき、生活がより豊かなものになるのではないでしょうか。
Adobe XDからリモートワーク会議向けプラグイン「Whiteboard」がリリース
Adobeは、 リモートワークがもたらした環境の変化に対応するためAdobe XD用のビジュアルコラボレーションプラグイン「Whiteboard」を開発しました。Adobe XDの新機能「共同編集」を利用しているため、アイデア出しやスケッチを軽快な動きで円滑に共有できます。また、大きな特徴として「カスタマージャーニーマップ」や「共感マップ」、「ペルソナとユースケース」などのテンプレートの存在が挙げられます。誰でも簡単にこれらの手法によって、会議を促進させることができるでしょう。加えて、付箋や手書き機能も搭載されており、より実際の会議に近い感覚の使用も可能です。
実際に使用したみたところ、軽快な動きと豊富なツールによってリモートワークでの会議がより楽しく生産的になると感じました。ぜひ使用してみてください。
また、Goodpatchではリモートコラボレーションの可能性を広げるオンラインホワイトボード『Strap』β版を、2020年4月23日より利用登録をスタートしました。最終的に組織のナレッジマネジメントの実現を目指す日本版のサービスで、『Strap』のターゲットはデザイナーだけでなくプロジェクトに関わる全ての人です。
オンラインホワイトボード『Strap』β版公開中 | Goodpatch Inc.
SlackのUIが大幅にアップデート
https://slackhq.com/intl-ja-jp-simpler-more-organized-slack
コミュニケーションツール「Slack」のUIが大幅にアップデートしました。主な変更点としては、新しいナビゲーションバーやメッセージ作成ボタンが追加された点、サイドバーのデザインが一新されチャンネルやアプリをセクション別で整理することが可能になった点などが挙げられます。
今回のアップデートにより、Slack内のどこにいても検索やメッセージを作成し、見逃したくない重要なメッセージにいち早くアクセスできるようになりました。また、サイドバーではチャンネルの並べ替えやセクション分けができるようになったことで、利用頻度に応じて自由にカスタマイズ可能となり、ユーザビリティが格段に向上したと言えます。多くのチャンネルやメッセージが使用されている大企業などでも使いやすくなりました。
「みなさんのビジネスライフをよりシンプルに・より快適に・より有意義に」というSlackのミッションが、より色濃く反映されたアップデートでした。
以上、4月に話題になったアプリやサービスをお届けしました。
毎月新しい情報をお届けしておりますので、来月もお楽しみに!
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