なぜCandidate Experienceなのか

現在採用マーケットは売手市場と言われています。求職者数と求人企業の需給バランスが大きく崩れ、エンジニア、デザイナーなどのマーケットに少ない希少な職種であれば、転職サイトに登録した途端に、数えきれないほどのスカウトメールが届くことも珍しいことではありません。

そう言った背景もあり、求人は出しているものの採用が出来ない、もっと言えば応募すら来ない企業、さらに採用がボトルネックで企業が倒産してしまうケースもあるほどです。現在求人をしている企業にとっては未だかつてない採用難の時代ともいえるでしょう。しかし、必ずしもマーケットが原因で採用難とは言い切れない部分もあり、一見すると採用強者である大企業でも採用苦戦をしているケースや、逆に規模が小さく、待遇面や採用予算では大きく劣る企業が圧倒的な採用実績を挙げているケースも見られます。

ではその差はどこで生まれるのか? それは選考を通してのCandidate Experience(応募者体験)の差が要因の一つです。

Candidate Experienceは、採用広報、Job Discription、応募前後のやりとり、そして選考時など、間接、直接関係なく、応募者が選考終了するまでの一連の体験が該当します。応募者にとっては企業力や待遇も魅力の一つですが、全体的な体験が悪ければ、途中で離脱してしまうことも珍しいことではありません。

Candidate Experienceには企業規模に関係なく、混沌とした採用マーケットで戦っていく上では必須と言っても過言ではありません。

注目するべきもう一つの理由

Photo by Kai Qin https://instagram.com/kaiq____/

Candidate Experienceの向上は採用力の向上だけではなく、採用のミスマッチを減らし、入社後の組織力の強化にも効果的です。

それはなぜか?

それはCandidate ExperienceはEmployee Experience(グッドパッチではPeople Experienceと呼んでいます)と密接な関係があり、応募者に入社までの体験を通して期待値調整を実施しておけば、入社後の期待値の差異による早期退職の防止だけではなく、在籍する社員のエンゲージを高めるCandidate Experienceの向上施策の効果が大きく高まるからです。

価値観のズレ少ないからこそ入社後のビジョン、ミッション、バリューの浸透や、社内イベント研修が活きてくるわけで、そのサイクルを継続していくことが強い組織を作っていくことに繋がるわけです。Candidate ExperienceとEmployee Experienceが噛み合っていない場合に起こることが、価値観の相違による早期退職や、社内施策の効果減少です。

しかし、多くの場合この点は軽視されがちで、組織力の低さを社内施策だけで補おうとしたり、うまくいかない原因を外に求める傾向(例えば売手市場だから人材が流出するなど)が強くなかなか改善へと繋がらない。

もちろん全てがそうとは言い切れませんが、入り口の部分でそもそもミスマッチをしていた場合、組織力の低下は気付かないうちに進み、気付いた時には手遅れになってしまうのです。
そうならないようにするにはCandidate Experienceの改善は不可欠。
そしてその改善に最も効果的なのが採用プロセスを改善であり、選考を通しての良い体験が結果的にミスマッチを防ぐわけです。
今回は、少しでも組織課題に悩む方々に向けて、グッドパッチが組織崩壊から立ち直る過程の中でのCandidate Experience改善の実績を交えながら書かせていただきます。

グッドパッチにおけるCandidate Experience向上に向けた取り組み

面接官トレーニング

グッドパッチでは面接官候補として現場から推薦されたメンバーには、適性判断のために座学1時間、模擬面接1時間の面接官トレーニングを必須にしています。座学では面接官としてのあるべきスタンス、コンプライアンスへの理解、アイスブレイクのやり方などをレクチャーし、模擬面接は座学をベースにした実践形式のトレーニングです。その中で最も重要視しているポイントは、個人の主観を排除し客観的な事実からのみ判断をすること。経験年数や、在籍企業、過去の実績など、表面的な部分で判断はしません。

なお、面接官トレーニングを経て適性がない場合は、例え役職者であっても面接官としてはアサインできないような仕組みになっています。

選考基準からの主観の排除

〇〇経験何年以上、コミュニケーション能力が高い人など、個人の主観で変わる曖昧な基準はグッドパッチには存在しません。なぜ、その基準なのかが具体的に説明できないものは採用基準には入れないようにしています。面接官トレーニングと同様、個人ごとに判断が変わってしまってはいけないためです。

代表がOKを出しても堂々とNGを出せる体制

グッドパッチでは代表の土屋が選考結果でOKを出しても、人事、もしくは現場がNGの場合には内定に至らないことがあります。

必ずしも代表が良いと思う人だけがグッドパッチにフィットするとは限らない。多様な視点を受け入れるオープンマインドな文化が採用の意思決定にも反映されています。

選考官の心理的安全性の担保

グッドパッチでは人事、現場、代表、それぞれが異なる観点で選考をしています。
同じ観点で選考をすると主観で結果がブレてしまったり、次の選考官が通しやすい人を通過させたり、「なんでこんな人を通過させたんだ!」などの叱責を避けるために上を見て選考をしてしまうといった、本来あるべき姿とは異なる姿になってしまう可能性があるためです。

各選考官をリスペクトし、出した結果を最大限に信頼することが、主観や私情に囚われず、思い切って選考できる心理的安全性に繋がります。もちろん、定期的な選考基準のチューニングも必要です。

面談後の応募者からのアンケートの実施

カジュアル面談をしているのも選考官たち。その選考官へのフィードバックは、社内だけではなく候補者からも頂いています。より良いCandidate Experienceの実現には、ユーザーであるCandidateの声が何よりのスパイスです。

リファレンスチェック

日本ではあまり馴染みのないリファレンスチェック。グッドパッチでは、ある一定の基準を満たした場合に必ず実施をしています。目的としては選考を通しての評価、更に客観的な評価を加え、ミスマッチを防ぐことにあります。

ただ、採用結果に直接影響するものではなく、リファレンスという言葉の通りあくまで「参照」するものです。仮にネガティブなフィードバックがあっても、それをそのままネガティブとして受け入れるわけではなく、逆にポジティブなフィードバックがあっても、ポジティブな評価にするわけではありません。

最後に

いかがでしたでしょうか?
今回はグッドパッチでのCandidate Experience向上に向けた取り組みを紹介させていただきましたが、これは完成形でもなければ、正解というわけでもありません。

これを文化の違う会社でそのままやっても恐らくうまくフィットしないでしょう。

人には個性があるように、Candidate Experienceも会社によって個性があり、あるべき姿は異なります。
採用難の中で、なかなか採用がうまく行っていないともしお悩みであれば、ぜひ一度自社のCandidate Experienceに立ち戻ってみてはいかがでしょうか?

ABOUTこの記事をかいた人

KoyamaKiyokazu

コミュニティープランナー。入社以前は複数の会社で人事、そのほか営業や飲食店での店長なども経験。2016年にGoodpatchに人事として入社後はキャリア採用の実務と並行して、登壇、面談などを通した自社のファンづくりを行なっている。
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