NTT東日本
- Client
- NTT東日本(東日本電信電話株式会社)
- Expertise
- Digital Product & Service Design
- Date
- Client
- NTT東日本(東日本電信電話株式会社)
- Expertise
- Digital Product & Service Design
- Date
Overview
NTT東日本様は「ひかりクラウド スマートスタディ」の開発でUX課題に直面していました。グッドパッチの包括的支援により、サービスサイトの改修に始まり、サービスのコアバリュー再定義、アジャイル開発導入、ユーザーリサーチ実施、申し込みフロー自動化を実現。その結果、年間1,000万円以上のコスト削減とユーザー中心の開発プロセスへの転換に成功。この取り組みによりNTT東日本様のチーム文化を変革し、価格競争ではなくユーザー体験重視のアプローチを確立しました。
Client
NTT東日本(東日本電信電話株式会社)様
NIPPON TELEGRAPH AND TELEPHONE EAST CORPORATION
国内でも有数の大手通信会社。事業で培われた技術や知見を生かし、民間企業や省官庁、地方自治体などの団体にさまざまなサービスを提供。
Summary
ご支援前の課題
- ユーザー体験(UX)に寄り添った開発ができていなかった
- 長期間かけて新機能を実装するも、ユーザーに受け入れられないという悪循環に陥っていた
- サービスの方向性が「八方美人」のようになっており、真のターゲットユーザーが不明確だった
- 申し込みフローが人力に頼っており、非効率だった
グッドパッチの対応とご支援後の成果
- コアバリューを見直しターゲットユーザーを明確化
- サービスサイトの改修でUIを刷新し、ユーザーに必要な機能や情報を提供
- ユーザーリサーチとプロトタイプ検証の導入の導入で開発方針が明確に
- 申し込みフローの自動化で年間約1,000万円の人件費削減
ユーザーに受け入れられない悪循環、課題はユーザーニーズとプロダクトの乖離
東日本電信電話株式会社(以下、NTT東日本)は、「ひかりクラウド スマートスタディ」という学習管理サービスを展開していました。しかしユーザー体験(UX)に寄り添った開発ができていないことに大きな課題を感じていました。
NTT東日本 ビジネス開発本部 CXビジネス部の小林様は、2022年7月に担当課長に就任後、この問題の深刻さに直面しました。「ユーザー体験に寄り添った開発ができていないと感じており、準委任契約で並走してくれるデザイン会社を探し始めました」と小林様は語ります。従来の開発方法では、ユーザーの声を聞かずに仮説で要求仕様書を作成し、長期間かけて新機能を実装するも、ユーザーに受け入れられないという悪循環に陥っていたのです。
グッドパッチは「このサービスは誰に何を届けているのか?」根本から一緒に考えてくれる
そこでパートナーに選ばれたのが、グッドパッチのフルリモートデザインチームである「Goodpatch Anywhere」でした。これまで発注していたデザイン会社では「ロゴを作ってください」のように、発注した通りのモノを作って終わりの請負契約しかなかったらしく、並走型で支援するグッドパッチを魅力に感じたことが理由でした。
「私はデザインの知識がなかったので、当初はそもそもデザイナーがチームに入る必要性が分かりませんでした。その後、グッドパッチがデザインというよりも、その根本にある「このサービスは誰に何を届けているのか?」から考えてくださると知り、非常に驚きました」(NTT東日本 ビジネス開発本部 CXビジネス部 田中様)
当初予定していたプロモーション施策の見送りが決定、その背景とは…?
グッドパッチはまず、サービスの根本的な価値や目的を見直し明確化するためにコアバリューの再定義を行い、『ひかりクラウド スマートスタディ』の魅力を明確に伝えられるようなサービスサイトのUI刷新を始めました。これまでは販売を伸ばそうとするあまり、市況に合わせてユーザーの要望に五月雨に応えて改善を繰り返している状態でした。しかし、これでは八方美人になってしまいプロダクトの価値が最大限に発揮されない。そこでまずはプロダクトの価値を最大限に発揮できるメインターゲットを策定する作業を開始しました。メインターゲットを策定することは、プロダクトの価値が伝わりやすくなるだけではなく、どの機能を優先的に改善していくべきなのか?どう改善していくべきなのか?チームとしてスムーズに意思決定ができる状態を作りあげることができるからです。これによりプロダクト開発の方向性を明確に定めることができました。
またサービスサイトのUI刷新と同時に企画されていたプロモーション施策の実施も、「プロダクトの価値を高めてからでないと、プロモーションをしても効果が薄い。今はやるタイミングではない」というグッドパッチ側の踏み込んだ提案を飲んでいただき中止が決定するほど、サービスサイトのUI刷新と同時に行ったコアバリューの再定義は大きな転換点となりました。
「結果として、当初予定していたプロモーション施策の実施は見送り、その予算を使って、マーケティング戦略の立案と、サービスの申し込みフロー自動化の体験向上を行うことにしました。方針の変更に従って、グッドパッチさんに新たなロールの方を追加でアサインいただきました。これが当初の予定よりも踏み込んだ領域まで支援いただくきっかけになったと思います」(NTT東日本 ビジネス開発本部 CXビジネス部 小林さん)
年間1,000万円以上のコスト削減に繋がった、申し込みフローの自動化
当初予定していたプロモーション施策の予算を使って、マーケティング戦略の立案と、サービスの申し込みフロー自動化の体験向上を行うことに。そこでグッドパッチはそれまで人力に頼っていた申し込みフローを自動化することを提案。これは単なる効率化だけでなく、ユーザーにとってもスムーズな体験を提供するためでした。
結果としてユーザー体験の向上とコスト削減を両立させることに成功。申し込みのフローを一貫して管理できるようになっただけでなく、電話やメールによるお客さまへの確認業務も全てなくなりました。その結果、申し込み手続きの人件費だけで年間約1,000万円相当を削減する成果に繋がりました。
迅速かつ柔軟にユーザーニーズに対応できる開発体制の構築
ユーザーフィードバックを素早く取り入れ、継続的に改善できる体制を作るために、グッドパッチはNTT東日本様のチームがアジャイル開発を採用できるよう支援しました。
「グッドパッチさんは、スクラムの教科書となる書籍を提案してくれたり、開発を円滑に進めるための調整やサポートといったマネジメント業務を主体的に担ってくれました(NTT東日本 ビジネス開発本部 CXビジネス部 小林様)」と、評価しています。この変更により、長期的な仕様書作成から脱却し、ユーザーニーズに柔軟に対応できるようになったといいます。
また同時に、ユーザーインタビュー、アンケート、プロトタイプ検証などの手法を導入。これにより開発チームが実際のユーザーの声を直接聞き、その反応を見ることができるように。
小林様は「グッドパッチさんが入ってからは、開発の方向性を決めたら、インタビューやアンケートでお客さまの感覚と合っているのかをしっかり確認した上で、ユーザー体験を最大化するためのUIを作って実装に入るという、常にお客さまを最優先で考えた行動ができるようになりました」と語ります。UXを最大化するために、どんなインターフェースが求められているか、必要な機能は何なのかと、これまでとは真逆の進め方である開発手法に切り替わることになりました。
プロダクトのステージや進捗状況に応じ、専門家を適宜アサインすることで総合的な支援を実現
グッドパッチは、プロジェクトの進行に応じて、デザイナー、マーケター、UXライター、スクラムマスターなど、多様な専門家をアサインしました。これにより、UI/UXの改善だけでなく、マーケティング戦略の立案やプロジェクトマネジメントの最適化まで、総合的な支援を行うことができました。
「グッドパッチさん側のチーム編成にしても、プロダクトのステージや進捗状況に応じ、必要な人材を適宜入れ替えながら運営してくれたので、開発も円滑に進みました」(NTT東日本 ビジネス開発本部 CXビジネス部 小林様)
これらの包括的な支援により、NTT東日本の「ひかりクラウド スマートスタディ」は、真にユーザー中心のプロダクト開発へと転換しました。その結果、大幅なコスト削減と効率化を実現しただけでなく、チーム全体のマインドセットも変化し、継続的な改善と成長が可能になりました。さらに、この経験を通じてNTT東日本内でのデザインの重要性に対する理解も深まり、他のプロジェクトへの波及効果も期待されています。
Interview
Credit
Goodpatch Anywhere 生駒