Client
株式会社クラダシ
Expertise
Brand Experience Design
Date

Overview

株式会社クラダシは、フードロス削減と社会貢献を達成するビジネスモデルで急成長中のベンチャーです。2020年10月、Goodpatchは社会課題に取り組む挑戦者たちにデザインの力を届けるべく、企業・団体・NPO法人へデザインの無償支援を行うことを発表。
71社の応募の中から選ばれたのが、社会貢献型ショッピングサイト「KURADASHI」を運営する2014年創業のクラダシでした。

ブランドエクスペリエンス(BX)とストラテジーデザインによって、「クラダシの本質的な価値」を言語化、可視化した3ヶ月間のプロジェクトをご紹介します。

ソーシャルグッドカンパニーでありつづける

世界では今、本来食べられるはずの食料が廃棄される「フードロス」が 大きな社会問題となっています。中でも日本は世界有数のフードロス大国。食料自給率が低く、食料の約6割を輸入に頼っているにも関わらず、その多くを無駄にしていることが現実です。

この背景には、「3分の1ルール」という納品期限・販売期限を設ける独特の商慣習があり、フードロスが発生しやすい社会構造となってしまっています。
※3分の1ルール:商品を製造してから賞味期限までの期間を3分割し、最初の3分の1が過ぎると納品できなくなってしまう商慣習。

今、世界では1日に20万人ずつ人口が増加しており、2030年には86億人に達すると予想されています。人口が増え続け、フードロスがなくならないと、世界はどうなってしまうでしょうか。世界中で食料を奪い合う時代を迎えないために、貴重な食資源を無駄にしてはならないのです。

クラダシは「日本で最もフードロスを削減する会社」をビジョンに掲げ、社会貢献型ショッピングサイト「KURADASHI」を運営しています。

社会課題の解決に持続可能な事業として取り組む

社会課題という壮大なテーマの解決を目指す活動は、ときに営利と結びつかないこともあり、投資余力が限られる現状があります。Goodpatchは、そんな挑戦者の支援をしたいという想いから2020年より無償でのデザイン支援を開始しました。

社会課題に取り組む挑戦者たちにデザインの力を。SDGs促進を志す企業・団体・NPO法人へグッドパッチがデザインを無償支援

この発表を受けて応募をいただいた企業、団体、NPO法人は71社。
その中からクラダシが選ばれた理由の一つが、事業を持続可能なものとして成り立たせようとしている点でした。

社会課題を本気で変えていくためには、熱量と、ビジョンを長い目線で実現していくための企業としての体力が求められます。社会性と環境性に加え、経済性の観点で活動をしているクラダシにデザインの力を届けることで、持続可能な社会を実現する一歩を踏み出す。そんな想いから、クラダシとGoodpatchのプロジェクトは始まりました。

選考の時にクラダシの取締役 河村さんと人事・事業開発部 部長 徳山さんが「ノーベル平和賞を取りたい」と言ったんです。半ば冗談で言ってるのかなと思いましたが、どうやら本気で言っている。しかも自分たちの名誉のために取りたいのではなく、ノーベル平和賞を取れば、ビジネスという枠の中で社会課題を解決していくことが可能なんだというエビデンスになれるはずだと、真剣に訴えていて。これには衝撃を受けました。

ー Goodpatch デザインストラテジスト 長友

引用:「社会の共感をデザインする」フードロス削減を目指すクラダシとグッドパッチが語るデザインの力とSDGs

価値の言語化

Goodpatchがお手伝いしたのは、クラダシの価値の言語化です。

・順調にビジネスが大きくなっているからこそ、クラダシが提供しうる価値を今のうちに社内にも社外にも言語化しておきたい。

・社会全体に対しての提供価値は定まっているが、お客様やサプライヤーそれぞれに対してどのような価値を提供していくのか考えたい。

・ユーザーが感じる“お得感”は、間違いではないが本質でもない。お得さ以外の価値を言語化したい。

こうした想いをインタビューやワークショップで引き出し、社員の皆さんと一緒に価値を探索していきました。

社会課題の解決をビジネスとして行う意義を可視化した 「成長サイクル」

クラダシ社員やユーザー、サプライヤーの方々にもインタビューを重ねる中で生まれたのが、クラダシの成長サイクルです。

一般的にはグロースサイクルと呼ばれ、クラダシに関わるステークホルダー一人ひとりの仕事が、社会課題の解決を促進する循環にどう貢献するのかを可視化したり、成長のボトルネック/レバレッジすべき点を明らかにできる効果があります。事業において新規施策を検討する際の判断材料にもなるものです。

本来廃棄されるはずだった商品をメーカーから引き取り、消費者へ販売。フードバンクへ寄付をするなど、最後のひとつまで誰かの手に届ける。この流通によって生み出された資金が、様々な社会課題の解決に取り組む社会貢献活動団体に寄付される。

クラダシの成長サイクルを作っていく中で、線形ではなく、循環モデルであるべきと分かりました。

まさに「私の頭の中をそのまま図式化してくれた!」という思いでした。社会課題の解決をビジネスとして行う意義が整理されたと思います。

ー クラダシ代表取締役社長 関藤さん

ブランドディスカバリーブック

社内外のリサーチとありたい姿の発散、収束を繰り返し、最終的にGoodpatchはクラダシのブランドディスカバリーブックを作成しました。
ブランドディスカバリーブックは、クラダシで働く社員や新たな仲間が自社の存在意義を理解し、自分の言葉で語り、日々の業務で迷いが生まれたときに立ち返るための資料です。

自社の話に留まらず、消費行動のトレンドや体験価値の変化を踏まえて、クラダシがどんな価値を届けていくのかをひとつのストーリーとしてまとめました。
現在、ブランドディスカバリーブックは新入社員の入社時オンボーディングや、学校での講演でも使われているそうです。

フードロス削減アイデア創出ワークショップを専修大学で開催

デザインは社会課題の解決を推進できるのか?

今回のプロジェクトを通して、デザインの力の有用性をクラダシ代表の関藤さんは次のように語ってくれています。

まず何より、思いを形にできることです。ブランドブックもそうですし、先ほどの循環モデルの図式もですが、自分たちの頭の中にあるぼんやりとしたイメージを目に見える形で具現化する力は本当に凄かったですね。
そうやってぼんやりしたものを形にすることで、結果的に事業スピードが上がるはずです。シンプルに整備され、削ぎ落とされたものの持つ力はとても強いので、クラダシのサービスをそのレベルにまで言語化していただけたことはとても大きなことでした。

引用:「社会の共感をデザインする」フードロス削減を目指すクラダシとグッドパッチが語るデザインの力とSDGs

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