DESIGN×LOCAL!山口県山口市にて地方創生実現に向けたデザイン思考ワークショップを開催しました

「デザイン経営」宣言から1年が経ち、その取り組みは全国各地へ広がっています。その取り組みの一つとして、今回は、中国経済産業局が主催となり山口県山口市にて2019年8月24日に開催した「地方創生実現に向けたデザイン思考ワークショップ」の様子をご紹介します。

地方創生の加速を目指す

開催の挨拶:主催中国経済産業局 井上さん

中国経済産業局はオープンイノベーションを促進することで、地方創生の取り組みの加速化を目指しており、今回のワークショップを通じて地方創生の実現に向けた新産業創出におけるデザイン思考の有用性を普及・啓発し、山口地域での地方創生の取り組みの加速化を目指し、市民のみなさんから30名の参加者を募りました。

当日参加してくださった方々は中国地方各地から、高校生から熟年経営者まで多岐にわたり、デザインへの期待と地方創生への関心を感じました。

  • 地域で事業成長を目指す経営者
  • 新規事業開発担当者やマーケティング担当者
  • 未来を担う学生や若手社会人

ワークショップを開催した山口情報芸術センター(YCAM)

また、今回共催として山口県、山口市、山口情報芸術センター、株式会社firm、株式会社YMFG ZONEプラニングの様々な方々にご協力いただき、今回のワークショップが実現しました。

参加者の共通認識をつくる、デザイン概論

柿迫航
株式会社グッドパッチ Design Div.デザイナー
東京都出身。 Web制作会社のデザイナーとしてキャリアをスタートさせ、その後事業会社にてインハウスデザイナーに従事。 その後、株式会社CRAZYにてアートディレクターとして様々なコンセプトの空間デザインへと幅を広げる。2017年5月に株式会社グッドパッチに入社し、自らデザイナーとして働く傍、マネージャーとして組織デザインにも挑戦。デザイナーとしての枠を決めず、より本質的な課題解決を志し、現在では地域課題解決のためのデザインを行っている。

「今日の目的はデザインを知ることです。できなくて大丈夫。」と話すのは、地方創生をライフワークにする四国へ移住しながらGoodpatchでリモートワークを行うデザイナー柿迫。地方創生において、デザイン思考がなぜ有効なのか。どのようなことがデザインであるのか。地方創生実現に向けたデザインとは何か。Goodpatchや海外の事例を元に、多岐にわたる参加者のデザインへの共有理解を図りながら進んでいきます。

デザインプロセス体感ワークショップ

デザインに対して参加者全員が共通認識を持ったあとは、チームビルディングを兼ねた昼食会をとり、いよいよデザインプロセスを体感するためのワークショップへ移っていきます。デザインプロセスワークショップとは、Goodpatchが知見に基づいて培ってきた、優れたプロダクトを生むための過程を体験できるワークショップです。Goodpatchのデザインプロセスは、5段階で構成されています。段階を追って順番に進めるのではなく、各フェーズを行き来しながらデザインを進める点が特徴です。各フェーズを行き来し、作って壊してを繰り返すことで、よりユーザー視点に立った愛されるプロダクトを生むことができます。

偉大なチームをつくる、チームビルディング

Goodpatchでは「偉大なプロダクトは偉大なチームから生まれる」という言葉を大切にしています。プロダクトのクオリティはコミュニケーション流量に比例するため、どんなプロジェクトもまずはチームビルディングから始めるのがGoodpatch流です。チームビルディングのワークのあとは、ワークショップを1日共にする仲間にチーム名をつけます。

課題を引き出すユーザーヒアリング

今回のお題は「山口初訪問のペルソナが1日困らず楽しめる体験をデザインせよ」。
Goodpatchが作成したペルソナシートをもとに、ユーザーの本質的な課題をヒアリングしました。今ペルソナは社会人の女性。各グループで、こんな課題があるのでは?本音を探る質問をしていきます。ユーザーへの立場に立って物事を考える練習として徹底的に対話をします。

課題を分析しインサイトを特定する

参考:カスタマージャーニーマップ

次にペルソナから聴きだした内容(行動・感情・思考・不満)を元にカスタマージャーニーマップを作成します。「この機能を使っているとき、何を考えているか」「体験を通して、どこが一番テンションが上がったか」「不満と感じたポイントはどこか」などの感情・思考・不満(課題)の変化をマップにまとめていきます。(そ)れぞれのフェーズでのユーザーの感情の動きや、それに対する課題点、解決策を俯瞰的にまとめることができます。

インサイトからアイデア・コンセプトを創出する

次に、ユーザーの課題と理想の状態のギャップを埋めるためのアイデアを生み出します。アイデア創出には、今後個人でも取り組みやすい「クレイジー8」という手法を用いて取り組みました。複数アイデアが出た後に、各チームで議論し合い、取り組む課題と提供したい価値を整理しました。

理想の体験を可視化するユーザーストーリー

コンセプトをもとに、サービスの利用前、利用中、利用後のシーンを絵にしていきます。ユーザーがどのような流れでアイデアを使用するのか。ユーザーの理想の体験を可視化していきます。

フィードバックから磨き上げるユーザビリティテスト

プロトタイピングをしてからユーザーテストをすることもありますが、今回はアイディアとストーリーの段階で、ユーザビリティテストを行いました。ペルソナ役にアイディアとストーリーを見せ、フィードバックをもらいます。その結果をもとに、最終アイデアを改善します。

チーム一丸となるプレゼンテーション

参加者のみなさんがチーム一丸となって、プレゼンテーションを行いました。思わず体験したくなるような魅力的なストーリー、アイディアがたくさん生まれ、地方においてのデザイン思考の有用性を感じた時間となりました。

地方創生実現に向けて

ワークショップの最後に、中国経済産業局の齋藤さん、山口市石川さん、共催者の森下さんより今後に繋がるお言葉をいただき、4時間にわたるワークショップが締めくくられました!

中国経済産業局の齋藤さんより
「みなさんは今、それぞれの組織の中で生活していらっしゃると思います。それぞれの場所で今日学んだデザイン思考をぜひ取り入れてほしいです。そして今日学んだもう一つ大切なことは、チームの偉大さということです。今日この濃い時間を共にした皆さんと引き続きネットワークを築き、それぞれに生かしていただけたらとても嬉しいです。」

山口市 石川さんより
「Goodpatchさんのお話は以前から伺っていて、今日ワークショップが行われることを楽しみにしていました。実際にみなさんのコミュニケーションや課題に対する取り組みのレベルが高いものだと感じました。山口市は地方創生のためにクリエイティブ人材の育成にも積極的に取り組んでいます。私も今回学んだことを仕事に生かしていきたいと思います。」

共催者 株式会社firm 森下さんより
「私は地方が衰退していく中で、地方の復活する糸口はデザインにあるのではないかと賭けているところがあります。デザインによって成長を諦めないということで日々山口で活動していますが、地方ということを言い訳にせず一緒に地方からイノベーションをデザインの力で起こしていきましょう。」

こうした様々な立場からの熱い思いによって開催された地方創生実現に向けたデザイン思考ワークショップは幕を閉じました。

参加されたみなさんの声

「「デザイン」のあり方について理解することができた。自分の仕事にも活かせると思った。」

「前半・後半ともに、短い時間の中で「達成感」と「もっとできたはず(惜しい気持ち)」という感覚が混ざるほど、充実したワークとなりました。」

「チームで取り組むことで、視点やアイデアの量がたくさん出るのがよかった。」

「全体を通じて大満足でした。普段接しない人と密に話す事の大切さ、他人のアイデアの大切さを
再認識出来ました。ありがとうございました。」

「私はまだ高校3年生で、デザイナーやプランナーとしての仕事を知らないので、初めはとても緊張していました。アイデアを出すのに制限時間があるのはとても良い方法だと思いました。たった1日でプレゼンまでできるのは驚きでした!」

「今回のWSで学んだプロセス(デザイン思考)は、様々なシチュエーションでも置き換えて使うことができると実感しました。」

「とても勉強になりました。色々な組織の中で、この考え方、手法が広まれば地域がより良いものになると感じました。」

今回、地方創生に取り組まれる皆さんに、デザインの視点を取り入れていただいたことで近い未来に、山口市からイノベーションが輩出されることを、楽しみにしています。

ABOUTこの記事をかいた人

haco

コミュニケーションデザイナー。千葉大学大学院工学研究科高度デザイン教育プログラム、デザインマネジメント博士前期課程修了。学生時代にはデザイナーを目指し6年間かけてUI/UXデザインを学ぶも卒業後は、ベンチャー・スタートアップ企業にて新規事業開発・事業推進を担当。Goodpatchには広報として入社しコミュニケーション全般、コーポレートブランディングなど担当している。
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