「UXデザイナーはファシリテーターに」チームのパフォーマンスを加速させるコラボレーションとは

※この記事は2017年12月14日に開かれたUX BridgeにてProttチームのUIデザイナーである内田、UXデザイナーのMariamが登壇した際の発表に基づいた記事です

「グループ」と「チーム」の違いをご存じでしょうか?

「グループ」とは単に人が集まった状態ですが、「チーム」とは目的達成のため集団を指すことが多いです。

複数人で事を成す場合は、ただのグループではなく目的達成のために一人ひとりが価値を発揮し全体として大きな成果を生み出すチームであること、つまりコラボレーションしている状態が望まれます。

開発チームのように、デザイナーやエンジニア、PMなど違った専門領域を持っているチームであれば、なおさらコラボレーションすることが大切です。チームの目的として、優れたプロダクトを作ることが掲げられているため、それぞれの強みを活かしあって価値を作り出すことが求められているからです。

では、どうしたらチームのコラボレーションを促進できるのでしょうか?今回は、Prott開発チーム内で起きていた問題とチームコラボレーションのための施策についてお伝えします!

キックオフ時に開発チームが決めたこと

Prott開発チームは全部で16名。プロダクトマネージャー、UXデザイナー、UIデザイナー、iOS/Androidエンジニア、フロントエンド/バックエンドエンジニアといった役割を持つメンバーが開発に取り組んでいます。

その中でも今回は、モバイル開発メンバーにおける話です。

2017年12月時点

開発を始めるにあたって、多様性のあるメンバーの中でまとまりを作り出すべく、いくつか決め事をしたそうです。ここでは特徴的な3点をご紹介します。

1.開発スタイル

アジャイル型開発を取り入れました。2週間を1スプリントとし、スプリントが終わるごとにデモを行なってスプリントを繰り返すことでプロダクトをブラッシュアップさせる手法です。ウォーターフォール開発とは違い、状況によって柔軟に対応できる手法として知られています。

2.タスク・責任範囲の明確化

UXデザイナーとUIデザイナーは似ている部分もあり、仕事がバッティングしないようにそれぞれの領域を決めました。

UXデザイナーであればユーザーリサーチ・ユーザーインタビュー・カスタマージャーニーマップなど、UIデザイナーはワイヤーフレーム・プロトタイピングなどです。

3.コミュニケーションの取り方

お互い専門領域がありつつも共通する部分もありました。そこで、随時コミュニケーションを取りながら開発を進めたそうです。

Prottチームの前に立ちはだかった壁

開発スタイルや責任範囲、コミュニケーションの取り方を決めて開発を始めましたが、しばらくするとある問題が起きました。2週間ごとのスプリント内で、「UXデザイン」→「UIデザイン」→「実装」と開発が進むウォーターフォール型のような工程になっていたことです。

言語の違いやコミュニケーションの取り方から、メンバー同士の連携がうまく取れておらず、各メンバーが違った完成イメージを持っていたことが問題の原因だったそうです。この状況に対して、チーム一丸となってプロセスの改善施策を打ちました。

開発チームを巻き込んだプロセスの改善

施策①:コミュニケーションの見直し

まず行なったことは、コミュニケーションの取り方を変えることでした。フィジカルボードと付箋を用いて、チームメンバーが現状何をやっているかを共有しました。それにより、全員からタスクが見える形になったので進捗していない部分や困っているところをチーム全体で考えられ、メンバー同士で助け合えるようになったそうです。

同時にホワイトボードを用いることで、開発中のプロダクトにおける課題は何かを書き出し、共有しながら考える仕組みへと変えました。ホワイトボードの前で話す時間ができたことで、メンバー内に発生していた認識のズレが大幅に無くなりました。

施策②:メンバー全員でユーザーテストに参加

コラボレーションがうまくいっていなかったことで起きていた問題として、メンバーによってユーザーへの共感度やイメージがばらついているという問題もありました。UXデザイナーはユーザーから直接ヒアリングを行っていましたが、そうではない人メンバーは深いレベルでのユーザーとの共感ポイントを見つけられずにいました。

そこで、UXデザイナー以外の開発メンバーもユーザーテストへ参加することにしたそうです。ただ同行するだけでなく、役割を持ってユーザーテストに参加することを条件にしました。主体的にユーザーとの共感ポイントを見つけ出し、自らの疑問を直接聞き出せるようにするためです。

この施策により、開発メンバー全員が改めてプロダクトの価値やユーザーを認識し、プロダクトに対するオーナーシップの高まりを生み出しました。

施策③:メンバー全員でワイヤーフレームを描く時間を取る

UX・UIデザイナーでワイヤーフレームを描いてエンジニアに渡したとしても、後から「実装できない」と伝えられることで、やり取りが発生し結果的に進みが遅くなってしまうという問題もありました。そこで、エンジニアもPMも含め全員でワイヤーフレームを描く時間を作り出し、一緒に取り組むことに。

皆でワイヤーフレームに向き合うことで意思決定が早くなり、言葉だけでは伝わりにくい部分も即座に共有できます。ミスコミュニケーションが減り、結果的に開発スピードを上げることにつながりました。

改善施策の結果

こういった取り組みから、開発チームが得られたことは以下です。

  • 意思決定が早まる
  • メンバー間の認識の齟齬が埋まる
  • 一人ひとりが自分の意見を言えるようになる
  • 楽しく出来た!

これまではウォーターフォールに似た開発プロセスでしたが、プロセスの改善によってメンバー全員でUXについて考え、意見を伝えられるように変化しました。

また、UXデザイナーとUIデザイナーの担当領域にも変化が起き、それぞれの職種としての役割分担はありつつも一緒に取り組む時間が増えました。

今回の改善プロセスを経て開発チームが気付いたのは、UXデザイナーがファシリテーターとなってチームの方向性を導けるということ。

意見を伝えやすい環境を作ることで、お互いの考えや知見が掛け合わさったチームコラボレーションへとつながります。プロダクトのUXだけでなくチームのUXも考えることも、これからのUXデザイナーに求められていることなのかもしれません。

さいごに

Goodpatchには「偉大なプロダクトは偉大なチームから生まれる」という言葉があります。メンバー同士が近づき合い、コラボレーションを巻き起こしている状態を生み出すことで、結果的にプロダクトの品質も向上することでしょう。オフラインでの取り組みやユーザーテストへの参加など、あらゆる手段を用いて偉大なチームを作っていくことが大事だと思いました。

皆さんのチームはうまくコラボレーションできていますか?この期に、一度振り返ってみてはいかがでしょうか!

ABOUTこの記事をかいた人

磯部 俊哉

94年 千葉県生まれ。学生時代は東南アジア×働くに興味を持って活動していました。現在グッドパッチでは、マーケティング部署に所属しながら自社プロダクト『Prott』『Balto』に関するインタビュー記事やイベントレポートを中心に発信しています!好きな食べ物は高野豆腐です。
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