スタートアップのデザイン支援がスタート!デザインプロセスを紹介します Part4
こんにちは!GoodpatchでUXデザイナーをしているかつきです。
今回は、Flicfitさんとの共同プロジェクト、デザインプロセス公開記事Part4です。この連載もついに今回が最終回です。これまでに公開した記事はこちらをご覧ください。
前回の記事では、ユーザーの行動や課題を深掘った過程や、アイディエーション、そして1stストーリーボードが完成するまでのプロセスを紹介しました。本記事では、1stストーリーボードからユーザーテストを経てアウトプットをブラッシュアップしていくプロセスとブランドデザイン、最終報告会までを紹介したいと思います。
目次
小説形式のストーリーとUIを用いてのプロトタイピング
前回の記事の終盤で、1stプロトタイプを作成した過程について少し触れました。そのプロトタイプを用いて行った具体的なテスト工程をご紹介します。
UIのテストを行う際は、該当するUIを触ってもらう→UIに対応してインタビューをするという流れが一般的ですが、今回はリアル店舗の体験がメインのため、それではコア体験を検証できないという課題にぶつかりました…!その課題に対して、当初はインタビュアーが状況を説明してからUIを触ってもらおうと思いましたが、インタビューでの質問がインタビュアーによって偏ってしまいそうという懸念から、別のテスト方法を探すことにしました。結果たどり着いたのが、小説形式のストーリーとUIの2つを用いてコンセプトを評価する方法です。
- インタビューから、ユーザーの価値観テーブルを埋めることでターゲットかどうかを判断
- ストーリーの共感する部分には赤ペンで下線、共感しない部分には青ペンで下線を引いてもらい、該当部分に関して重点的にインタビュー
- ストーリー内に登場するUIプロタイプを触ってもらい、インタビュー
- 2.3を繰り返す
このようなステップで、ユーザーに共感される部分 を導き出すと共に、UIで価値が伝わるかを検証していきました。これを何名も何名も繰り返し、価値をブラッシュアップしていくのが今回のユーザビリティテストでした。ストーリーを印刷した紙、ペン、プロトタイプがあれば検証出来るので、抽象度の高いコンセプトなどの検証にはおすすめの手法です!
Flicfitさんだけでもテストが回せる再現性を担保
このユーザビリティテストの裏目的として、「GoodpatchとFlicfitの共同プロジェクトが終わってもFlicfitさんの方でテストを回せるよう、再現性を担保すること」を心がけました。プロジェクトの期間が限られていたことや、テストの回数を手分けして多くこなすことでユーザーの声をなるべく吸い上げたかったため、該当する価値観に丸をつけてもらい、インタビューをする「価値観テーブル」を用いた方法を実践しました。小説形式のストーリーは、下線を引いてもらった文章をインタビューで深掘りました。UIに関しても、検証したい内容をドキュメント化して常時共有することで、私達がいなくてもテストが可能なフォーマットになるよう、できるだけプロセスを簡易化しました。
結果として、約2週間で全19名の方にテストを行い、プロトタイプのアップデートも5回行うことができました!そして、その19名のうち半分はFlicfitさんのみで行ったものです。再現性を担保したテスト設計をすることで、ユーザーテストの方法の伝授が出来たことは大きな成果だと思っています。
ワークショップを通してブランドをデザイン
ストーリーとUIでの価値検証と同時に、新しい店舗のブランドも平行して決めていきました。プロジェクトルームに缶詰になり、ワークショップ形式でブランドのキーワードを発散したり、イメージボードを作成したりしていきました。そこから議論を重ね、店舗の持つイメージを人格で表してアウトプットしました(ブランドパーソナリティと呼んでいます)。
さらに、店舗の持つイメージを集めたムードボードとロゴを作成し、こちらの2点も最終アウトプットとして含めています。ブランドが固まることで、検証したUIにビジュアルデザインを当てる際の足がかりとなったので、良いワークになったと思います。まだ公開できませんが、ロゴも何十案も出してやっと決定して、とても熱い議論となりました!
最終報告会で、3ヶ月の成果をプレゼンテーション
4月〜7月駆け抜けてきた最終成果物は、以下です。
- サービスコンセプト
- カスタマージャーニーマップ
- ストーリーボード
- UIプロトタイプ
- サイトマップ
- ブランドパーソナリティ
- ムードボード
- ロゴ
報告会当日は、プロセスを振り返りつつ、プレゼンテーションを行いました。なかでも特にこだわった点は、ストーリーボードです。検証したストーリーを元にイラストを描き、誰が見てもFlicfitのストーリーを擬似的に体験出来るものとしてアウトプットしました。このストーリーボードはFlicfitさんにも特に喜んでいただけたアウトプットの一つでした。
おわりに
3ヶ月共に走らせていただいたFlicfitの皆様、Part4まで記事を読んで頂いた皆様、サービス開発に協力していただいているユーザーの皆様、ありがとうございました!Flicfitが今後より良いサービスになることを心から願っています!
Goodpatchでは今回ご紹介したようなUI/UXデザインを強みとしたスタートアップ支援を行なっています。ご興味のある方はぜひこちらからお問い合わせください。
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