Goodpatch closed its Berlin office. We will continue to help businesses through Tokyo HQ.

Client
株式会社秋川牧園
Expertise
Brand Experience Design
Date

Overview

持続可能で真に豊かな社会のため、“FARM 農ある暮らし”をビジョンに掲げる株式会社秋川牧園は、1932年より続く安心安全な食べ物づくりのパイオニアです。鶏肉、卵、牛乳、野菜などの生産と加工などの生産卸売事業から、消費者へ生産物を販売する直販事業などを展開しています。

Goodpatchは、秋川牧園の未来の店舗体験におけるコンセプト設計に並走。
エグゼクティブインタビューからユーザーインタビュー、アイディエーション、ユーザー視点でのアイディア収束、コンセプト設計、ペルソナ策定をはじめ、店舗ロゴや店舗イメージ、販促グッズといったアウターブランディングも提案させていただきました。
新規事業立ち上げでのデザインプロセスを活用し、店舗のコンセプト設計という新しい試みが実現するまでをご紹介します。

地方創生のためのデザイン支援

秋川牧園は山口県にある企業です。広島県や福岡県など、観光地として有名な県のあいだにある山口県は、実は日本の総理大臣を多く輩出しており、これまでの時代を作ってきた県でもあります。

そんな山口県をより活性化させていくため、現在は中国経済産業局がオープンイノベーションを促進することで、地方創生の取り組みの加速化を目指しています。本プロジェクトは、そんな中国経済産業局主催のデザインプロセスワークショップの取り組みをきっかけにはじまりました。

関連記事:DESIGN×LOCAL!山口県山口市にて地方創生実現に向けたデザイン思考ワークショップを開催しました

思想を味わう

今回のプロジェクトが始まってから、まずGoodpatchメンバーは、野菜や加工食品を実際に注文して味わうことで、ユーザーとして秋川牧園の思想に向き合いました。

キックオフで山口県を訪れた際には、秋川牧園の食品加工工場や、販売店舗などの生産の現場にも足を運んでいます。さらに、秋川社長へのエグゼクティブインタビューを通して創業からの歴史や、未来の店舗体験についてのビジョンを伺うことからプロジェクトがスタートしました。

また、この日のために、秋川社長は店舗のビジョンを「私がたまらないお店」という形でまとめてくださいました。そのお店にはどんなものが売られているのか、どんな内装でなにが置かれているのか。秋川社長の構想をGoodpatchメンバーと共有していきました。

エグゼクティブインタビューのほか、実施したのがユーザーインタビューとペルソナ策定です。これまで、秋川牧園では座談会形式でユーザーと対話することはあったものの、ユーザーインタビュー形式で深掘りした調査はしたことがなかったそうです。
Goodpatchがデザインパートナーとして目指すのは、自走できる組織を増やすこと。そこで、ユーザーインタビューやペルソナ策定においても、これから秋川牧園の皆さんだけでも実施できるように、プロセスを選んだ理由を一つひとつお伝えしていくことを重視しました。そのため、ワークショップ形式でプロジェクトを進めることが多かったことも特徴です。

店舗の価値を決める際には、オリジナルのアイディエーションカードを使ったり、プロジェクトに関わるメンバーそれぞれがペルソナに寄り添えるように、「この人に最近あったいいこと」「土日にしていること」などを考えるワークショップも開催。チーム全員で認識を揃えていきました。

離れていてもチームになるために

山口県にある秋川牧園と、東京都にあるGoodpatchには物理的な距離がありました。
キックオフを対面で実施したあとは、原則リモートという制限があったため、チームではコミュニケーションルールを作りました。

一緒に決める、一緒にワークする

意思決定が必要なときは、持ち帰らずにミーティングの場で一緒に決めることをルールとし、チームで同じツールを使うなど、常に同じものを見て話せる環境づくりにこだわりました。

コミュニケーションを密にする

リモートだからこそ、こだわったのはチームのコミュニケーション量です。キックオフでお互いのことを知ったあと、ルールを決めたことで共通認識が生まれ、密にやりとりしながらプロジェクトを進めることができました。

そうして生まれた店舗のコンセプトが、「農ある暮らしのこしらえや」です。

「こしらえる」という、古くからある日本語で丁寧な手仕事をイメージさせつつも、古典的すぎないニュートラルな印象になるようにデザインしています。

当初は英語を使ったアイデアも出ていましたが、秋川牧園がこれまで大切にしてきた「農ある暮らし」を伝わりやすく、そして知ってもらえるきっかけにするためのお店にするべく、このロゴが誕生したのです。

店舗コンセプトをより理解してもらえるよう、Goodpatchメンバーが用意したのはムードボード、店舗のスケッチ、ショップカードやエプロンなどの店舗グッズです。

実際の店舗のコンセプトと体験設計という新たな領域のデザインにおいても、私たちが大切にしたのはユーザー視点をクライアントにインストールすることと、デザインパートナーとして同じ熱量でコミットし並走するスタンスでした。秋川牧園のこれからを描いたこのプロジェクトは、Goodpatchにとっても新しい可能性をもたらしてくれました。

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