NewYorker紙 Jonathan Iveの記事から学んだこと
最近のSir Jonathan Iveについてのニューヨーカー紙の記事は、とても興味深いですが、とても長いので自社を含めて多くの人は全て読めていないと思います。この記事は深い洞察とトリビアがあってとても気に入ったので、まだ読んでない人に向けて要約しました。ぜひ読んでみてください。
Image credit: Marcus Dawes under a CC BY-SA 3.0 licence
――まず初めに個人的に気に入っている引用のひとつを紹介します:
I asked Jeff Williams, the senior vice-president, if the Apple Watch seemed more purely Ive’s than previous company products. After a silence of twenty-five seconds, during which Apple made fifty thousand dollars in profit, he said, “Yes.”
「私は、senior vice-presidentのひとりのJeff Williamsに”Apple Watchは会社の作品というよりも、純粋にIveの作品なのか”と尋ねた。25秒の沈黙の後(この間にもAppleは5万ドルを稼いでいる)、彼はYesと言った。」
About Jony Ive
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- IveのオフィスにはBanksyのposterがある。
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- IveはJJ Abramsと夕食を共にし、new Star Wars lightsabersを提案した。
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- Iveは車に夢中である。(トヨタを嫌っている)
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- Iveは運転手を連れて黒のBentleyで通勤している。
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- IveとMarc NewsonはJaeger-LeCoultre watchをAIDSのチャリティーオークションのREDでデザインを一新した。また、 Leica with round edgesもボランティアでデザインを一新している。
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- IveはWalter Isaacsonの書いたSteve Jobs Biographyという本が嫌いだった。
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- Iveは一度も大きな声を出したり攻撃的になったことはなく、いつも紳士的で親切であった。しかしたまに心の奥で強いフラストレーションを抱えていた。
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- IveはおそらくMotorola社の製品であるMotoMakerのファンではないだろう。
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- Iveは多くの有名人と友達である。
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- Iveは映像作品を作ることに馴染みがあったので、Apple Watchのプロモーションビデオを作るときにストーリーボードを自分で書いた。
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- Iveはロンドンに拠点を置くデザインエージェンシーのTangerineのパートナーであったが、彼は毎回の新しいプロジェクト、そして他社の製品をデザインするという限られたインパクトを与えるようなエージェンシー的な働き方が好きではなかった。
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- JobsがAppleにスキューモーフィズムを持ち込んだがIveは一度もそれを好きになったことはなかった。(Appleのデスクトップカレンダーのレザー柄はJobsのプライベートジェットのインテリアから取ってきた)
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- Iveは(驚くことではないが)、とても小さなことにも固執していた。特に、角/角丸にはうるさかった。(Iveのバスルームにはそれらがあり、新しい本社の壁にもそれがある)よって学校ではTinyというニックネームで呼ばれていた。
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- 学校ではTinyというニックネームで呼ばれていた。
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- Foster + Partnersという建設会社がAppleの新しい本社だけでなく、Iveのプライベートの家も設計した。
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- Iveは新しい本社を一緒にデザインした。
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- Iveは三菱製のエレベーターのコントロールパネルをシンプルにするために激しく口論したことがある。
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- IveはiPadをiPhoneより前にリリースしたかった。
- IveはJobsが亡くなったあと、JobsのGulfstream GVをPowell Jobsから買った。
About Apple Watch
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- Apple Watchはまだ改善段階であり、今後も進化を必要としている。
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- Apple Watchは普段黒い画面のままだが、Apple Watchを付けている腕が上がると液晶が自動で映るようにデザインされている。このように映画館などで他の人に迷惑がかからないようにしている。
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- Apple Watchは常に四角形にデザインされていた。
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- Apple WatchはApple Storeのデザインを一新しており、Jony Iveは元BurberryのエグゼクティブのAngela Ahrendtsとともに取り組んでいる。
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- Apple WatchはAppleの今までのプロジェクトと比べて、Jony Iveの色が強く出ている。
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- Apple Watchの”Digital Crown”(時計の竜頭)が人々の期待と違っていたのはデザイン的な理由があった。大事だったのは自然に時計を巻く動作ができるほど十分なスペースを竜頭に持たせることであった。竜頭を巻くことは安心をもたらすが、それは時計を巻く動作とは違った。Iveのゴールは「なんだか奇妙だけど親しみを感じるもの」を実現することであった。
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- Apple Watchが丸くないことにはもちろん理由がある。「丸いだけでは何の意味も持たない」とIveは言った。最終的にNewson’s watchesや1904年に作られたCartier Santosに似たデザインになった。
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- Mark Newsonはikepod watchを1994年に作ったが2003年に破綻してしまった。
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- Apple Watchの価格は、テクノロジー業界からすれば驚くほど高いと感じるだろう。しかし今までの時計業界やジュエリー業界からすれば、市場を破壊するほど安いと感じるだろう。
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- Apple Watchは液晶に新しい技術を使っておりiPhoneのLEDディスプレイよりも濃い黒を再現している。これによりどこからが液晶でどこを指せばいいか明確に知ることができるようになった。
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- Apple Watchチームは、写真の一番良い見せ方を模索し、時計の縁との境界をできるだけなくすように努力した。彼らは光学的なアプローチやブラー等を用いて熱心に試みたが、Apple Watchの縁は角が丸いのに対して写真は四角形のため縁をなくすのは難しく、最終的には写真とボディの境界をなくすことは諦めた。
About Apple
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- IveはGoogle Glassの事を特に気にしていないし、Tim Cookもまた同様の考えである。Google Glassのプロジェクト自体が最初から間違いだと思っていたからだ。“顔” はテクノロジーが存在するのには“間違った場所”であり、“手首”こそが正しい場所だと思っていたのだ。
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- Appleは大きいサイズのiPhone4をつくろうとしたが、かさばると感じた。
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- Tim CookはBeatsのハードウェアデザインは好きではないかもしれないが、Beatsのストリーミングサービスや経営陣に興味をもった。Beatsは買収されたが、これからずっとAppleとは異なるブランドとして存在することになるだろう。
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- 新しい本社には20,000 square feetのカフェテリアができる予定である。
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- Appleは0.1 inchずつサイズの違うiPhoneのプロトタイプを作り、従業員達は全てのサイズを実際に生活しながら試した。
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- Jobsが1997年にAppleに戻ってきた時、Iveのポケットの中には辞表が入っていた。実際にIveが退職する事はなかったが、今までに何度もそうしたいと思っていたようだ。Iveの突然の退職宣言がAppleの株主達を待ち受けていたかもしれないのだ。(Appleの株価が10%下がるという事は71 billionドルの損失を意味する。)
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- Marc NewsonがAppleに入社したが、これはIveの後継者の誕生を意味するのだろうか?
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About Apple’s design team
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- Appleには3人のデザイナー専門のリクルーターがいて、年間でたった一人だけが採用される。
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- 国際色豊かで、名声や地位を手に入れた彼らは、ヨーロッパの有名サッカーチームとどこか似ているかもしれない。そして皆とてもリッチである。デザイナーの1人であるWhangは「新しくできた成田発東京行きの森ビルシティエアサービスは素晴らしい。30分でとても高額だが、それだけの値打ちがある。」というキャプションと共に、白色の立派なエルメスエディションのヘリコプターの写真をオンラインにアップした。(ちなみに片道27万円〜である)
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- 2012年にIveがヒューマンインターフェース(書体、アイコン、スワイプ、タップ、音)を統括する事になった時、まず最初の仕事はiOSを改良する事だった。
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- Iveは、オランダ人のサウンドデザイナーのHugo Verweijと共に着信音をデザインし直した。(旧着信音は少し調子が下がった滑稽さがあったが、新しい着信音はとてもヨーロッパ的でより洗練されたものになった。)
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- Jobsが亡くなった後、2つあったヒューマンインターフェースチームはJony Iveの元で1つのチームに統合された。
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- Appleのデザインスタジオが新しい本社オフィスに引っ越したら、最上階の30,000 square feetのスペースはインダストリアルデザインチームとヒューマンインターフェースチームで占める事になる。
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- iPadのハードウェアデザインが、余分なものを削ぎ落としたシンプルな “1枚のガラス板”になった事によって、中身のソフトウェアのデザインもハードウェアと同じ位に重要、もしくは“もっと重要” になった。このような自然な流れで、Iveもハードウェアだけではなくソフトウェアデザインにも関わるようになった。
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- スタジオの作業台の高さは通常の机よりも少し高いが、Apple Storeのテーブルよりは少し低く作られている。熟考の末にたどり着いたこの高さによって、着席時と来店時の体験両方に配慮する事ができるようになっている。
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- 作業施設にある、プラスチックや金属の加工に使う C.N.C. (Computer-numerical-control)フライス盤という機械が、モデルやプロトタイプの部品を作る際に大きな役目を果たしている。
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- 1枚のアルミニウムから削りだして形成加工をする、MacBookの前代未聞の”ユニボディ”デザインは Appleに衝撃をもたらした。これがAppleの求めていた体験だと明確に悟ったのである。そして1万台のC.N.C.フライス盤を購入したのだ。
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- Appleのデザインスタジオは、とてもハッピーでそして孤立している。まるでリゾートのスパ施設、もしくはスカンジナビアの刑務所のようである。
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- 新しいiPhoneがリリースされる時、アップルデザインチームはすでに、更に新しいバージョンのデザインを手がけている。このため、彼らにとっての新しいiPhoneはすでに古いバージョンであり、あまり興奮する事ではないのだ。
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以上、要点をまとめてみました。
こうして読んでみると、Jonathan Iveは自分の考えを強く持っている人であり、どれほど細かいデザインにこだわっていたか伝わってきます。また、新しいiPhoneを発表する時にはすでにそれを時代遅れのものかのように感じているAppleデザインチームは凄まじいスピードで技術的/デザイン的な挑戦をしているだろうことが伝わってきます。
私たちGoodpatchも、常に時代の最先端に挑戦し、デザインの歴史を作っていきたいと思います。
Special thanks to my dearest colleagues Jun and Napori who helped me write this piece. Love.