新卒採用サイトを1ヶ月でつくってほしい、一人アサインで。

初めてのマネージャーとの1on1でそう告げられたのは、2ヶ月間の新卒研修が終わり、チームに配属されてわずか3日目のことでした。2020年4月にUIデザイナーとして新卒入社したばかりの私が、新卒採用サイトを1人で制作するなんて思ってもみませんでした。

自分の無力を痛感しながらもリリースまでがむしゃらに走り、最後に大きな達成感を味わった20日間をここにつづろうと思います。

やり抜く覚悟

Goodpatchは2014年卒から新卒採用を行っていましたが、実は今まで一度も新卒採用サイトをリリースしたことはありませんでした。つまり新卒採用サイトは、Goodpatch史上初。かつ、将来Goodpatchに入社する就活生とのタッチポイントという重みのあるものでした。

また実は「新卒採用サイト」は、私たち20新卒が入社後の研修で一度取り組んだ課題だったんです。3つのグループに分かれ、9日間で新卒採用サイトを提案するというグループワークでした。ですが結果は会社として求めているクオリティに達していないと土屋に言い渡され、全チームが不採用。私にとって、多種多様な新卒研修の課題の中で最もやりきれない思いで終えてしまった課題でした。

そんな背景もあり、リベンジの機会がこんなに早く回ってくるとは思ってもみませんでした。ですが、この話を聞いた時に私はとてもワクワクしました。できないこと、やったことないことばかりでも、今度こそやり抜く自信だけはある。これはチャンスだ。そう覚悟を決め、キックオフを迎えました。

限られた制作スケジュール

スケジュール

新卒採用サイト制作のために与えられたスケジュールは、20営業日弱。リリースの翌日には大規模な新卒採用イベントへの参加が決まっており、スケジュールは絶対にずらせない状況でした。到底一人きりでリリースまでこぎつけるには無理があります。キックオフと同時にタスクを書き出して、マネージャーと苦笑いしたことが記憶に残っています。

学生の頃までは自分が作りたいWebサイトを作りそのままリリースできましたが、もちろん、今回はそうはいきません。プロのデザイナーとして、土屋やマネージャー・人事マネージャーらのステークホルダーと合意形成しながらリリースまで走らなければなりません。日程を考慮して手戻りを限りなく少なくし、かつクオリティを保つため、まずは最終意思決定者である土屋とコンセプトについて認識を揃える作戦を立て、実行することにしました。

コンセプトを探る思考の軌跡

コンセプトは、全てを決める軸です。Goodpatchと就活生にとって、新卒採用サイトはどんな場所になったら良いのだろうか。そこでまず、Goodpatch人事と就活生それぞれの課題抽出を行いました。

課題抽出

この時私は、Goodpatch社内の新卒採用における課題にどんどん深く潜っていきました。「どうしたら新卒採用サイトがGoodpatchの認知向上に役立つだろう。どんな要素を訴求したら就活生は惹きつけられるだろう。」

ですが、いつの間にか人事の目線に深く潜りすぎて、就活生の目線が抜け落ちていたことに気付きます。Goodpatchの良さを訴求するだけじゃ、ただの押し売りになってしまう。就活生が新卒採用サイトに何を求めて訪れているのかを知り、その情報を分かりやすく届けなければ意味がない

訴求ポイント

そこで、企業の魅力を構成する4つのPを軸に、Goodpatchが訴求したいこと・就活生が知りたいこと、それぞれの情報を集めていきました。4つのPとは、Philosophy(理念・目的)・Profession(仕事・事業)・People(人材・風土)・Privilege(特権・待遇)のことです。「新卒採用サイトが、Goodpatchの訴求と就活生の需要の4Pが重なり合う場所になったら良いのではないか。」と結論づけました。

アンケート結果

私は入社後、「ハートを揺さぶるデザインで世界を前進させる」・「デザインの力を証明する」というビジョンとミッション、揺るがない理念・目的を体現するメンバーに出会いました。理念・目的に強く惹かれ入社するだけでなく、自ら体現するメンバーがGoodpatchには多く存在している。そのため、Goodpatchが訴求する企業の魅力はPhilosophy(理念・目的)に大きく比重を置きました。

次に、就活生はどんな情報を求めて新卒採用サイトに訪れているかをリサーチ。22卒で就職活動中の後輩・Goodpatchで働く新卒メンバーにアンケートを行いました。就職活動中の後輩の9割近くが新卒採用サイトにはProfession(仕事・事業)を求めて訪れているというデータが出て、驚くとともにユーザーの声を聞く重要性を噛み締めました。

Goodpatchの訴求と就活生の需要のデータを元に、コンテンツの順序や比重、Goodpatchという企業と就活生がどのような関係性で新卒採用サイトで接触することが理想か、といった関係性を考えていきました。

気づき、出会った「青の炎」

手書きラフの青の炎

コンセプトのアイデア出しを始めた当初から、「青の炎」という言葉がずっと私の頭の中にありました。「青の炎」というクールかつ情熱的なイメージが、Goodpatchのコアにある何かにあてはまったからです。

青の炎」は一体、Goodpatchの何を表してるんだろう。

このように言語化を進めていた時、かつて同じように「青の炎」がGoodpatchメンバーの人材要件として語られていたことを土屋から聞きました。人事のメンバーが、土屋と新卒の人材要件について話している際、静かな情熱を秘めているさまを「青の炎」に例えて言語化していたのだそうです。それ以来、「青の炎」はGoodpatch社内で非公式に受け継がれてきたモチーフだったことがわかりました。

このSlackは、Goodpatchの歴史と私のイメージが交差した瞬間です。(余談ですが自分の分報チャンネルで思考を整理していたところに土屋が急に現れたので、とても驚きました。)

歴史ある言葉に敬意を払いながら、「青の炎」は内に秘めたメンバーの燃えたぎる意志である、と定義しました。炎は赤やオレンジ色で描かれることが多いモチーフですが、実は炎の温度が高ければ高いほど炎は青く、輝くのです。

先輩方は、クールにさらりと仕事をこなしているかのように私の目に映っていました。でも、入社後にそれは覆ります。先輩方はデザインの力を証明するという難しいミッションに向かって、日々を泥臭く過ごしていた。特別な才能だったり環境だけではなく、メンバー一人一人の意志によってGoodpatchは魅力的な環境に見えていたんだと気づきました。

青の炎

そして将来Goodpatchに入社するメンバーもきっと、燃えたぎるような意志、様々な大きさ・温度・色味の「青の炎」を抱いている。炎のルーツは違っても、きっとGoodpatchというこの場所で「青の炎」はぶつかり合い、高く燃え上がるメンバーと就活生が持っている「青の炎」がぶつかり合って共鳴する場所になってほしい、という願いを込めて、新卒採用サイトのコンセプトを次のように決めました。

Goodpatchと就活生が意気投合する場所

最終意思決定者である土屋にこのコンセプトを提案して、「うん、良いんじゃない」とコメントをいただけた時は本当に嬉しくて、ボイスチャットで通話していた同期に喜びのあまり叫んだことを覚えています。

ファーストビューに込めた、私から就活生への想い

design-to-empower

サイトのファーストビューでは、「Design to empower」という言葉がまず飛び込んできます。ここでは私なりのひとさじの工夫を加えました。ピリオド部分が「青の炎」とハートが組み合わさったモチーフだということにお気づきでしょうか?「ハートを揺さぶるデザインで世界を前進させる」というビジョンにも使用されているように、ハートはGoodpatchにとって特別なモチーフです。コーポレートサイトの「Design to empower」のピリオドや、目論見書の背表紙にもハートがあしらわれています。

新卒採用サイトでは、そのハートと「青の炎」を組み合わせることにより、「これから出会う「青の炎」を抱いたメンバーと、Goodpatchの未来を共に前進させたい。」という想いを込めました。

出会いの場をデザインする責任

Goodpatchとの初めてのタッチポイントが、この新卒採用サイトである人はおそらく多数いるでしょう。このWebサイトを通じた体験が、就活生の未来を変えてしまうかもしれない。そう思うと、中途半端なものをリリースすることだけは死んでも嫌でした。デザインが完成するギリギリまで、リリースできるクオリティに達してないと感じていましたし、このままじゃ「Goodpatch 新卒採用サイト」という名前で世の中に絶対に出せない、そう思っていました。

デザインの試行錯誤

コンセプト策定・実装も大変でした。ですが、最も無力感・悔しさを感じたのが、ワイヤーフレーム・デザイン制作の時間。やり切ると覚悟を決めたのに、私の手から出てくるものは新卒の自分自身から見てもクオリティに満たないものばかりでした。

マネージャーからフィードバックをもらうたびに悔しく、marginが揃っていなかったり、メリハリがなくぼんやりとしたデザインだったり、その通りだなと思うフィードバックばかりで自分の無力さに打ちひしがれました。挫けそうになった時は、大学生の頃からのモットーである「一度やると言ったことは、やり切る。無理ならば素直に伝える。」という言葉を頼りに手を動かし続けました。

程遠い、プロのデザイナー

タスクが書かれている付箋

当たり前のことですが、デザイナーとして社会に出てお金をもらう仕事をする以上、納期には間に合わせなければなりません。とても苦しかったのは、自分が思い描いた当初のデザインを全て表現できたわけではなかったことです。「こんなコンテンツがあったら、もっとGoodpatchの理念を知ってもらえるんじゃないか」「就活生からしたら、もっとこんな写真があればオフィスの雰囲気がわかるんじゃないか」。Goodpatchと就活生が意気投合する場所をつくるために、やりたい表現がもっともっとありました。でも、実力不足でどうしても諦めざるを得なかったんです。

先輩と同期がいて、背中を押してくれた

デザイン系の大学に通っていなかった私にとって、デザインについて意見交換や相談ができる初めての環境がGoodpatchでした。大学生の頃は周りに相談できる先輩があまりいなかったり、自分だけの力で成果を出したい、そんな気持ちで制作を行っていた時期もありました。けれど、このプロジェクトでは「自分だけの力でやりきって、成果を周囲に見せたい」とは全く思いませんでした。

驚きだったフィードバック文化

入社当初、Goodpatchのフィードバック文化は衝撃的でした。DMで突然困っていることや現状をお話ししてフィードバックを依頼すると、忙しい業務の間を縫って、快く30分から1時間の意見交換に付き合ってくれる先輩がたくさんいました。この文化があったから、新卒採用サイト全体のクオリティを押し上げることができたと思います。手を動かす中、おそらく20名以上の先輩方にフィードバックをいただき、LPにおける戦略・体験設計・ビジュアルデザイン・アクセシビリティなど多様な専門性にまつわる知見を吸収することができました。また、初歩的なミスだらけでも、粘り強くフィードバックをくれたマネージャーにもとても感謝しています。

未来のGoodpatchを作るための、素敵なお仕事だと思いました。

こんな言葉を先輩からもらい、プロジェクトを見る際の強い組織貢献意識を学びました。この意識こそ、Goodpatchに根付くフィードバック文化の根源だと思います。

このような先輩方と関わるたび、組織全体が私の背中を押し続けてくれているから、一人だけど独りのプロジェクトじゃない、という気持ちが強くなっていきました。

最後に頼りになったのは同期

オフィスでの作業風景

最後に背中を押してくれたのは、リリース直前にプロジェクトにジョインしてくれた同期のエンジニアでした。

フロントエンドの知識が曖昧なまま、STUDIOでpcの反映から取りかかったのですが、リリース直前になってもsp・tabletは手のつけようがない状況に陥っていました。リリース日に間に合わせるには、絶望的な状況。そんな時にジョインしてくれた同期。

「なんでここのmarginは80pxなの?」「なんでここは中央揃えなの?」と、SketchとSTUDIOを行き来して議論を重ねるうちに、みるみるデザインが美しく整えられていきました。彼がいなければリリースできなかった。リリース後も快くバグ撲滅を手伝ってくれたり、頼りになる相棒でした。

彼のこだわりを頼もしく感じると同時に、尊敬する同期にGoodpatchという場所で出会えたことを非常に感謝しています。

Goodpatchの未来を担うメンバーへ

デザインが好きな仲間に囲まれてデザインがしたい。だけど、そんな会社があるかなんてわからない。

こんな言葉が自分自身の就活ノートにつづられていました。

Goodpatchに出会えて、私は本当に運が良かった。デザインが好きでデザインに情熱を捧ぐメンバーに、たくさん出会えたからです。いつか出会う「青の炎」を抱くメンバーと、Goodpatchという場所で意気投合できる未来をとても楽しみにしています。

2022年新卒採用サイト|Goodpatchグッドパッチ|デザインの力を証明する

新卒採用サイトファーストビュー