2018年5月に経済産業省から発表された「デザイン経営」宣言以来、全国各地でIT人材育成の取り組みが広がっています。

島根県では、県内企業の発展の鍵となる人材の育成を目指し、デザイン思考を活用したビジネス化の基礎を習得などに力を入れています。今回は、Goodpatchが2017年よりお手伝いしているデザインプロセスワークショップの様子についてご紹介します。

実施の背景

島根県では地場企業や学校に対して、IT人材の育成を目的にさまざまな支援を行っています。

  • UI/UX、デザイン思考を活用したビジネス化の基礎を習得
  • 顧客の課題解決、満足度の高いサービス開発を実現できる人材の育成
  • 受講者が習得した手法をソフトウェア開発に活用できるよう実装を行う

グッドパッチでは上記の視点を踏まえた企画講義として、島根県商工労働部産業振興課情報産業振興室のご依頼を受け、2017年以来デザインプロセスワークショップを通算6度実施しています。

関連記事:松江高専生がデザインに挑戦!デザインプロセスワークショップのレポート

その中でも国立松江工業高等専門学校(以下、松江高専)の学生向けには3度実施させていただいており、今回は10月に実施した通算3度目のワークショップの様子をご紹介いたします。(2度目の様子はこちら

デザインプロセスワークショップとは?

数々のプロジェクト実績を経て構築してきたグッドパッチのデザインプロセスを手を動かしながら体験する1dayワークショップです。

今回は松江高専の皆さんに、ユーザーインタビューからカスタマージャーニーマップによる体験の可視化、Prottを用いたプロトタイプ作成までを体験していただきました!

詳しい内容についてはこちらをご覧ください。

デザインを多角的に知るためのデザイン概論

ワークショップ本編に入る前に、学生の皆さんが今回どんなことを実践し、学びたいか書き出していただきました。

自主的に学ぶこと、まずはやってみる姿勢をインプットした上で、デザイン概論では「デザイン」を多角的に学ぶために以下のような内容をお話しさせていただきました。

  • 本来の意味の「デザイン」では装飾などの表層的な部分だけではなく、自分たちが提案したい価値を誰にどのように届けるかが重要である
  • そのためには、どんなユーザーがどのような課題を持っているのかを丁寧にリサーチし、問題を構造的に分解してそれに対する解決策を検討する必要がある

ユーザーへのインタビューと顧客体験の可視化

デザインについての認識を揃えたところで、いよいよユーザーインタビューです。今回のお題は「子育てと仕事に忙しい人のためのアプリ・サービスを考えてください」というもの。インタビュー対象は株式会社パソナテック 島根Lab長 田窪大樹さん にご協力いただき、子育てが大変(特に朝!)な田窪さんの体験から課題を見つけ出し、新しいアプリ/Webサービスの種を生み出すというテーマに学生たちが取り組みました。

皆さん「子育て」という未知の体験について熱心に深堀りながらインタビューを実施。得た情報からユーザーが朝の子育てでどんな体験をしているのか、どんな大変さや喜びがあるのか可視化することに挑戦していただきました。

田窪さんの体験マップ(朝の子育て編)

ユーザーの課題を解決するための仮説立てと検証モックアップの作成

田窪さんという「ユーザー」の「どんな課題」に対して「何を提供」することで「解決する」のかというサービスコンセプトや、ユーザーが体験するストーリーをチームで議論しながら、アイディア(仮説)を形にしていきます。

アイディアが固まったところで、検証するためのモックアップを作成、他者へのテストを通して磨いていきます。

磨いたサービスのプロトタイプをユーザーにプレゼン

インタビューや顧客体験可視化によって導き出されたコンセプトと、ブラッシュアップを重ねたプロトタイプをユーザーである田窪さん本人へプレゼン。

2チームへの講評後、田窪さん本人が考えたアイディアも披露し、学生達と相互に会話を交わしていました。

田窪さんコメント

自分自身の普段の悩みに対して、学生さんに解決策を考えてもらえるということで非常に前のめりに、また楽しく参加をさせていただきました。発想が豊かな学生さんにたくさん刺激をもらえた大変有意義な時間でした!

学生の皆さんからのコメント

  • ユーザーの話を聞くことでグループで考えていたアイデアでは使いにくいことに気づけたし、ユーザーヒアリングを何度も行うことで少しずつ完成に近づいていく感じが楽しかった。
  • 全体的にわかりにくいところがなく、実習多めで楽しくUI/UXについて理解することができた。
  • デザインと聞いてセンスとか画力を思い浮かべてしまっていたけど今日は実際作る時間より構造を考える時間の方が長くてデザインの幅の広さを知れました。

渡部先生コメント

5時間でデザインプロセスを一通り体験するワークショップ。テンポよく話が進んでいくぶん、学生たちには多くの学びがあったと思います。この経験を活かして、ユーザの立場に立ったモノづくりを実践してほしいです。

最後に

松江高専生に実施するワークショップはいつも熱量が高く、こちらも刺激を受けることが多いのですが、今回は子育てという学生達にとっては想像が難しいテーマに対しても、ユーザーへ寄り添ったインタビューや質問を通じ、何とか課題解決したいという松江高専生のひたむきなものづくりの姿勢に感動しました。

ユーザーに寄り添ったより良いサービス・プロダクト作りを行うためのマインドセット、新規事業開発や既存サービスの改善に向けて施策をご検討中の方がいらしたら、ぜひお気軽にご相談ください!

ws_contact_btn03