新年度が始まり、新しい環境に身を置くようになった方も多いのではないでしょうか。

暖かさに背中を押されつつ、頑張りましょう!

今月もグッドパッチで話題になったサービスやトレンドを紹介します!

サービス

朝日新聞社コーポレートサイト ウェブアクセシビリティを向上させるリニューアルを実施

朝日新聞社コーポレートサイト

株式会社朝日新聞社はコーポレートサイトを全面リニューアルし、ウェブアクセシビリティの向上に注力しました。JIS X 8341-3:2016(※)に準拠し、音声読み上げやキーボード操作対応、視認性の高い配色設計を導入。スマートフォンでも快適に閲覧できるレスポンシブ対応も強化されています。

誰もが情報にアクセスできる環境づくりが企業価値にも直結する昨今、単なるデザイン刷新ではなく、多様な利用者を意識した体験設計の姿勢は注目を集めています。グッドパッチにおいてもアクセシビリティを理解するための勉強会が自主的に開催されています。

※『JIS X 8341-3:2016』は、高齢者や障害のある人を含む全ての利用者が、使用している端末、ウェブブラウザ、支援技術などに関係なく、ウェブコンテンツを利用することができるようにすることを目的とした設計指針のことです。

「∞AI」を大型アップデート デジタルマーケティングにおけるAIエージェント運用開始

「∞AI」を大型アップデート デジタルマーケティングにおけるAIエージェント運用開始

株式会社電通デジタルは、AIを活用したマーケティングソリューションブランド「∞AI(ムゲンエーアイ)」を大型アップデートし、社内での本格運用を開始しました。

今回のアップデートでは、各ソリューションにAIエージェントを導入し、データ分析、企画立案、顧客理解、コンテンツ生成などのプロセスを対話形式で実行できるようになりました。​特に、「∞AI Marketing Hub」内に新たに4つのソリューションが開発され、データの自動構造化や仮想顧客AIの生成、マーケティングコミュニケーション施策の対話化、顧客体験改善のアイデア創出プロセスの対話化が可能となっています。 ​

注目すべきは、デジタル広告の制作プロセスをAI活用により効率化する「∞AI Ads」のアップデートです。​画像や動画生成、効果予測においてAIエージェント技術が融合され、対話形式でのプランニングや施策実施が可能となりました。 ​これにより、クリエイティブ制作の効率化と精度向上が期待でき、デザイナーの業務プロセスに影響をもたらすと感じました。

「Honda Design」ウェブサイトリニューアル

「Honda Design」公式サイト

本田技研工業株式会社の「Honda Design」公式サイトが2025年3月24日にリニューアルされました。新しいサイトでは、Hondaのデザイン哲学がより視覚的に伝わる構成となっており、ブランドのデザインにおける世界観が明確に伝わるものになっています。

ビジュアル中心のレイアウトになっており、実際のプロダクトの写真を前面に押し出すことで、デザインの空気感がより伝わりやすくなっています。

また各プロジェクトの紹介においては、製品単体のデザインに触れるだけではなく、なぜこのデザインに辿り着いたのかが記載されており、普段見ることのできないデザインの裏側までを知ることができるサイトになっています。

ビジネス

ソフトバンクG、OpenAIに最大400億米ドル追加出資

OpenAIへの追加出資に関するお知らせ

ソフトバンクグループ株式会社は、OpenAIに最大400億ドル(約5兆9,808億円)の追加出資を行うことを発表しました。

この出資により、OpenAIのAIインフラや研究開発が加速されるとともに、日本市場向けの特化型AIソリューションの開発が進んでいくとされています。両社は、合弁会社「SB OpenAI Japan」を設立して日本企業向けにカスタマイズしたAIソリューション「クリスタル・インテリジェンス」の提供を開始し、日本市場での普及を目指しています。

生成AIの進化は、デザインプロセスにも変革をもたらしつつあります。アイデア発想や制作支援など、日常のワークフローに自然と組み込まれる存在になりつつあり、デザイナーとしてもAIとの共創は常に試していきたいですね。

ESAと任天堂など大手ゲーム会社、アクセシビリティ機能に関する情報を提供する業界団体「Accessible Games Initiative」を発足

Introducing the Accessible Games Initiative

​アメリカのゲーム業界団体であるEntertainment Software Associationは、Electronic Arts、Google、Microsoft、米任天堂、Ubisoftと共同で、ゲームのアクセシビリティ機能に関する情報を提供する業界団体「Accessible Games Initiative」を発足しました。

ゲーム内のアクセシビリティ機能を明確に示す24種類のタグを導入し、プレイヤーが購入前にゲームのアクセシビリティ機能を把握できるようにすることを目的としています。​これらのタグは、「聴覚機能」「ゲームプレイ機能」「入力機能」「視覚機能」の4カテゴリに分類されており、例えば「メニューの読み上げ機能」や「入力リマッピング機能」などが含まれます。

タグがゲームの販売ページ等に表示されることで、アクセシビリティに関する情報を知ることができ、ユーザー体験がより一層高まっています。​これにより、障害があるユーザーも自分に適したゲームを簡単に見つけることができるため、さらに多くの方がゲームを楽しめるようになり、ゲーム業界全体の包括性とユーザビリティの向上に寄与すると感じます。​

博報堂⾏動デザイン研究所「行動デザイン予報2025」発表

博報堂⾏動デザイン研究所「行動デザイン予報2025」

博報堂行動デザイン研究所は「行動デザイン予報2025」を発表しました。今年のキーワードは「生活ギャップシフト」。人々が理想と現実のギャップを前向きに受け入れ、新たな行動様式を生み出す傾向を示しています。例えば「ありえないほどちょうどいい」「へんなおそろい」など、従来の合理性とは異なる価値基準が注目されてます。

「理想を満たす」ではなく「ズレを活かす」という考え方の変換は興味深く、完璧に動くUIではなく、人間の違和感やあいまいさを起点とした体験設計が、今後のUXにおける創造性のカギとなるのかもしれません。

イベント

「Canva Create 2025」開催

「Canva Create」

「Canva Create 2025」が2025年4月10日に開催され、Canva過去最大規模の新製品「ビジュアルツールキット2.0」が発表されました。従来のグラフィックデザインツールを超え、AIとデータ処理を統合した包括的なクリエイティブプラットフォームになっており、主な新機能には、視覚的なスプレッドシートツール「Canva Sheets」、自然言語でのコード生成を可能にする「Canva Code」、AIによる写真編集機能などが含まれます。

世の中がますます便利になり、「なんでも簡単につくれる」世界が実現されつつある一方で、ツールに振り回されることなく、「そもそも何を作るのか」をより精査することが重要であるように感じました。