ヤマトヒューマンキャピタル株式会社
- Client
- ヤマトヒューマンキャピタル株式会社
- Expertise
- Digital Product & Service Design
- Date
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- ヤマトヒューマンキャピタル株式会社
- Expertise
- Digital Product & Service Design
- Date
Overview
転職エージェント事業を展開する企業による新規サービスプロダクトの開発において、グッドパッチは「徹底的な共創」をテーマに支援を行いました。プロジェクト開始直後から毎朝のミーティングを実施し、プロジェクトオーナー(以下PO)の描くビジョンを形にすることに注力。その結果、わずか3カ月半という短期間で80画面を超えるUIの設計と改善を実現し、その後のビジネス価値とユーザー体験の最適化まで導きました。
Client
ヤマトヒューマンキャピタル株式会社
Yamato Human Capital, Inc.
ヤマトヒューマンキャピタル株式会社(以下「YHC」)は、M&A業界やPEファンド、VC、投資銀行、コンサル業界などへの転職支援を専門とする人材紹介会社です。年間5,000名の求職者が登録・相談し、未経験者の高年収キャリア実現をサポート。そのノウハウを生かし、新規事業であるビジネス動画プラットフォーム「CARINA(キャリナー)」を運営中です。
Summary
ご支援前の課題
- サービス開発未経験のPOが描くビジョンを形にできない状況
- UI/UXの専門家不在による開発の行き詰まり
- POの想いを理解し、共に創り上げるパートナーの不在
グッドパッチの対応とご支援後の成果
- 徹底的な対話によるビジョンの具体化
- 1カ月半で80画面のUIを設計
- ノーススターメトリックとKPIツリーの設計による、プロダクト価値の最大化
- ユーザー起点の思考醸成とプロダクト開発体制の確立
ユーザーにとって使いやすいUI/UXを設計する重要性
転職エージェント事業で実績を持つYHC社は、ビジネス動画プラットフォームという新規事業に挑戦していました。社長自らがPOとなり、動画を通じてビジネス情報を発信することをフックに転職意欲を高めることを目的としていましたが、基本機能の実装まで進めたものの、専門家不在により開発は行き詰まりを見せていました。機能の原型はあっても、ユーザーにとって使いやすいUI/UXの観点が不足していたのです。UI/UXの専門人材がいない状態では理想の状態に到達するのは難しいという判断から、グッドパッチとの共創が始まりました。
通常は「ユーザーが本当に求めているものは何か」「それに対する解決策として適切か」を丁寧に検証しながら進めるべきところでした。しかし限られたスケジュールの中で、グッドパッチは異なるアプローチを提案します。まずはPOの考える仮説を明確に整理し、最小限の機能を持つプロトタイプを開発。その上で、実際のリリース後の反応を見ながら検証と改善を進めていく方法を提案し、プロジェクトはスタートしました。
クライアントとの対話を繰り返し、わずか1ヶ月半で80画面を超えるUIを設計

プロジェクト開始直後まずグッドパッチは、POの頭の中にあるビジョンを余すことなく理解する目的のもと、MTGを通じて徹底的なヒアリングと議論を重ねました。特にキックオフから最初の10日間は、毎朝の時間を確保してPOとの対話に臨みました。
当時POの頭の中には明確な成長戦略があったものの、それが社員やエンジニアに充分に伝わっていない状況でした。そのためこのまま市場にリリースをしても、「ターゲット設定が適切だったのか?」「課題設定は正しかったのか?」など、検証するポイントが不明確になってしまうため、その後のプロダクト改善に大きな影響が出ることは明らかでした。
そこでグッドパッチは毎朝のMTGでの対話を通じて、「誰にどんな価値を届けたいのか?」「どのような態度変容を促したいのか?」といった本質的な部分を丁寧に言語化していきました。
この密なコミュニケーションを通じて、「転職を検討するがきっかけがなく動けない人に対して背中を押して行動を変容させる」というサービスコンセプトが確立。この価値検証を可能にするMVP(Minimum Viable Product)の開発へと進み、一つひとつ具体的な機能や画面に落とし込んでいきました。
事業目線とユーザー体験の両立を実現するためのNSMとプロダクトKPIの定義
Phase2では、POが思い描く企業側画面の作成と並行して、Phase1で作成したユーザー画面の改善に着手。ビジネス視点で必要な機能と、ユーザー体験のバランスを取ることが課題でした。
例えば「“転職相談をする”というボタンを画面に設置したい」というアイデアが出た際、事業としては面談数を増やしたいのでぜひ設置したい、という意見がある一方で、とはいえ動画視聴中にボタンを表示しても、ユーザーの邪魔になって離脱されてしまう。どういった体験設計とUIであれば、これらを両立できるのか?このバランスを揃えていく必要がありました。
この課題に対し、企業や組織の成長で重視すべき指標であるノーススターメトリクス(以下「NSM」)を新たに設定。単なる面談数ではなく、「初回動画視聴後●日以内のアクション率」など、プロダクト固有の価値を測る指標を定義しました。このNSMを軸にKPIツリーを構築し、UIの改善ポイントを洗い出し。ユーザーテストも実施しながら、段階的な改善を進めていきました。

ノーススターメトリクス

理想の体験・具体施策を合わせた構造図を作る
UI改善を進めるにあたり、優先度高・中タスクに関してはPhase1で主要流入経路からのサービス内での体験の流れをフォッグモデルで整理、調整しつつ理想的な体験と具体施策を追加した構造図を作成しました。改めて整理しビジュアライズすることで、新規でPOと議論が必要なポイントが洗い出され、アイディエーションをしながら改善案を作成していきました。

共創から生まれた、新たな開発文化
3カ月半に及んだプロジェクトの中で、時には意見がまとまらず長時間議論をすることもありましたが、結果的にこの密なコミュニケーションがあったからこそ、わずか3カ月半という短期間で、UI設計と改善を行うことができました。クライアントと二人三脚で伴走することで、元々事業目線が強かったYHC社内でもプロダクト開発に必要な体制やスキルセットへの理解が深まり、ユーザー起点で考える適切な組織作りに向けて動き出すきっかけとなりました。
クライアントの声
グッドパッチ様には私の構想の言語化とデザインへの落とし込みをサポートいただき、感謝しています。毎日毎日、ミーティングを重ね、時には互いの議論をぶつけ合い、真剣な議論を交わし、取り組んでいただきました。その姿勢からは、単なる外部の支援者という枠を超え、本気で事業の成功を願ってくれていることが伝わり、「信頼に足るパートナー」という認識を深めました。お陰様で無事にサービスをローンチすることができました。正直なところ、当初は他社に比べて値段が高いなと感じた部分もあったのですが、それに勝る、納得度のあるサービスでした。
本気のパートナーを求める事業者の方に、グッドパッチ様を強くお勧めいたします。ありがとうございました。
代表取締役 堀江 大介様
Credit
プロジェクト全体統括:川北 隆広
UXデザイナー:門屋町 咲穂
UIデザイナー:千村 英莉子
<サービス紹介サイト>
UIデザイナー:溝口 真帆、沈 添