株式会社Legaseed
- Client
- 株式会社Legaseed
- Expertise
- Business/Strategy Design
- Date
- Client
- 株式会社Legaseed
- Expertise
- Business/Strategy Design
- Date
Overview
株式会社Legaseedは2013年の創立以来、新卒採用コンサルティングのリーディングカンパニーとして成功実績を重ねてきました。2020年からは「人と組織の成長コンサルティング会社」として、経営戦略や事業計画の策定から人材計画のコンサルティングなども手がけています。
Goodpatchは、Legaseedにとって新たな事業の柱となり、次世代の採用活動を推進するためのプロダクト開発に並走しました。経営者のビジョンを具現化しながら事業機会を探り、プロダクトとして形づくるまでのプロセスを紹介します。
Summary
クライアントの課題
- 会社を支える新規事業を創出したい
- 既存事業のノウハウを取り入れた競争力の高い事業、プロダクトを作りたい
- ソフトウェアプロダクト開発について知見が少ない
Goodpatchの対応
- 経営者のビジョンを可視化
- 新卒採用という事業領域における未来洞察と構造的課題の把握
- 既存顧客インタビューからインサイト抽出、課題仮説の設定
- 事業アイデアの創出
- 事業コンセプトの策定とコンセプト検証
- ビジネスモデルと事業計画の策定
成果
- コンサルティングに強みを持つLegaseedが、初となるSaaSプロダクト「miryo⁺」をリリース
- 経営者のビジョンからビジネスモデルを具体化
- 既存事業とのシナジーを考慮したグロース戦略を策定し、各種施策に並走
新規事業創出の第一歩は、創業者のビジョンを探ること
Legaseedは企業の成長を加速し、さらなるクライアントのニーズに応えるために、2013年創業以来続けてきた新卒採用コンサルティング事業の次の一手となる事業が必要と考えました。その中に、属人的な採用活動を見える化・定量化するSaaS(Software as a Service)を開発するアイデアがありました。
既存事業とシナジーを生むために、SaaSの領域は新卒採用を想定。プロダクト開発のデザインパートナーにGoodpatchを選んだ理由を、Legaseed代表の近藤さんはこう語ります。
SasSの理想形はずっと描いていて、社内でも取り組んできましたが、ユーザーが触れられる状態まで形にすることができなかったのです。外部パートナー選定の重要性を感じながらも、どのような会社と組めばいいのか見当がつかず、出会うこともありませんでした。
あるとき新規上場株をチェックしていた中で、Goodpatchを見つけました。調べてみると、私自身も知っていて、ベンチマークにしているプロダクトの開発実績があったのです。探していたものはこれだと驚き感動を持って、すぐに連絡をしました。
システムの構築だけではなく、使いやすさを担保しながら、ビジネスの最終目的が達成できることを期待していて、Goodpatchさんは実現可能性を検証するところまで一緒に並走してくれるイメージを持つことができたので、依頼を決めました。
近藤さんに「次の柱となる新規事業を創出したい」という壮大なビジョンがありながら、Legaseed社内には次の一手となる事業アイデアを考えるような機会や仕組みがありませんでした。そこでGoodpatchは、近藤代表との対話を重ねて経営者の頭の中を可視化しながら、Legaseedの社員やクライアントにもインタビューを実施。SaaS×新卒採用という大きな枠組みの中で、Legaseedが取り組む事業のテーマを絞っていきました。
新卒採用を取り巻く企業のペインを把握する
2022年時点でHRテックをテーマにした事業は、国内だけで少なくとも900件以上にのぼります。そのうち新卒採用をテーマにした事業は30件以上ある状況でした。
参考記事:HRテックカオスマップ
私たちはLegaseedの未来の柱となる新規事業を創出するべく、新卒採用市場の中でもブルーオーシャンを探るリサーチを実施。競合となるサービスとそれぞれの市場規模を調べていくなかで、多くの企業が、大量の母集団を囲い込む採用から、企業文化を理解した学生を集める「質」を重視した採用にシフトしていることに着目しました。
現在は、技術やビジネスモデルが次々と登場してはコモディティ化し、きわめて不確実性が高いVUCAと呼ばれる時代です。さらに、ESG(環境・社会・ガバナンスといった非財務情報)への投資の加速により、企業は「何をやるのか」だけではなく「なぜやるのか」という理念・パーパスで求職者と繋がる重要性が高まっています。
Legaseedの採用コンサルティング事業のクライアントへのインタビューからも「自社の理念や魅力を正しく理解してほしい」「採用にいろんな人を巻き込むことで自社を好きになってほしい」といったニーズが潜在的にあることが分かりました。
新卒採用の「魅了」をテーマとしたSaaSがまだ多くなかったことに加えて、自社の魅力を言語化し学生に伝えるノウハウがあるLegaseedの強みとの相性も考慮し、「魅了」の領域でSaaSを開発することが決まりました。
さらに新卒採用の「魅了」フェーズにおける課題を分解し、複数の事業アイデアをLegaseedの既存クライアントに対して検証を実施。事業アイデアのなかでも、特に価値を感じる点がどこなのかをヒアリングしました。
その上で実際に操作して使用イメージが膨らむようなプロトタイプ(試作品)を作成し、ユーザーにとっての価値をどのような形に落とし込むと使ってもらえるサービスとして成立するのかを検証。具体的な機能と優先順位、実装の時期も考慮しながらプロダクトの構想を固めていきました。
既存アセットとのシナジーを生むビジネスモデルの立案と事業計画
新規事業としても大きな投資判断になるため、事業性のシミュレーションも行いました。役員会議での承認に向けたプレゼンテーション資料や、銀行融資獲得のための必要なP/Lの作成など、事業計画を組み立てて推進するための総合的なサポートを実施しました。
既存事業とのシナジーを考慮したグロース戦略を策定し、各種施策をローンチ前から仕組み化
エンドクライアントの潜在課題の発見、プロダクトの認知方法、利用検討時の判断軸、継続利用のための仕掛けなど、多角的にタッチポイントと提供する情報を洗い出し、事業アイデアを実行するための具体的な施策出しまで支援しました。
これらは後に、プロダクトの価値をわかりやすく伝えた営業資料や、SaaSプロダクトの体制をゼロから構築する支援などの取り組みに繋がっていきます。
後編では、Legaseed初となるSaaSプロダクトの情報設計とUIデザイン、開発パートナー選定、カスタマーサクセス、営業、マーケティング活動を支援したプロセスについて紹介します。