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Client
株式会社ジンズ
Expertise
Digital Product & Service Design
Date

Overview

株式会社ジンズが開発したメガネ型デバイス「JINS MEME」。JINS MEME OFFICEはそのJINS MEMEの機能を活かした、人々のポテンシャルを最大限に引き出す、初めての「集中力計測アプリ」です。3つのセンサーでアタマ・ココロ・カラダのデータを計測し、集中力を可視化。計測データを振り返ることで、集中を使いこなすための勝ちパターンやルーティンを見つけられます。JINS MEMEの可能性を世の中に届けたいという想いのもと、iOSアプリとApple WatchアプリのUIデザイン・開発をお手伝いさせていただきました。

JINS MEME OFFICEのWatchOSアプリは「Watch App Store」でフィーチャーされ、JINS MEME OFFICEを活用したソリューション「JINS MEME OFFICE BUSINESS SOLUTIONS」が、経済産業省等が主催する「HR-Solution Contest ―働き方改革×テクノロジー―」において、グランプリを受賞いたしました。

僕よりもJINS MEMEのことを考えてくれる人たち

JINS MEMEはウェアラブルデバイスなので、ユーザー体験を担保するものはアプリなんです。いままでJINS MEMEのユーザー体験の根幹になり、ユーザーの窓口になるようなアプリはありませんでした。また、ウェアラブルという有形の「モノ」とアプリという無形の「モノ」を融合させ一つのユーザー体験に落とすためには、単なるデザイン力やプログラム力ではなく、UI・UXを高度な視点からとらえることのできる開発力を持った会社でなくてはなりません。 このアプリのお題は今まで誰も向かい合ってきたことのないものでした。今まで自分たちで話していた時には論点にも上がらなかった課題を指摘してくれる人って、すごく信頼できますからね。場合によっては自分たちの仕事を増やしてしまうリスクがあることでも、プロダクトにとって本当に良いことだけを言ってきてくれる。これが彼らを絶対的に信頼できる根幹の理由ですね。

引用:集中力を可視化するアプリ「JINS MEME OFFICE」のユーザー体験を支えるチームに迫る

Bluetooth接続を意識させない工夫

JINS MEMEはスマートフォンとBluetooth接続することでデータのやり取りをしています。しかし、ほとんどの新規ユーザーはメガネとスマートフォンを接続させるということを初めて体験します。そのため、できるだけ接続・切断を意識しないようなインタラクションを心掛けました。 例えば、デスクにスマートフォンを置いたままその場を離れるとBluetooth接続は切れますが、その度に接続切れのエラーを通知するとユーザーにとっては煩わしくなります。そこでユーザーがデスクに戻ってきたときに自動的に再接続するに留めました。 複数のデバイスが関わるアプリケーションを開発する際にはエラーを含めたインタラクション設計が特に重要だったのです。

2種類のユースケースに対応したインターフェイス

「リアルタイムで計測状況を確認する」 「過去の計測結果を振り返る」 異なるユースケースを実現するための最もシンプルな設計を考えました。 iOSアプリは基本的にはシングルウィンドウアプリケーションです。JINS MEME OFFICEでは擬似的にマルチウィンドウにすることで異なるユースケースに対応しました。「計測」を主目的としたウィンドウと「閲覧」を主目的としたウィンドウです。ウィンドウを分けることでユーザーはそれぞれのタスクを同時に実行することが可能となり、いつでもワンタップで行き来することができます。

各画面の役割を意識した設計

月単位のカレンダー画面では集中時間の絶対値を正確に伝えることよりも、「週末の方が集中できている」「水曜日は集中できていない」等、ざっくりと自分の集中の傾向を把握できる体験を実現しています。月単位のカレンダー画面でざっくりと自分の傾向を把握し、詳細な情報は日単位の画面で見るという、明確に整理されたストーリーをインターフェースに反映しました。

Apple Watchでの体験をデザイン

watchOSアプリケーションではその性質上 「2秒で自分の状態がわかる」ことを意識してデザインしました。ユーザーが頻繁に目にするComplicationに表示する内容と量、Notificationで伝える内容と量、そしてタイミング。JINS MEMEとiPhoneとApple Watch、複数デバイスの関係性を考慮しながら何度もプロトタイプを作り、実際に使いながらユーザーの集中の妨げにならない体験をデザインしました。

壊すのは手戻りではなく、前に進んでいる証拠

今回のチームの良いところは、変わっていくことへの恐怖がないところです。一般的には、自分の仕事が増えるのが「手戻り」は嫌がられますが、デベロッパーとデザイナーから最終的にプロダクトが良くなるならやろうとがリードしてくれました。 実装をしていても、躊躇なく削ぎ落としプロジェクトが進む度に画面数がどんどん減っていきました。実際にモノがないと「いらない」というジャッジはできないため、何かを決める軸にするために素早く形にしました。

通常、コンセプトを決めるときは、アイディアを発散している状態なので、追加したい機能がたくさん出てきます。しかし今回はアイディアを全て機能に載せずにあえて「集中力を可視化できる」という価値をどうしたらユーザーに面白い体験として伝えられるかということにフォーカスしました。「集中データを測定してパフォーマンスアップをサポートするアプリ」という「こういうものを作るんだ」というコンセプトを明確にするのには、チーム全員で結構な時間をかけて行いました。何があっても全員がコンセプトに立ち返って判断できるんです。僕たちが頑張って作ったというのはユーザーには全く関係ありませんから、作っている時も常にユーザーの視点で自分たちに問いかけています。

職域を問わず、ユーザー体験実現のために各々のスキルを活かそうと考えるメンバーがこのチームには集まっていたからこそ、非常にシンプルなものづくりができたと思います。

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