Client
Holmes
Expertise
Brand Experience Design
Date

Overview

Holmes(ホームズ)は企業の契約に関わる業務全般を最適化する、日本で唯一の契約マネジメントシステムです。契約書の作成・承認・締結・管理のみならず、複数の契約から構成されるプロジェクト全体の進捗管理も含めた契約業務全体のマネジメントを通して、事業をドライブします。今回、GoodpatchはHolmesのブランドデザインを支援させていただき、インナーに向けたミッションステートメント、プロダクトタグライン、営業ツール、ブランドへの思いを書き込むボードを共創させていただきました。

Holmesが思い描く争いのない社会

『世の中から紛争裁判をなくす』

Holmesはこのような志をもって創業されています。きっかけとなったのは、代表取締役社長の笹原さんが弁護士時代に感じた「裁判に勝利しても依頼人は真に嬉しそうにしていない」という実感。裁判の原因の多くは「契約」にあります。契約の解釈違いが争いを生む。ならばテクノロジーの力を使って、誰もが正しく契約を扱えるようになればいいのでは...という考えがHolmesという会社に結実しました。

創業からユーザー数を着実に伸ばし、2018年11月には資金調達にも成功。このような成長を後押しするために、Holmesの目指す方向性を具現化し、社会にどのような価値を、どのようなステップで届けるかを定めるプロジェクトがスタートしました。

Holmesらしさの発見

プロジェクトの初期フェーズでは、笹原さんをはじめ、社員のみなさん、導入企業さまにインタビューを実施し、「Holmesらしさ」の発見を行いました。インタビューのなかでつかんだ糸口を図式化しては持ちこんで議論へとつなげます。笹原さんは、この時に感じたことを次のように語ってくださっています。

僕がいちばん驚いたというか、これがデザインの力か!と感じたのが、「Holmes」のあるべき姿を可視化した概念図でした。モヤモヤがクリアになりましたし、本質的な価値が伝わらなかった理由もよくわかりました。というのも僕は、「Holmes」のバリューを語るときに「契約書」という「点」の話と、「事業と表裏一体の「契約」をマネジメントする」という「線」の話を同じ次元で語っていたんです。でも「点」と「点」の間には時間軸がありますし、ひとつの「点」がステークホルダーとの関わりで構造化する部分がある。そして、それらが事業と表裏一体の「線」となる。そのすべてをマネジメントすることでクライアントの成長をリードすることが「Holmes」の目指す世界観であるにも関わらず、実際のところ、それを言語化できていなかったんです。僕の頭の中だけにあったイメージを概念図で可視化してもらったことでブランドの解像度が一気に上がり、ついに言語化できるようになったんです。

引用:
ビジョンドリブンなアプローチによるブランドデザイン事例。 契約マネジメントシステム「Holmes」

Holmesの世界観を形にする

Holmesが創造する未来の構想を“ブランドパーソナリティ”に落とし込みます。具体的には、“コアアイデンティティー”であるビジョンとミッションのもと、ブランドステートメントとして短文の形にまとめました。

ブランドデザインは社外に向けたものと社内に向けたものとであり方が変わりますが、今回は社内に向けた取り組み。創業者である笹原さんの想いを共有し、急拡大する組織がいつでも立ち戻れる「指針」になることを目指しました。

“コアアイデンティティー”と“ブランドパーソナリティ”の関係については下図をご覧ください。

ブランドステートメント

Holmesの理念・使命・提供価値を示すものとしてブランドステートメントを作成しました。

契約の最適化で企業の健やかな成長をリードする

ビジネスは、すべて契約で成り立っています。
契約が最適に循環すれば、
権利の実現、義務の履行が最適になされ、ビジネスは成長します。
Holmesは、社内外の契約オペレーションをマネジメントするシステム。
契約前にはじまり、締結、契約中、契約終了後まで、
プロセスのすべてを最適化することで、企業の成長をリードします。
たとえるなら、人の身体をめぐる血流。
Holmesによって健やかなめぐりをつくることで、企業は意識せずとも
晴れやかに、のびやかに、目指すビジョンを体現できるのです。
契約というスコープから志の高い企業がビジョンを達成できる世界を創造する。
そして、権利の実現、義務の履行が自然になされることで、
紛争裁判がなくなってゆく。
幸福な未来を思い描きながら、わたしたちはこれからも挑戦しつづけます。

プロダクトタグライン

ステートメントとあわせて、Holmesを一言で表現する言葉として「契約マネジメントシステム」というタグラインも定めました。

「契約マネジメント」という言葉に込めたのは、契約課題を「1通の契約書の手間の削減」という”点”ではなく、「契約前の段階から、作成、締結、契約中、契約終了までの流れの最適化」という”線”の視点で解決することを目指す、Holmesならではのユニークな考え方です。契約に関わる多数の関係者や情報を受け止める場所として「契約マネジメントシステム」という新しい概念をHolmesは提案します。

ステートメントポスター

ステートメントが身近なものになるよう、Goodpatchはステートメントポスターをしつらえました。証書をモチーフに、ポスター上部には紋章が添えられています。これはHolmesがもつ「誠実さ」をデザインに結びつけたいと考えたからです ─ 紋章のエスカッシャン(盾)は、最適な契約で企業の権利を守り成長していく姿勢を。ストライプには、人と企業が契約によって繋がっていく様子が表されています。

エスカッシャンの装飾となっているのは、古くから「知」や「平和」の象徴として扱われてきたオリーヴの葉。「世の中から紛争裁判をなくす」というHolmesの志を反映させています。

ステートメントボード

ステートメントボードは、社員1人1人がブランドへの想いを書き込む場。

ここでの書きこむという行為は、ブランドに対して個人的な関わりをもつ機会として機能します。見聞きするだけでなく、考え、触れて、書くことによって記憶に留めてもらう、よりよく自分のものにしてもらうことを目指しました。

後日、Holmesの皆さんが早速それぞれのHolmesへの想いをボードに書き込んでくださり、記念写真をお送りいただきました。

組織文化の芽を育む

Goodpatchのデザインパートナー事業では、デザインの力でビジネスの課題を解決することを目指しています。ブランドデザインには終わりがないので、最も大切なのは一貫性をもって継続的に価値を生み出し続けられる組織です。なので単に制作物を納品するだけではなく、Goodpatchは組織文化の土壌を作るところまでを意識しています。プロジェクトの効果を笹原さんはこのように振り返ってくださいました。

他社との比較ではなく「Holmes」の世界観をもとに判断できる状態になりました。メンバーの意識が変わったのも感じられます。

引用:
ビジョンドリブンなアプローチによるブランドデザイン事例。 契約マネジメントシステム「Holmes」

また、「機能や価格ではない世界観での差別化」「開発、セールスの意思決定となる判断軸の明確化」「アップセルによる受注単価の向上」という効果にまで繋がっているそうです。

今回Holmesと挑戦したのはビジョンドリブンなアプローチ。契約という大きなイシューを抱える領域で、顧客と同じ未来を共有し、継続的に関係を結ぶための世界観を共創しました。ベースとなったのはHolmesで働く人の思いであり、Goodpatchは伝えやすくなるようなお手伝いをさせていただきました。

「早く行きたければ、ひとりで行け。遠くまでいきたければ、みんなで行け。」社内で進むべき方向性の解釈が揃ったことによって、事業スピードがあがるという成功へ繋がったのだと思います。

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