ファインディ株式会社
- Client
- ファインディ株式会社
- Expertise
- Organization Design
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Overview
エンジニアプラットフォームを提供するファインディ株式会社に対し、グッドパッチは情報設計を軸にしたUIデザインの考え方や方法論を学べるワークショッププログラムを提供いたしました。本事例では、ワークショップの設計から実際のワークショップ実施当日の様子までをご紹介します。
クライアント
ファインディ株式会社
Findy Inc.
「挑戦するエンジニアのプラットフォームをつくる」
ファインディ株式会社は、すべてのエンジニアが不安なく挑戦できる世界共通プラットフォームの実現を目指し、IT/Webエンジニアの転職サービス「Findy」をはじめ、さまざまなサービス・プロダクトを提供しています。
まとめ
ご支援前の課題
- 高速なプロダクト開発が進められている一方で、各プロダクトのユーザー体験(UX)や情報設計の質に関する課題があった
- 社内でOOUI関連の書籍を輪読するなど、勉強会の取り組みによってUIデザインについての理解を深めていたが、現実的な設計業務への活かし方を定めきれずにいた
- 各プロダクトが抱える現状課題の解決や、今後のファインディとしてのビジネスを踏まえた効果的なUIデザインを志したい
- 組織が急拡大する中で、プロジェクトの統一性や設計思想などに相違が目立つようになり、個々人のやり方に頼る現状があった
グッドパッチの対応と支援後の成果
- 過去事例をご紹介しつつ、グッドパッチの経験に基づく独自のワークショッププログラムを提供
- ワークショップを受講されたPM、デザイナーの方々が、研修で得た知識・経験を今後どのように活かすのかを決意表明。UIデザインに対する意欲が向上
- 会議の場で学んだ知識を活用し、設計議論を進める場面が見られるようになった
情報設計に基づく、現実的なUIデザインの考え方
ファインディ株式会社(以下、ファインディ)は、IT/Webエンジニアの転職サービス「Findy」、エンジニア組織支援SaaS「Findy Team+(チームプラス)」をはじめとした、エンジニア向けのさまざまなサービス・プロダクトの開発を行っています。ビジネスも好調で高速な開発が行われる一方で、各プロダクトにおけるユーザー体験(UX)の一貫性や情報設計の質に関する課題も見えてきました。これらの課題を克服し更なる成長を目指すべく、今回、ソフトウェアデザインにおけるユーザー体験や情報設計の研修実績を持つグッドパッチにご依頼いただきました。
▼グッドパッチの過去の研修事例
デザイン研修事例(株式会社SmartHR)
デザイン研修事例(フリュー株式会社)
デザイン研修事例(株式会社マネーフォワード)
ファインディは依頼の時点ですでに社内勉強会にも取り組んでいたので、グッドパッチとしては、情報設計に基づいた現実的なUIデザインの考え方を学べるコンテンツを提供するのが良いと考えました。情報設計とは、ものごとの「すじがね」となるものであり、デザインに対し堅牢な「芯」を形作ります。UIデザインに情報設計の発想を取り入れることで、壊れにくく、拡張しやすい製品設計を実現しやすくなります。すなわち、成長し続けるビジネスを支えられるデザインを目指すことができるようになります。
情報設計は、あらゆる場面で活用できる情報の混乱を整えるための取り組み全般をさすものです。しかし情報設計そのものをテーマにしてしまうと、ワーク内容がどこか宙に浮き、焦点が定まりにくくなる懸念がありました。そこで、今回は情報設計的な考え方を応用したさまざまなUIデザインの方法論を駆使し、ある一つのお題を達成していくワークを設計し、より現実的なUIデザインを意識できるワークショップを提供することにしました。
講義と制作のイテレーション
ワークショップは、小講義パートと制作パートで1セットとし、それを全4回繰り返す構成で実施しました。小講義パートでは各ワークで必要な知識を紹介し、その直後の制作パートで実際にワークに取り組んでもらう形式です。すべてのワークは地続きになっており、前のワークの成果が次のワークの材料の一つになるという設計になっています。
ワークでは3〜4名ずつのグループに分かれ、グループワークとして取り組んでいただきました。制作パートの最中では、グッドパッチのメンバーが会場内をまわり、受講されている皆様のご質問に応じるなど、和やかに対話しながらワークショップを進められました。
ワークショップの設計と内容
グッドパッチでは、今回の依頼内容に近しい研修を過去に行った実績がありました。2ヶ月ほどの期間をかけてじっくりと情報設計の理解を深めるUIデザイン研修でしたが、今回のファインディに提供するワークショップでは、時間の関係から、実施期間を4時間以下に収める必要がありました。
そこで、私たちはワークショップ当日に先立って簡単な事前課題を準備し、当日受講される方々にはあらかじめ課題に着手してもらうことにいたしました。当日はその事前課題をベースに、ユースケースを考えるワーク、タスクをCRUDで分類するワークなどの情報整理作業を行いました。
UIデザインはツールを用いて「画面の絵」を描くだけでは不安定になりがちです。なぜなら、後からその前提条件が変わって都度絵を作り直すような進め方をとると、結局それは大きな手戻りとなるからです。まずは前提となる情報を準備して、矛盾なく成り立つ構造に目星をつけることにより、作業の手戻りを最小限に抑えつつ確実な設計を目指せるようになります。
要求、業務タスク、ユーザー像といった情報は、具体的なUIや機能の設計を行う前に整えておく必要があります。ワークとしてもまずこれらの情報整理を丁寧に行い、「UIデザイン」と謳いつつもしばらくは具体的なUIの絵を描かずに進行しました。
その後のコンセプト定義ワークでは、設計思想やユーザー体験の姿を自然言語で表す作業が主体になっており、どちらかというと関わる人々の共通言語を形作ることを目的としています。そのため、いわゆるUIデザインとして想起されるような画面描画の作業はワーク4での「ワイヤーフレーム設計」までは行わず、そこに至るまでの過程ではUIのための情報整理作業を繰り返し実施する形になりました。
クライアントの声
本ワークショップの実施後、受講された皆様から多くの意気込みをいただきました。このような声は私たちとしても非常に嬉しく、とても励みになりました。最後にその一部をご紹介いたします。
「プロダクト画面の新規作成をこれから進めていくので、今日の研修を活かして1から情報設計プロセスを進めます!フル活用してもらえるプロダクトをつくります!」
「直近、プロフィール入力体験について考えているので、本日学んだナビゲーション設計やコンセプト・設計思想を参考に言語化を行い、共通認識を持って開発できるようにデザイン側からサポートしていきます!」
「今後ワイヤー設計に関わることもある中で、改めてユースケースに対応出来ているかを重視して進め、ユーザーファーストな画面設定とデザインをします!」
「デザイナーとのコミュニケーションにて、学んだことを共通言語として活用する(特にコンセプト、ユーザー体験、設計思想を一緒に言語化する)」
また、ファインディ株式会社プロダクトマネジメント室室長 稲葉様は、今回のワークショップをこのように振り返ってくださいました。
「与件のすり合わせから、研修のコンテンツ設計まで、個人的にも、メンバー的にもとても満足度が高い形となりました。ワーク部分でリアルタイムに相談やFBを頂きながら進められた事はもちろん、座学で「情報設計とは?」の部分や、実際の画面を盛り込んで解説頂いたパートなどが特に好評でした!」
関連インタビュー
今回のワークショップについて、受講したファインディの参加者の視点からも紹介いただいています。あわせてご覧ください。
クレジット
丸 怜里 (usagimaru):ソフトウェアデザイナー/UIアーキテクト
金谷 薫:ソフトウェアデザイナー
蔡 漢翔:UIデザイナー
榊原 龍介:アカウントマネージャー
※記事中記載の情報は、2024年7月現在のものとなります。