東南アジアの買い物体験を変えるモバイル決済アプリGrabPayの魅力に迫る

以前、東南アジア発の移動に関するサービスを紹介しました。

ソフトバンクやテンセントも出資!注目の東南アジア発、移動アプリ4選

記事内でも紹介しているGrabは、シンガポールでのeウォーレットサービスを皮切りに今年(2018年)決済領域に本格参入するそうです。今後、GrabPayによって東南アジアでの決済状況が様変わりするかもしれません。

今回は日本ではあまり知られていないGrabPayに迫ります!

Grabとは?

画像引用:GrabPay: Mobile Wallet Payment Solution | Grab SGより

2012年にマレーシアで創業したGrabは、タクシー配車サービスとして人気を博しているサービスです。通算7,200万ダウンロードを突破、210万人以上のドライバーを8カ国156都市に抱えており、その成長は留まることを知りません。(2018年1月現在)

当初はMy Teksi(マレーシア以外ではGrabTaxi)という名称で、タクシー配車に特化したサービスとしてローンチされました。その後2013年にはフィリピン、シンガポール、タイへと進出し、2014年にはベトナム、インドネシアへ拡大しました。

R&D拠点として、東南アジア諸国の他にも中国(北京)やインド(バンガロール)、アメリカ(シアトル)にも拠点を構えています。

2018年現在では、ASEAN8カ国で展開されている

画像引用:GrabPay: Mobile Wallet Payment Solution | Grab SGより

当初はGrabTaxiのみでしたが、GrabCar(Grabに認定されたドライバーの車への乗車)、GrabBike(Grabに認定されたドライバーのバイクへの乗車)、GrabFamily(チャイルドシートが設備されている車への乗車)とサービスの幅を広げていきました。

2017年10月にはシンガポールのCTOとしてMicrosoftやGoogleでDevelopmentマネージャーやPrincipal Engineerを歴任してきたTheo Vassilakis氏を迎え入れ、東南アジア随一のテック企業として、さらなる成長を目指しています。

GrabPayとは?

画像引用:GrabPay: Mobile Wallet Payment Solution | Grab SGより

Grabが展開するモバイル決済サービスで、タクシーを呼ぶGrabと同一アプリで決済を行えるようになります。

Grabで呼んだタクシーの支払いはもちろん、Grabアカウントを持つユーザーへの送金、そしてシンガポールではGrabPayを導入している店舗での支払いも可能になりました。

GrabPayの使い方

説明不要なほど簡単ですが、公式HPに使い方が掲載されていたのでそこから引用してご紹介します。

Step1:Grabアプリを開き、右上の「G」マークを押してGrabPayを立ち上げる

Step2:「Pay」を選択

Step3:QRコードをスキャン

Step4:金額を指定

Step5:支払い完了

たったこれだけで決済が完了します!ユーザーにとっても、小売店にとっても手間が省けるため、お店での買い物がより楽になりますね。同様のサービスとしては2017年話題になった中国のAlipayWeChat Pay、日本だと楽天ペイOrigamiLINE Payなどが挙げられます。QRコードだけで決済が完了するというニュースが日本でも多く報じられ、ご存じの方も多いと思います。

中国の都市部では現金よりもモバイル決済の方が主流と言われるほど頻繁に使われています。僕自身も中国の成都や重慶、深センに足を運びましたが、マクドナルドのような大手チェーン店から、お世辞にもきれいとは言えないような個人商店でもQRコード決済が可能でした。

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モバイル決済・GrabPayを使うメリットとは?


日本では、現金でのやり取りをする場面がまだまだ多くあると感じます。僕自身はお金を数えるのが苦手なのと、たまに都内のコンビニでタイバーツを出してしまうこともあり(笑)、なるべく現金を使わずにSuicaやLINEPayを使って買い物を済ませています。

モバイル決済の良いところは、スマートフォンでアプリを開き、QRコードを見せるだけで決済が完了するシンプルさです。「数える」と「受け取る」という作業が無くなることで、「お金を払う」という体験は信じられないくらい向上します。

「お金を払った感」はどのようにデザインすればよいのか

では、たくさんのモバイル決済サービスがある中で、GrabPayを使うメリットとはなんでしょうか?

1:個人間送金ができる

店頭では一旦払って後からお金を集めるシチュエーションで大活躍ですね。割り勘にしたり仕送りをしたりと、友人や家族の間でお金のやり取りが可能になります。

2:言語の壁を越えられる

旅行者として東南アジアを訪れる際、言語が通じないシチュエーションも想定されます。そんな時、画面で金額を見せてもらうことで金額に困らずストレスフリーで支払いを完了できますよ。

3:支払い金額のログに残る

東南アジアのお店ではレシートが発行されないところも多々あるため、結局自分がいくら使ったのかわからなくなってしまいます。GrabPayで決済を行えば全てログが残るため、金額の把握が容易にできます。

4:GrabRewardが貯まる

Grabには、GrabRewardというポイント制度があり、タクシーに乗ったりGrabPayでの支払いごとにRewardが貯まる仕組みになっています。Rewardはデリバリーサービスやショッピングでの割引に使えたり、Spotifyの有料会員費にも変換できたりします。

メリットを書き出してみると、日本のLINE Payで使える機能と似ていることに気づきました。LINE Payも個人間送金が可能ですし、支払いのログが残り、LINEのポイントが貯まります。違う点としては、Grabではカードを発行せずに全てGrabアプリ内で完結するため、ユーザー側の導入障壁が低いと言えます。LINE PayでもQRコード決済はできますが、LINEポイントが貯まらないからかまだまだ広がっていないように思えます。

Grabの際は、タクシーに乗っていればクレジットカードの登録も済ませてあり、新たにアプリをダウンロードせずに使えるため、ユーザーにとって始めやすい状況です。

GrabPayの今後

GrabPayが店舗でも使えるようになったのは2017年11月から。400万ユーザーを抱えるシンガポールでリリースされ、Central Business District(CBD)やBishanエリアの数十軒のレストランやショップでは既に導入が進んでおり、2018年1月時点では1,000店舗以上の導入がされているそうです。はじめは取引手数料が無料のようなので、小売店にとっては導入におけるコストもかかりません。

画像引用:Grabpay Merchant

また、2017年12月には、マレーシアにおいてe-moneyのライセンスを取得しており、2018年はシンガポール以外にもGrabPayが広がる年になりそうです。

さいごに

東南アジアでは、まだまだ現金で支払う文化が根強く残っています。しかし、Grabは多くのユーザーを抱えているため、使える店舗の数が増えるに従ってGrabPayが一般的になり、現金に代わってモバイル決済が主流になると思います。

もちろん、東南アジアにはGrab以外でも送金や決済機能を持つサービスが存在しています。以前5種類ほどまとめたので、合わせてご覧ください!

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《参考記事》
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Grab launches in Phnom Penh, Cambodia
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ABOUTこの記事をかいた人

磯部 俊哉

94年 千葉県生まれ。学生時代は東南アジア×働くに興味を持って活動していました。現在グッドパッチでは、マーケティング部署に所属しながら自社プロダクト『Prott』『Balto』に関するインタビュー記事やイベントレポートを中心に発信しています!好きな食べ物は高野豆腐です。
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