【Fintech】中国・上海で最新トレンド調査してきました!

こんにちは!デザインリサーチャーのKeikaです。

私は中国と日本のハーフで、中国に18年間住んでいました。Goodpatch Blogでは、デザイン・中国・Fintechにまつわる情報をお届けしていきます!
今回は実際に中国を訪問し、中国市場のトレンドを視察してきた内容を共有します。

Goodpatch × Fintech

4月26日、弊社がSBIホールディングスと提携し、日本の金融市場への新たなイノベーション創出に注力することを発表しました。
(発表した情報については、こちらをご参照ください。)

国内にとどまらず、よりFintechの進んでいる海外から学び、ベストプラクティスを日本のデザインで活かすために、社内でも海外情報シェアを頻繁に行っています。
その中でも、
モバイル決済市場が世界一へと拡大している中国に焦点を当て、上海のトレンドをつかみむ為に、現地視察を行いました!

国内最大モバイル決済利用率を誇る上海

中国の海沿いに位置する人口2,400万人の国内最大都市。国内大手IT企業の多くは本拠地を北京、深圳に置くものの、モバイル決済利用率でみると上海が国内ダントツの一位です。

新浪上海(ニュースサイト)によると、中国国内最大の決済アプリである支付宝(Alipay)の平均消費額だけをみても、上海では昨年度、年間一人当たり15万元(約240万円)も消費していたそうです。そのうちの約3/4がモバイル決済を利用したものでした。

この数字を打ち出した背景には、AlipayのO2O(オンラインからオフラインへ)に対する数々の策略が潜んでいました。

Alipay

Alipayは、元々アリババグループが運営しているECサイト『淘宝(タオバオ)』の一決済手段です。2003年より同グループにより開発され、EC利用者から多大な人気を集めていました。
2011年からはQR決済を中国市場に一早く導入し、割引制度やキャンペーンなど数々のマーケティング手法を利用しながら、順調にオフラインユーザーを増やしています。

Alipayのキャンペーン事例

2016年よりAlipayがはじめた『集副(ジーフー)』というキャッシュバックキャンペーン。指定された期間内にAlipay内に友人を10人以上追加した人や、新年を象徴する“福”という文字を見つけアプリでスキャンしたユーザーには、『副卡(フーカー)』という福の文字がついたお年玉が与えられます。

副卡(フーカー)を開くと、五種類の福字(愛国福や富強福など)のどれか一つが出るかもしれない抽選に参加できます。キャンペーンに参加した五種類の福字を全て集めたユーザーは賞金を獲得できます。昨年度の最高額666元(約1万円)だったそうです。

他にも、砸金蛋(ザージーダン)という、LBS(ロケーションベースドサービス)を利用したユーザーへのキャッシュバックキャンペーンを今月はじめに行うなど、Alipayは無数の企画で好奇心旺盛な国内ユーザーを魅了しています。

AlipayのUI

気になるAlipay WalletのUIはこちら。めまぐるしいほどのサービスの量が整列していました・・・。

先ほど挙げたキャンペーンを企画する他にも、タクシー配車アプリの嘀嘀打车(Didi Taxi)、出前アプリの饿了吗(ウールマ)を自社アプリと連携させることにより、オフラインユーザーを増やす戦略に出ているようです。
また、アプリ内のサービスで店舗予約やチケット購入をしたユーザーに、店舗での支払いをAlipayですることを促し、オフライン市場への更なる浸透を目指しています。

Alipayの競合他社

一見すると、中国の決済市場はAlipayの独占市場のようにみえます。しかし、AlipayがQR決済を打ち出した1年後の2013年には、国内大手IT企業のテンセントグループが『WeChat Pay』というサービスを開始し、参入してきました。

もともとLINEのようなIM(インスタントメッセンジャー)ツールとして人気を誇っていたWeChatは、参入当初には既に多くのユーザーを獲得しています。Alipayとは同じ手法(QR決済)を利用しながらも、違う糸口で市場浸透を目指しました。

例えば、2014年に大ブームを巻き起こした『红包(ホンバオ)』という機能。1元〜200元までを気軽に友人間送金できるサービスとして、約2年で5.6億人ものユーザーを獲得しました。
この红包がユーザーのハートをキャッチし、現在もWeChat Payはさまざまなキャンペーン企画を红包と連携させながら、利用者を順調に増やしています。

WeChat PayのUI

先ほどのAlipayと比較すると、かなりシンプルなUIです。

WeChat Payによる一日の支払い上限額は1万元(約16万円)に定められており、多額決済を頻繁にするユーザーは上限額のないAlipayを好みます。
しかし、シンプルで
目的機能の探しやすいUI、かつIMとの連携は、ユーザーの日常生活の中にかなり深く浸透しています。(実際昨年度、Alipayの市場シェアが71%から54%に縮小した中、WeChat Payのシェアは16%から37%と拡大しました。)

まとめ

中国のモバイル決済市場が世界最大規模にまで成長したのは、AlipayのQR決済という革新的なイノベーション市場浸透を促進するWeChat Payとの競争が背景にあったようです。

今回の視察では、もはや両者を持っていれば支払えないお店はないほど、モバイル決済はライフライン化していました。
今後も異なるマーケティング手法やUIデザインで、ターゲットユーザーを広げている両社から目が離せません!

次回は、さらに両社が強みとするQRコード決済が普及した背景や、国内Fintech市場との比較などについて書いていきます。お楽しみに!

ABOUTこの記事をかいた人

keika

'94年生まれ。中国と日本のハーフで、1歳から18歳までを中国・上海で過ごす。2016年にロンドンで写真・デザインを学ぶ。グッドパッチが注力しているFintechと、国外のデザイン組織情報を中心に発信。
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