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メディアフォー

企業理念策定を起点に、ロゴ・コーポレートサイト・採用サイトを刷新したブランディングプロジェクト

Client
株式会社メディアフォース
Expertise
Brand Experience Design
Date

Overview

1985年創業、2025年に40周年を迎えたシステム開発の老舗企業・株式会社メディアフォース。採用における本質的な課題が「コーポレートブランドの曖昧さ」にあると考えたグッドパッチは、まず最初にコーポレートブランディングを行うことを提案。支援範囲は採用施策単体ではなく、VMV(Vision / Mission / Value)の策定からロゴ・ブランドステートメント、コーポレートサイト、採用サイトのリニューアルまで及び、1年以上をかけて段階的に実施。結果として、応募者の志望動機の変化や、一次面接通過後の選考辞退者の減少という成果につながりました。

Client

株式会社メディアフォース

MediaForce Co.,Ltd

株式会社メディアフォースは、1985年の創業から2025年に40周年を迎えた、ITソリューションを提供するSIerです。システムインテグレーション(SI)事業ではプライム(元請け)となる案件の割合が高まっており、自社開発プロダクトを含むデータマネジメントソリューション(SOL)事業も年々成長を遂げています。

Summary

支援前の課題

  • 採用したい人物像と、実際に入社してくる人材とのマッチング精度をさらに高めていく必要があった
  • SI事業のプライム案件比率上昇やSOL事業の伸長にともない、顧客と直接対話するエンジニアの採用における重要性が高まる中、それを支える採用ブランドの構築が次のテーマだった
  • SIerとして長年培ってきた伝統を大切にしながらも、それを現代風に形作り、自分たちの良さを求職者に正しく伝える必要性を感じていた
  • 過去のコーポレートサイト制作等における外部パートナーとの協業を踏まえ、自社をより深く理解するパートナーを求めていた

グッドパッチの対応とご支援後の成果

  • 採用課題へのアプローチとして、VMV(Vision / Mission / Value)の策定からプロジェクトを開始。インタビューやワークショップなどを通じて核となるキーワードを「熱量」とし、「熱量」を軸としてメディアフォースに脈々と流れる思いや価値観を物語として構成した「ナラティブ」とともに社内へ浸透させた
  • VMVをより深く共感性を持って伝えるブランドステートメントを開発
  • 「熱量」を表現するロゴとコーポレートカラーを刷新
  • 企業としての価値観を前面に出したコーポレートサイトへとリニューアル
  • ターゲット人材像の再定義や訴求ポイントの見直しを行った採用ブランディングと、採用サイトのリニューアルを実施
  • 「メディアフォースはどんな会社か」の言語化、具現化がなされた結果、社内のブランド理解と愛着が高まった
  • 応募者の志望動機が変化し、一次面接通過後の選考辞退者が減少
  • 面接対応や評価制度などにも変化が波及した

採用ブランドのギャップという課題と、コンペなしでの指名

メディアフォースの課題は、採用したい人物像と実際に入社してくる人材との間のギャップでした。SI事業でプライム案件の割合が高まり、自社開発プロダクトを含むSOL事業も拡大する中、顧客と直接向き合うエンジニアの採用における重要性が増していました。この課題認識から、ソリューション事業部の森氏がブランディングの実施を社内に提案し、プロジェクトが始まっています。

依頼先の選定にあたり、メディアフォースは他社との比較検討を行わず、グッドパッチを選択しました。理由は2点あります。1点目は、以前プロダクトのWebサイト制作を相談した際、グッドパッチから「ビジョンやミッションなどプロダクトの本質から考えるべきで、表層デザインのみの依頼であればお受けできない」と伝えられ、本質的なアプローチが印象に残っていたこと。2点目は、過去に外部パートナーへコーポレートページのリニューアル等を依頼した際、成果物の内容を結局自社で書き直すことが多く、表面的なアプローチやデザインでは自社の魅力を伝えられない、という過去からの教訓です。

採用課題に対するVMV策定という入り口

「採用課題を解決したい」という依頼に対し、最初に提案したのはVMV(Vision / Mission / Value)の見直しでした。採用は、会社の次の未来を一緒につくっていく人たちと出会うためのものです。そのために、グッドパッチは、メディアフォースの「会社のありたい姿」をコーポレートサイトなどでより明確に伝えていくことが採用課題の解決につながると考え、まずコーポレートブランディングによってブランドの核を固める必要があると判断。VMVの策定から着手することを提案しました。

プロジェクトの開始時期は、2025年の創業40周年、および現社長が数年前に2代目代表に就任していた時期と重なっており、コーポレートイメージを再定義するタイミングとして位置付けられました。一方、同社にはこうした無形資産への投資の前例がなく、社内には効果に対して懐疑的な声もありましたが、家喜氏はグッドパッチの提案を受け止め、実行に移す方針を社内で共有しています。

私はプロジェクトの成功のためには、グッドパッチの皆さんに自由に動いてもらうことが大事だと考えていました。そのため、皆さんからの提案を「評価」するのではなく、私たちがどう「受け止めるか」、もっと言えば、皆さんを信じて自分たちがうまく「踊る(身を任せる)か」が大切なんだと、社内に理解してもらうことを意識しましたね。
(株式会社メディアフォース コーポレート本部 本部長 家喜さん)

株式会社メディアフォース コーポレート本部 本部長 家喜さん

インタビューとワークショップによるキーワードの策定

VMV策定のプロセスは、まずは会社や事業、社風・カルチャーへの理解を深めるため、社長インタビューと各事業部のキーパーソンへのグループインタビューから始まりました。

続いて実施されたのが、若手社員約30名を対象にした大規模ワークショップです。SI事業部とSOL事業部が合同で参加する形式は、メディアフォースにとって初めての試みでした。同時期に経営層向けのワークショップも実施され、「将来どうありたいか」という抽象度の高いテーマを、間接的な問いかけを通じて掘り下げる手法が用いられています。

経営層向けワークショップの様子

これらのインタビューとワークショップを通じて、メディアフォースが単に「システム」を作っているのではなく、顧客の課題を考え抜き、より良く変わっていくための「仕組み」を作っている企業であるという本質や価値の整理がなされていきました。

時に顧客にとって耳が痛くなるようなアドバイスもするし、依頼された以上のことにも取り組む。「顧客のために本当に必要なことは何か」を自分たちで考えて、解決しようとするブランドのコアを「熱量」という言葉で表現し、VMVに落とし込まれていきました。「熱量」はMissionやブランドステートメントでもキーワードとして使用されています。

「熱量」の言語化とナラティブによる社内浸透

キーワード策定後、これまでのインタビューやワークショップを通じて得た情報をもとに、メディアフォースが脈々と築いてきた想いや価値観を一つの物語として構成した「ナラティブ」を作成しました。ワークショップに参加していない社員にも「熱量」という言葉の背景を伝え、キーワードの解釈がぶれないようにするための施策です。

ナラティブの作成イメージ

ナラティブはグッドパッチが作成したものをベースに、定例ミーティングにて細かく議論。メディアフォースがどんな想いを持ち、何をしてどんな価値を生み出し、ここまでやってきたのか、ブランドの軌跡と人となりがニュアンスまでしっかり伝わるよう、磨き上げていきました。現在は社内のNotionやブログに掲載され、社員がいつでも参照できる状態になっています。

初めてナラティブを読んでもらったとき、僕はZoom越しに泣いていましたからね(笑)。 驚いたのは、自分が在籍していなかった時代のことにも触れているのに、まるでその場にいたか のような「追体験」ができたことです。過去の歴史が、現在の自分の一部としてつながった感覚が あり、抽象的なVMVが、等身大の自分たちの言葉として説得力を増した瞬間でした。
(株式会社メディアフォース ソリューション事業部 副事業部長 森さん)

株式会社メディアフォース ソリューション事業部 副事業部長 森さん

ロゴとコーポレートカラーの刷新

VMV策定後、次にロゴ制作に着手しました。その前段として、ブランドがどんな「人となり」で、どのように「振る舞い」、どんな「見た目」をしているのかの指針となるブランドパーソナリティー策定のワークショップを実施。その中で、「熱量」の意味を考えるワークも行っています。

ロゴデザインの核となるモチーフは、「force」の頭文字である「f」です。3つの「f」をら旋形に配置することで、社名の頭文字「m」を形成しています。仕組みのプロセスに人が介在することで熱が生まれ、伝播していくというナラティブの内容を造形に反映した設計です。色はオレンジから赤へのグラデーションとし、「伝播する熱量」を視覚的に表現しています。コーポレートカラーは、従来の青を基調とした配色から、暖色系へと刷新されました。

新ロゴのデザイン

コーポレートサイトのリニューアル

ブランドパーソナリティーの策定や、それに伴うロゴの刷新により、コーポレートサイトのリニューアルも実施することになりました。

リニューアルにあたっては、資料ダウンロード数や問い合わせ数といった一般的なKPIではなく、家喜氏からの「メディアフォースがどういう会社か、しっかり伝わるサイトにしたい」というリクエストを受け、「メディアフォースがどういう会社か伝わること」を指標として設定しました。これにもとづき、事業内容の説明よりも、VMVやロゴのコンセプトなど企業としての価値観を前面に押し出す構成としています。

新コーポレートサイトのトップページ

採用サイトのリニューアルとターゲット人材像の再定義

コーポレートサイトのリニューアル後、プロジェクトは当初の課題であった採用の改善に進みました。まず、採用ブランディングでVMVで設定した「未来のありたい姿」に向けてどんな人材が必要なのか、その人たちに届けたいメッセージは何か、考えることからスタート。採用担当者・人事へのインタビューで課題と欲しい人材像を掘り下げるとともに、現場の若手社員を交えたワークショップを実施し、必要な人材の要件やメディアフォースで働く魅力を明確にして行きました。

従来の採用サイトは「未経験者歓迎」「研修充実」といったメッセージを前面に出していましたが、インタビューやワークショップで明らかになった実際に採用したい人材は「自分の考えや自分のやりたいことを、自分の言葉で伝えられる人」。この整理にもとづき、採用サイトのデザインやメッセージを検討しました。

ワークショップやこれまでの議論を通じて明らかになった、メディアフォースの「熱量」が、激しく燃え上がるものではなく、たき火や炭火のように静かに広がる性質のものだという共通認識は、デザインや写真にも反映されています。採用サイトの写真では、この静かに燃え続けるニュアンスを表現するために、カメラ目線の構図を避け、手元や後ろ姿、人が話している場面の「間」を切り取る構図を採用しました。

新採用サイトのトップページ

応募者の変化と社内体制への波及

採用ブランディングと採用サイトのリニューアルの結果、いくつかの定性・定量的な変化が確認されています。応募者の志望動機は、以前多かった「研修制度が魅力」という回答から、「価値観に共感した」という回答へと変化しました。また、採用サイトのリニューアル以降、先輩社員と話したり、採用サイトでメディアフォースの本気度や文化に触れた方は、必ずと言っていいほど一次面接通過後に辞退をほぼせずに次のステップに進む選択をしているとのことです。

社内の運用面でも変化がありました。従来、採用面接に現場メンバーが参加する場合は想定される質問とその模範解答をまとめた「想定問答集」を用意していましたが、VMVの策定後は、各自がVMVにもとづいて自分の言葉で対応する運用に移行しています。これにともない、採用担当者だけでなく様々な社員が採用活動に関わっていける体制になりました。

VMVの影響は採用以外にも及んでいます。「人の可能性を信じる」「手順を尽くす」といった7つのバリューを達成するために必要な能力を抽出し、社内の評価指標である「期待行動評価」とリンクさせる形で、評価制度の見直しにも着手しています。社内では、ロゴをあしらったグッズの制作や、コミュニケーションツールのアイコン・スタンプへの展開も進んでいます。

クライアントの声

最初にご相談させていただいたときに「VMVから着手する必要がある」と言われたのは正しかった、と実感しています。私たちもSIerとして、お客さまの課題の根幹から取り組むようにしているので、そこに踏み込むのは勇気がいると理解しています。グッドパッチの皆さんは、現場の温度感や社員同士の関係性など、非言語の情報を大量にインプットしていて、みんなが「何を話したか」だけでなく「どんな空気感でその話をしているか」まで見てくれていましたよね。その積み重ねがあったので、混じり気のないキーワードやVMVができたのだと思います。

——株式会社メディアフォース ソリューション事業部 副事業部長 森さん

VMVによって社員みんなが共通のイメージを持ち、自分の言葉で自社を語れるようになった。この社内の変化がとても印象的でした。グッズが作られたり、コミュニケーションツールのアイコンやスタンプにロゴが使われたりと、みんなすごく愛着を持ってくれています。心強いのは、この一連のブランディングプロジェクトに取り組んだメンバーが社内にいること。VMVを自分の言葉で語れる人が増えたことは、採用だけでなく、新しいメンバーが入社した後のブランディング活動にもきっと良い影響を及ぼしてくれると思います。

——株式会社メディアフォース コーポレート本部 本部長 家喜さん

Interview

本プロジェクトの詳細は、こちらのインタビューからもご覧いただけます。

採用課題、解決の第一歩はなんと「VMVの見直し」だった──老舗SIer「メディアフォース」のリブランディング、1年以上にわたったプロジェクトの成果とは?

Credit

BXコピーライター:稲田 桃子

BXデザイナー:中林 保之

デザインストラテジスト :秋山 さくら

BXデザイナー 石井 翔太郎

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