- Client
- イオンペット株式会社
- Expertise
- Business / Strategy Design, Business / Product Growth, UI/UX Design
- Date

Overview
イオンペット株式会社が運営する「ペテモ」のDX戦略の要として、2025年11月にリリースされたスマートフォンアプリの開発プロジェクト。グッドパッチはアプリのUI/UXデザインにとどまらずプロモーション動画、実店舗の販促物制作、店舗スタッフ用マニュアルにいたるまで、アプリと実店舗を融合させたサービス全体のエクスペリエンス設計を包括的に支援しました。徹底的なユーザー視点に基づく体験設計と、店舗スタッフの方々を巻き込んだ共創プロセスにより、月間の会員登録ペースが従来の4倍に増えただけでなく、売上も10%から20%増で推移するなど、ビジネスの成長とブランド価値の向上を同時に実現しました。
Client
イオンペット株式会社
Aeonpet.Co.LTD
イオンペット株式会社は、「しあわせも、たいへんも、ずっと、いっしょに。」というブランドステートメントの下、ペット関連商品の販売、グルーミングサロンやペットホテル、動物病院、しつけ教室や保護犬猫の譲渡施設の運営など、ペットのトータルケアをサポートする多角的な事業を展開。イオンモールをはじめとするショッピングセンターを中心に、ペット用品の販売、ペットの体のお手入れを行うグルーミングサロン、そして動物病院にいたるまで、ペットのライフサイクルを総合的にサポートするトータルケアサービスを提供しています。
Summary
支援前の課題
- デジタルマーケティング戦略の第一歩として、来店のたびにデジタルで顧客との接点を生み出す仕組みの構築が必要だった
- 機能ベースの開発からユーザー視点の体験設計に転換し、ペットオーナーの感情的価値を起点にしたアプリを目指していた
- 統一された世界観を届けるために、デジタルと店舗がつながる一連の体験が必要だった
グッドパッチの対応とご支援後の成果
- 実店舗の観察や理想のユーザー体験の可視化によって、ユーザー視点でのアプリをデザイン・開発
- プロジェクトメンバーだけでなく店舗スタッフとのていねいなコミュニケーションによって、社内の納得度を高めながらローンチを実現
- リリース半年で50万ダウンロード達成し、会員による売上も10〜20%増を達成
- プロモーション動画、実店舗の販促物、店舗スタッフ用マニュアルにいたるまで、オンラインとオフラインの境界を越えたサービス全体のエクスペリエンス設計を包括的に支援
構想5年、DX戦略の根幹に据えた
スマートフォンアプリ開発
イオンペットが、DX戦略の根幹に据えていた会員向けスマートフォンアプリの開発は、構想に5年を要した一大プロジェクトでした。店舗のネットワーク整備、情報の外部連携、社内のシステム環境といった問題を解消し、開発環境の下地が整った2024年ごろに開発パートナーの探索を開始。
「ゲスト会員機能など、機能ベースの設計では出てこない要素を、提案段階から持ってきてくれた。ユーザー視点で提案をしてきたのは、グッドパッチだけでした」と、執行役員の平井さんは振り返ります。
私もそうだったのですが、システム開発に慣れ親しんだ人間はサービスの設計をする際に、どのような機能が必要かという点から考えていくことがほとんどです。しかし、グッドパッチの提案は、会員登録せずにすぐに使い始められる「ゲスト会員」構想など、機能ベースでの設計では、絶対に出てこないような要素が当初から盛り込まれており驚きました。(イオンペット 平井さん)

「店頭でどう使われるか」から逆算
愛され、使い続けたくなる機能設計
デジタル上で完結する一般的なスマートフォンアプリと異なり、店頭での使用が前提となるため、最初の2カ月は店頭でアプリがどのように使われるかといった理想のユーザー体験を設計。これらを基にアプリの機能要件を固め、コアとなる機能を企画・デザインしました。
その場ですぐに使える、ストレスフリーな会員登録
余裕のない会計時でもスムーズにアプリの利用を開始できるよう企画した「ゲスト会員」ステータス。会員登録の手間なく、インストールして数秒で、クーポンの利用やポイントの獲得といったアプリの機能を使用できます。より多くの方に気軽にアプリを使い始めていただくとともに、レジ前の行列解消にも役立っています。

開くたびに愛おしさを感じる、世界にひとつの会員証
アプリを開いて最初に表示されるのは、愛するペットの写真が大きく表示される世界にひとつだけの会員証。ペットへの愛着を感じられるデザインを実現するため、コード表示時に顔が隠れないサイズ感を何度も検証を重ねました。ペテモとの関わりの中で大切なペットの姿を取り入れることで、長く愛され、使い続けたくなるアプリ体験を目指しました。

きっかけが自然に生まれる、店舗とアプリを繋ぐ日常体験
店舗への来店動機をつくる仕掛けとして企画したのが、店内のQRコードから1日1回挑戦できる「もぐもぐペテモくじ」です。単にポイントが当たるだけの機械的な仕組みではなく、ペテモの温かく優しい雰囲気を感じてもらうため、ペットがおやつを食べるアニメーションを採用しました。実装にあたっては、「おやつを食べる前の表情やポーズ、演出はどんなものが考えられるか」「そのとき、どのような背景があるとよいか」など、ユーザー視点で店舗スタッフの方々と議論を重ね、細部までこだわって作り込みました。
また、アプリの利便性をより深く知っていただくためのアプローチとして「ミッション」機能も企画しました。写真登録やプロフィール入力など、ミッションをクリアしていく中で自然にアプリの機能を知ることができるよう設計しています。アプリと店舗をつなげるために、最初にクリアするミッションには「もぐもぐペテモくじ」を組み込みました。

現場の不安を期待に変えた
3社間の共創プロセス
実店舗に来店して登録するというアプリの特質上、店舗で働くスタッフの方々がスムーズにアプリを案内できることが重要でした。そのため、毎週、約20名の店舗スタッフの方々とミーティングを実施し、デザインの理由や背景を説明するとともに、その場で出た機能や画面のフィードバックなどの意見を反映しながら進めていきました。


開発は、イオンペット・グッドパッチ・エックスポイントワンの3社で進めました。多岐にわたるステークホルダーと調整しながら、上流工程はウォーターフォール、実装フェーズは修正に柔軟に対応できるアジャイルという、ハイブリッド型の開発形式を採用。デザインの意図を深く理解した開発を行うため、エンジニアが開発した実機をデザイナーが操作しながらフィードバックやレビューを行うなど、細かな点までアプリの完成度や体験価値の向上を追求しました。
正直なところ、プロジェクトの初期は、店舗スタッフにアプリの構想や紙の会員カードがなくなるメリットを説明しても「現場の負担が増えそう」「アプリを作って何か意味があるの?」といった厳しい意見も少なくありませんでしたが、リリースが迫るにつれ、社内でのアプリへの期待が高まっていくのを感じました。(イオンペット 本田さん)

ランディングページからチラシ・POPまで
一貫した顧客体験をデザイン
プロジェクトが進む中で、本質を捉えたUX設計を実現するため、当初のアプリデザイン・開発領域を超え、店舗スタッフ向けマニュアル、ランディングページ、プロモーション動画、チラシ・POPにいたるまで、あらゆるタッチポイントを一貫した体験として設計しました。


「ペテモ」は実店舗がユーザーとの最初の接点になることが多いため、店頭で期待を生み、そのままアプリの利用へつなげることを前提にしたコミュニケーション設計になるよう工夫しました。
のぼりやポスターといった販促物も単なる告知のツールとして扱うのではなく、レジ待ち時間や買い物中といったシーンで自然に視線を誘導でき、興味を持ってもらった上でそのままアプリのダウンロードへとつながるよう、販促ツールの選定や掲出方法も含めて設計しました。
そのほかに、店舗スタッフ向けのマニュアルやGoogle Analytics探索データの設計・実装など、幅広く支援させていただきました。

グッドパッチの皆さんとアプリ開発を進めていく過程で、この体験価値を届けるツールも作るべきだと感じるようになりました。一社にすべてを任せることに、懸念がなかったわけではありません。でも、成果物であるアプリの顧客体験が本当に良くて。表層的なUXに留まるくらいなら、本質を捉えたUX設計ができるグッドパッチに引き続き依頼したいと思いました。(イオンペット 平井さん)
店舗に掲示する販促物は、掲示する場所や用途によって適正サイズが異なるため、特に文字フォントサイズは何度も細かく調整を重ねて、結果的にかなりたくさんの量を作成していただきました。かなり苦労されたと思いますが、グッドパッチは、媒体が変わってもペテモの世界観を引き継いでくれるという確信があって。その通りだったなと思います。(イオンペット 本田さん)
会員登録数は月平均4倍以上
会員売上も10%から20%増
2025年11月18日にリリース後、10日で10万ダウンロードを突破し、「ショッピング」カテゴリのランキングで一時1位を獲得。約半年後には50万ダウンロードを超え、ダウンロード数に比例して、会員の方の売り上げも10%から20%増で推移するなど、売上にもつながる成果を出しました。
アプリのリリース日、店舗でお客さまがアプリを使ってくださっている様子を見たときは感動しました。来店ポイントが当たる「ペテモくじ」でも、操作を悩まず楽しんでいる様子が見られて、理想としていたユーザー体験が実現できていると感じました。(イオンペット 彦坂さん)

アプリリリースまでを振り返って
引き続き、アプリのグロースに向けた施策は続いていきますが、ここまでのプロジェクトを通じて感じた所感を伺いました。
グッドパッチの皆さんは、私たちと同じくらい熱量を持ってくださっている印象です。今回の案件はステークホルダーが多く、システム側からしても難しい案件だったと思いますが、あらゆる人の立場を理解して進めてくれました。(イオンペット 彦坂さん)
私は事業部門のプロジェクトリーダーを務めていましたが、社内で近しい目線で相談しあえる人が少ない点に悩んでいました。現場からの細かい質問や、依頼への返答に困っているときにも、グッドパッチの皆さんはすぐに返信してくれるのでとても感謝しています。(イオンペット 本田さん)
プロジェクトが始まる前の話になりますが、グッドパッチは「おしゃれで洗練されたデザイン会社」というイメージでした。
しかし、現在は良い意味で「地に足のついた会社」だと思っています。現在の実店舗の規模から考えると、イオンペットの商圏は400万世帯です。日本でペットを飼っている家庭は約1500万世帯と言われているので、より多くの方たちに向けてペテモをアプローチしていきたいです。
そのためには、現在のペテモアプリとはまた違った機能が求められると思うので、最適な形をグッドパッチの皆さんと一緒に考えていきたいですね。’(イオンペット 平井さん)
Credit
プロデューサー・PM:栗田 透
プロデューサー・PM:田口 恭平
UIデザイナー:小林 菜々恵
クリエイティブディレクター:栃尾 行美
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