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デジタルグリッド

急成長期に伴う実態と発信のギャップを解消 全社で創るブランドの共通言語

Client
デジタルグリッド株式会社
Expertise
Brand Experience Design, Organization Design
Date

Overview

IPOから半年が経ち、急成長を遂げるデジタルグリッド株式会社。事業が急速に拡大する中で、「事業の実態」と「社外へ発信した内容」のギャップに向き合う必要がありました。さらに、社員数が100人以上になるのを目前に今後の意思決定や組織の拠り所となる「共通言語」の確立が急務となっていました。

 
グッドパッチは、経営層から現場まで全社を巻き込むアプローチで、内に秘められた「デジタルグリッドらしさ」を言語化し、紡ぎ出されたタグラインやブランドストーリーを核に、ロゴ、コーポレートサイト、ブランドガイドラインへと一貫したデザインに落とし込みました。

 

急成長フェーズにおける組織のブレをなくし、「エネルギーの課題を解決するプラットフォーム企業」という確固たるブランド像を社内外へ浸透させるための、デザインパートナーとしての伴走の裏側をご紹介します。


Client

デジタルグリッド株式会社

DIGITAL GRID Corporation

デジタルグリッド株式会社は、「エネルギーの民主化を実現する」をミッションに掲げ、テクノロジーでエネルギーの未来を変革し、再エネをスタンダードにすることを目指すプラットフォーム企業です。日本初の民間企業による電力取引市場「Digital Grid Platform」の運営を中心に、再エネ調達、環境価値取引、アグリゲーションサービスなど、エネルギーの新しい流通形態を切り拓き、電力調達の最適化と再エネ普及を加速させています。

Summary

支援前の課題

  • 実態と発信内容のズレを解消し、実態と目指す未来を正確に伝えられるコーポレートサイトへのリニューアルが必要だった
  • 社内外のブランド表現を統一するため、基準となるブランドガイドラインの整備が求められていた
  • これからの組織拡大に備えて、社員の拠り所となるブランドの言語化が必要だった

グッドパッチの対応とご支援後の成果

  • 全社員参加の1dayワークショップを企画・開催し、デジタルグリッドらしさを言語化
  • タグライン・ブランドストーリーの開発から、ロゴ・キービジュアル・コーポレートサイト・ブランドガイドラインまでワンストップで構築
  • 「エネルギーの課題を解決するプラットフォーム企業」というブランド像を社内外に確立し、急成長フェーズでも社員が立ち返れる共通言語とデザイン基盤を整備した

事業の急拡大で直面した、実態と発信内容のギャップ

IPOから半年が経ち、急成長を遂げるデジタルグリッド株式会社は、事業の急速な広がりに対してコーポレートサイトの内容が追いついていないという大きな課題を抱えていました。加えて、社員数が80人から100人規模へと拡大することを見据え、今後の意思決定の拠り所となる「デジタルグリッドらしさ」の言語化が急務となっていました。

グッドパッチを選んだ最大の理由は、単なるデザイン制作のパートナーではなく、「組織の急成長をどう乗り越えるか」「社員をどう巻き込むか」といった組織の課題まで深く相談できるパートナーになってくれると感じたためです。グッドパッチも80人から260人規模への急拡大を経験されており、その経験に基づいた実践的な支援にも期待を抱きました。(デジタルグリッド 大原さん)


全社ワークショップからひもとく 「らしさ」の言語化

デジタルグリッドのブランドを定義するため、経営陣や社員、そして顧客のそれぞれの視点からインタビュー調査に加え、ミッション・ビジョン・バリューの浸透度を測る社内アンケートを実施しました。社内アンケートを通じて明確になった「ミッション・ビジョン・バリューに対する共通認識の醸成」という課題に対して、CEO・COOによる対談とワークショップを取り入れた社内イベントを企画・開催しました。


Work1  デジタルグリッドストーリー

それぞれの視点でデジタルグリッドの本質的な提供価値や「らしさ」を抽出するため、ミッション・ビジョンへとつながる、私たちの過去・現在・未来のストーリーを描くワークを実施しました。独自のワークシートを用いて、デジタルグリッドの事業や組織文化の強み、そしてビジョンである「エネルギーの民主化を実現する」の言語化に取り組みました。


Work2 タグラインワーク

デジタルグリッドのありたい姿や「らしさ」を社員間で共有し、言語化のヒントを抽出するため、「デジタルグリッドが雑誌に掲載された」というシチュエーションを想定し、タグラインのアイデアを出し合うワークを実施しました。

Work3 Valueワーク

全社員が持つバリューに対する認識をアップデートするため、「もしも今あるValueを一つ変えるなら」「新しいValueを作るなら」というテーマでワークを実施しました。

 

ワークとワークの合間には、ミッション・ビジョン・バリューに対する想いを伝えるトークセッションを実施。ワークショップ終了後のアンケートでは、「会社の⽬指すべき⽅向について再確認でき、普段なかなか話すことのできないメンバーとも交流を深められた」といった声も生まれました。



「デジタルグリッドらしさ」を言葉にした
タグラインとストーリーの策定

開催後、ワークショップで集まった意見を集約・分析し、デジタルグリッドらしさや、ありたい姿を示す重要なキーワードとイメージを抽出しました。これらを基に経営陣と議論を重ね、タグラインおよびブランドストーリーを開発。企業を人格として捉えるブランドアーキタイプを基に、言葉遣いや指針、重要なキーワードなど細部までこだわって設計しました。

 

さらに、暗黙知になっていた現場の声を引き出すため、社内アンケートを通して全社員の声を拾い上げ、意思決定に反映できるようプロセスを設計しました。また、毎月の全社ミーティングでプロジェクトの進捗を共有することで、ワークショップが終わった後も社員一人ひとりが自分ごと化できるようにコミュニケーションを工夫しました。


言葉から視覚へ、ブランドの世界観を一貫して展開

プロジェクトの後半では、定義した言葉や世界観を視覚表現へ反映するため、ロゴ・ビジュアルアイデンティティ・コーポレートサイト・デザインマスターの作成に取り組みました。

ロゴの制作過程では、社内アンケートを通して判明した「約65%の社員が現在のロゴに深い愛着を持ち、形を大きく変えたくない」という社員の想いを踏まえ、鳥・太陽・電気・コンセントといった既存の大切なDNAを継承しながら、多様なエネルギーが自由に広がっていく様子を表現しました。色(コントラスト)や 太さ、色ベタ面の割合の観点で検証を行い、視認性が高く存在感のあるデザインへと昇華させ、現場の納得感を伴った刷新を実現しました。

 

複雑な事業を、ひと目で伝わる構造へ

電力取引、再エネ調達、蓄電池を活用した調整力など、デジタルグリッドの事業は多岐にわたります。一方で、その複雑さゆえに「何をしている会社なのかわかりにくい」という課題がありました。本プロジェクトでは、日本のエネルギーが抱える「仕組み」「自給率」「活用」の3つの課題と、それに応える3つの提供価値をワンフレーズで簡潔に表し、3つの事業を対応づけて整理しました。

また、初めてデジタルグリッドを知る人にとって、見えないエネルギーの流れの中でデジタルグリッドがどんな役割を担っているのかを直感的に理解しやすい表現を目指して、発電家・需要家・蓄電所と各事業のつながりを1枚の構造図に落とし込みました。構造図にエネルギーや顧客マッチングの流れも加えることで、多岐にわたる事業の広がりを表現しました。


新しいコーポレートサイトの作成では、見えないエネルギーの流れを「DGボーダー」と呼ばれる独自の直線的な視覚言語やモーショングラフィックスで表現し、企業の先進性と躍動感を体現しました。実装にあたっては、エヴォワークス社およびWOW社と密に連携し、構築した世界観がサイト上で表現できるよう取り組みました。

 

さらに、今後のさらなる組織拡大を見据え、社員自身がブランドを運用していけるよう体系的な「デザインマスター」を整備しました。「物腰柔らかく分かりやすく、知的で強い意志を感じさせる口調」といったデジタルグリッドらしい言葉遣い(Do's & Don'ts)やデザインフィロソフィー、ムードボードなどを定義し、グッドパッチがプロジェクトから離れた後もブランドの一貫性を担保できるような体制を構築しました。


プロジェクトを終えて

プロジェクトを終え、コアメンバーとして伴走いただいた大原さん・手塚さん・椋木さん・安藤さんにお話を伺いました。

それぞれのメンバーが持っていた課題を一度に解決できる手段が、ブランディングでした。会社が大きくなり、100人の壁を越えようとするなかで、私自身、「僕らは何者なのか」という解釈が揃っていないことに課題を感じ、今後の組織拡大を考え今のうちに軸をそろえておくべきだと考えていました。

 

プロジェクトを終えて、社内に共通の理解が生まれたのはもちろんですが、個人的に大きいと感じた変化は採用です。求職者の会社理解度が格段に上がりました。以前は「電力プラットフォームとはどういうことですか」から始まっていた質問が、今では「他社と比べたときの強みは何か」と、1段も2段も深いものになっています。営業資料や提案書のクオリティも見違えるほど変化しました。

 

一番記憶に残っているのは、萩原さんと構造図を作ったときのことです。僕自身が何度も向き合って難しいと感じていたテーマだったため、一度は「やめましょう」と断りました。それでも萩原さんは「絶対にこれを作りたい。作るべきなんです。いつ時間を取れますか」と高い熱量で伴走してくれました。パートナー選びの基準であった伴走力を一番実感した瞬間でした。(デジタルグリッド プロジェクトオーナー 大原さん)

デジタルグリッド プロジェクトオーナー 大原さん


プロジェクト前は、デザインの軸になるものがなかったため、複数のプロダクトがそれぞれ何を基準に作られているのかわからず、品質にもばらつきが生まれていました。すべてが個人の感覚に依存してしまうことにすごく危機感を覚え、立ち返る場所をつくりたいと思っていました。

 

展示会ブースや子会社のWebサイトなど、さまざまなものを制作していますが、どんな要素を置けばデジタルグリッドらしくなるのかが言語化されたことで、誰が手がけてもデジタルグリッドらしいアウトプットができるようになりました。以前は僕の感覚でしかクリエイティブを判断できませんでしたが、今はDGボーダーや、色をどんな割合で使うかといった配色のバランスまで、ワークショップを通じてみんなで決めた基準があるので、それを拠り所に話し合えます。

  

デザインが民主化された感覚があって、とても心地がよいです。さらに、立ち返る場所があるからこそ、安心して新しい表現にも挑戦でき、デジタルグリッドらしさを磨き続けられています。(デジタルグリッド デザイナー兼エンジニア 手塚さん)

デジタルグリッド デザイナー兼エンジニア 手塚さん

前職のベンチャー企業でもブランディングに携わり、50人、100人、300人と組織の壁を越えていく過程を経験していたのですが、そのときは手を打つのが遅れてしまったという反省があります。そのため、デジタルグリッドの成長が当時と重なって見えていました。100人の壁を迎える今やらなければ後悔するという思いから、このプロジェクトに参加しました。

 

手塚さんがよく口にしていた「立ち返る場所」という言葉がとても好きで、今も使っています。新しいスライドデザインを基に、決算説明資料もすべて作り直しました。IRの中だけで完結していたかもしれない資料が会社として統一されたクリエイティブに生まれ変わったことで、会社への帰属意識も高まったと感じています。一方で、これから入ってくる新しいメンバーにDGらしさをどう浸透させていくかは、次の課題だと捉えています。

 

グッドパッチは、会社は違っても同じ思いで同じゴールに向かえた、ワンチームの仲間でした。こちらが10の要望を出すと、10の答えを返すのではなく、100ほど考えたうえで40に絞って持ってきてくれる。チームの中で必死に考えてくれているのを毎週の定例で感じていましたし、個人としても本当に楽しいプロジェクトでした。(デジタルグリッド IR 椋木さん)

デジタルグリッド IR 椋木さん


広報として「事業が複雑で、パッと見で何をやっている会社なのかわかりにくい」という課題を持っていたため、何を大切にしている会社なのか、どんな良さがあるのかを、もっと多くの人に知ってもらう必要があると思っていました。

 

プロジェクト後に感じた一番大きな変化は、タグラインができたことです。私たちが何を大切にし、社会に何を提供していくのかといった共通認識を言葉に落とし込めたことで、広報だけでなく営業の最前線にいるメンバーも迷わず同じ言葉を使うようになりました。社外にも会社のイメージが伝わりやすくなったと思います。

 

グッドパッチのチームには、熱量と諦めない強さがありました。私たちのメンバーはそれぞれ強い課題意識を持っていたので、多くの要望をお伝えしていましたが、嫌な顔ひとつせず、「無理です」ではなく一緒に考え、アイデアやバリエーションを出し続けてくれました。より良いものを目指し続けるその姿勢に、本当に感謝しています。(デジタルグリッド 広報・PR 安藤さん)

Credit

プロデューサー・PM  佐宗 純

ブランドストラテジスト 萩原 みすず

BXデザイナー Qin Kai

UIデザイナー 世喜 輝彦

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