Goodpatch closed its Berlin office. We will continue to help businesses through Tokyo HQ.

Client
株式会社Shippio
Expertise
Brand Experience Design
Date

Overview

Shippioは、オンライン上で輸出入の発注、管理ができるデジタルフォワーディング業務を行う国際物流領域のスタートアップです。組織の急速な成長を支える強い土台を作るため、ビジョン・ミッション・バリューの構築ミッションステートメント、ブランドアイデンティティの策定を行い、Shippioのブランドエクスペリエンスの向上をお手伝いしました。

組織の成長を支えるインナーブランディング

2019年11月、シリーズAで10億円を調達し、事業拡大にドライブをかけるShippio。
国際物流業界での注目・期待も大きくなる中、重視したのは組織の急成長を支えるためのインナーブランディングの強化でした。当時の状況をCEO佐藤さんは次のように語っています。

組織が大きくなってきて、共通言語が必要になってきていたんですよね。そんな時にHolmesの笹原さんからGoodpatchさんとのプロジェクトのことを聞いて、お願いすることに決めました。

2016年の創業から、少しずつ組織が大きくなる中で、僕たちはVision,Missionを考えようとして二回失敗しています。オフサイトミーティングでアイデアのタネが生まれたのに実行できずに終わったり、創業者の熱量が先行した言葉になってしまってメンバーに伝わらなかったり…。スタートアップのアンチパターンを全部通ってきているかもしれません。そんなことがあったので「もう同じ失敗はできない」と思っていました。

引用:内側からデザインする。ShippioとGoodpatchが向き合ったブランドエクスペリエンス

多角的な視点を得る、全方位インタビュー

インナーブランディングに必要な観点は様々です。
企業のカルチャーや価値観はもちろん、業界構造や事業の提供価値の再整理を通して、多角的にShippioの輪郭を捉える必要があります。

そのため、経営者・メンバー・ユーザー・パートナー企業・株主と様々なステークホルダーに対してインタビューを実施させていただきました。

ブランドの思想を業界と社会に置く

Shippioが目指すのは、単なる貿易業務の効率化やコスト削減だけでなく、業界そのものが抱える課題を解決していくことです。業界構造の分析、社会的背景との接続を意識しながら図やマップを使って大きな視野・視座で構造化しました。業界や社会に文脈を置き、なぜこの時代、この社会にShippioが必要なのかを言語化し、より多くの人に納得・共感されるように磨いてゆきます。

僕ら以外のメンバーにも皆さんがインタビューをしてくれて、このプロジェクトに参加するきっかけを作ってくれていましたね。あと、成果物が当初想定していた5倍くらいありました。これまで出会ってきたパートナー企業さんの中でも、一番刺激を受けたチームだったなと思います。

定着する言葉に残す

プロジェクトのメインとなるアウトプットは、Shippioの新たなビジョン・ミッション・バリューの構築です。これまで議論してきた創業時の想い、世の中に対して成し遂げたいこと、Shippioの輪郭を言葉に残します。単にキーワード化されたものにならない様、10年先も指針として使っていくイメージが持てるか、何をどの視座で言うか何度も検証しながら単語一つ一つにこだわり抜きました。

ブランドを表す言葉を使う

ビジョン・ミッションと合わせて、判断や行動の指針となる“Anchors”も策定させていただきました。一般的には、バリュー(Value)という名称で馴染みがありますが、「自分たちらしくあり続けるための、動かしてはいけない指針」という役割に立ち戻った時に、よりShippioの個性が表せる言葉として、大きな船を支える「碇」の意味を持つ“Anchors”という言葉でまとめあげることを提案させていただきました。

ブランドのストーリーに相応しいユニークな言葉を置くことで、愛着が生まれ、早く深く組織に馴染むことを目指します。

ビジュアルで語るブランドストーリー

Shippioの想いやストーリーを余すところなく形にするため、言葉だけでなく、ブランドロゴ・ブランドカラー・ブランドモチーフを作成しました。思想と言葉とビジュアル、この3つが一貫したストーリーでつながることで、どこに触れてもShippioのブランドを感じ、組織の共通言語になることを目指しています。

ロゴタイプには、地軸の傾きを取り入れ地球の真ん中にある地軸と業界のど真ん中から世界を前進させようとしている自分たちを重ね合わせ誇に感じてもらえるように、ブランドカラーのストーリーには、困難な挑戦であってもその先には必ず輝く価値があると信じられるように、ブランドモチーフには創業時のストーリーを載せ、この先どんなことがあっても原点は変わらず、立ち返る場所が常にあることを感じてもらえるように、という想いでコンセプトを設計させていただきました。

経営企画室のような安心感

今回のプロジェクトチームについて、Shippio佐藤さんから次のようにコメントをいただきました。

「このチームを一言で表現するなら、Shippioに臨時経営企画室ができたような心持ちでした。僕も土屋もフリートークで発散するタイプなので、それを拾って構造化してまとめてきてくれるチームがあることへの安心感はとても大きかったです。」

特にスタートアップの初期フェーズにおいては、事業は日々目まぐるしいスピードで変化し、経営陣は大きなVIsionを掲げつつも、目の前の組織や事業、プロダクト、あらゆる視点を考慮しながら前に進み続けなければいけません。

そのような方々が前に進むことに全力集中できるよう、デザインの力であらゆることを可視化・構造化し足元を整えていくこと、より多くの人に届くよう翻訳すること、これも私たちがデザインパートナーとしてできることの一つです。

内側から外に広げるブランディング

モノよりコト(体験)が重要とされている現在、世の中にはユーザーの声に寄り添う多くの素晴らしいサービスが溢れ、競争環境はますます激しくなっています。その中でユーザーに選ばれ続け、途切れない関係性を築くために、企業は価格や機能による差別化だけでなく理念や価値観といった思想への「共感」を獲得することが重要です。

そしてこの企業とユーザーの関係性は、企業と従業員も同様です。
企業の内側にある理念や価値観を紐解き、同じ志を持った社員一丸で共通の目標に向かえる
土台作りが重要で、統一された組織の想いがサービスやプロダクトに乗り、世の中に広がっていくこと。これがGoodpatchが大切にする内側から外に広げるブランディングの考え方です。

今回のプロジェクトでは、まさにこれからShippioが世の中に向けて自分たちの想いをど真ん中から広げていくための土台作りとなる取り組みとなりました。

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