Goodpatch closed its Berlin office. We will continue to help businesses through Tokyo HQ.

Client
IG証券株式会社
Expertise
Digital Product & Service Design
Date

Overview

イギリスのロンドンに本拠点を持つIG証券は、1974年に設立された、FX / CFD / ノックアウトオプション / バイナリーオプションのリーディングカンパニーです。FXから個別株、株価指数、債券、商品など17,000銘柄以上の金融商品を提供しています。

GoodpatchはIG証券が提供するFXプラットフォームと、ノックアウトオプションのプロダクトローカライズを支援。ロンドンと東京で協働しながら、日本ユーザーに合わせたプロダクト改善のためのユーザーリサーチ、UIデザイン、表層デザインのコンセプト作成、そして今後自走できる組織をつくるためのデザイナー採用支援をサポートしました。

ロンドンと東京共同のプロジェクト

クライアントとチームになって偉大なプロダクトを生み出すため、私たちはチームビルディングをとても大切にしています。IG証券とのキックオフでは、ロンドンと東京それぞれの社員の皆さんに参加いただき、プロジェクトメンバーを知ること、そしてプロジェクトを深く理解することを目的にしたワークショップを2日間かけて行いました。

プロジェクトメンバーを知る

まずはお互いのことを知るために、ノールック似顔絵というワークを実施。プロジェクトメンバーが話せる言語もバラバラだったので、言語に頼らないことを意識しました。

似顔絵を使って自己紹介をしたあとは、プロジェクトメンバー全員の役割や責任を可視化した体制図を作成。キックオフ段階でステークホルダーを明らかにして、プロジェクト進行をスムーズにする工夫をしました。

チームビルディングワークショップの様子

プロジェクトを深く理解する

チームビルディングの次に行ったのが、プロジェクトの理解です。
日本ユーザーへの最適化で何を実現するのか、誰のために行うのか。プロジェクトのゴールを全員で揃え、プロジェクトステートメントという形に落とし込みました。

暗黙知をペルソナで可視化する

日本ユーザーへの最適化の背景には、他国と比較して日本のFXユーザーの離脱率が高いことが挙げられます。

そこで私たちは、Goodpatch社内で実施していたユーザーリサーチの結果と、ターゲット層のカスタマージャーニーマップを仮説として提示。注力すべきKPIなどビジネス要件についても認識を揃えながら、FXトレーダーの中でもどのような層にフォーカスするのかを決めていきました。

IG証券における顧客層を洗い出すため、インタビューするFXユーザーを4つのセグメントに絞り、10時間以上に及ぶユーザーインタビューを行いました。その結果から、プロダクト改善のターゲットとしていくことで離脱率を下げられる層をペルソナとして導き出しました。

このペルソナ像はIG証券の顧客対応チームの認識とも合致していたことから、プロダクトの価値を届けるペルソナが決まりました。これまで暗黙知として存在していた共通認識を、ペルソナとして可視化したことで、プロジェクトが前進した瞬間でした。

KPIに寄与するUIデザイン

プロダクトの最適化を、ペルソナとなるユーザー中心に届けていくためには、日本人ユーザーに合わせた情報設計、日本人ユーザーにとって役立つ新しい機能のアイデアやビジュアルデザインが必要でした。

そのために私たちは、離脱率という課題を分解し、UIデザインでどのように解決できるのか整理していきました。

日本人ユーザーが課題に感じている部分を洗い出し、解決案をかけ合わせたワイヤーフレームを作って可視化。注文画面をはじめ、現在も日本ユーザーに最適化したUIの実装が進められています。

UIデザインにおいては、英語と日本語では読みやすいフォントやマージンが異なるなど、日本ならではの改善が必要な部分もあったため、イギリス本国のデザインガイドラインとのバランスを調整することにこだわりました。

プロダクトの領域を超えるパートナーシップ

Goodpatchのデザインパートナーとしてのスタンスは、自走できる組織を増やすことです。そんなスタンスは、IG証券のプロダクト改善の領域を超えたところでも表れています。

IG証券は、17,000銘柄以上の金融商品や、「ノックアウトオプション」という新しいオプションサービスを日本で初めて提供した企業です。挑戦し続ける姿勢、新しさを反映したブランドパーソナリティがあることで、IG証券のプロダクトがGoodpatchの手を離れたあとも、日本で成長し続けられるのではないか。そんな想いから、日本人によりフィットする表層デザイン、新しいガイドラインの提案もさせていただきました。

また、私たちの手を離れてからも、IG証券の東京チームによるプロジェクトは続いていきます。プロダクトづくりの土壌を1日でも早く作るため、デザイナーのキャリア支援プラットフォームReDesignerを活用して、デザイナー採用支援もサポート。このように、プロダクトや組織のフェーズに合わせて、パートナーとしてさまざまなソリューションを提案しています。

グローバルプロジェクトで最高のつくり手になるために

このプロジェクトの最大の特徴でもある、ロンドンと東京でのコミュニケーション。私たちはIG証券の皆さんとチームになるために、専門用語を日本語と英語両方で覚えるなど、相手の視点、立場に寄り添う姿勢を大切にしました。

また、2日間にわたって開催したキックオフワークショップで全員の共通認識を作ったことが、チームになるために必要な信頼を醸成するきっかけになったのだと思います。

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