チーム内のコミュニケーションを活性化させる、ワールドカフェとは

チームメンバーが個々の多様性を活かしながら主体的に動き、一丸となって目標や目的を達成する。そのような生産性の高いチームを作るためには、メンバー同士の信頼、活発な対話、お互いの意見の理解などが不可欠ですよね。
最近ビジネス・政治・教育などの分野で注目されている『ワールドカフェ』という対話の手法は、上記の特徴を持ったチームを作るのに役立つかもしれません。ワールドカフェは通常の会議とどう違うのか、どのようにチームビルディングに貢献できるのか、具体的なやり方を本記事で解説いたします。

ワールドカフェとは?

ワールドカフェとは、1995年にアニータ・ブラウン氏(Juanita Brown)とデイヴィッド・アイザックス氏(David Isaacs)が自宅で行った少人数のディスカッションを元に考案したワークショップ方式です。ブラウン氏とアイザックス氏は緊迫した会議空間に比べて、カフェのような参加者がリラックスできる環境の方が対話の生産性や創造性が高まるという発見に着目しました。近年、ワールドカフェはApple、Google、コカ・コーラ、ウェルズ・ファーゴなどの名だたる企業、NASAを筆頭とする大規模な研究機関、欧州連合(EU)などの地域統合体の話し合いの場でも活用されます。

ワールドカフェの主な特徴は、以下に集約されます:

1.対話のテーマが事前に決まっている
「何について話しても良いよ」というように自由すぎる意見交換の場は、参加者を困惑させます。そのため、議題や問いは開催者が事前に設計します。例えば、新規事業やチームの立ち上げ段階で行うワールドカフェなら、「最高のチームとは」や「他社に見習うべきところ」など、チームメンバーをモチベートできるような議題を設定すると良いかもしれません。

2.参加者がリラックスした状態で話せる雰囲気
ワールドカフェにおける対話は、立場や業種の枠を超えて、参加者全員が安心してコミュニケーションできる環境を前提とします。オープンな意見交換を行える雰囲気を作ることは、参加者同士も打ち解け合うきっかけになるでしょう。そのため、この項目はチームビルディングを目的としたワールドカフェにおいてとても重要です。
参加者がリラックスして対話を行えるよう、主催者側は会場設営や当日のファシリテーションの工夫を考えましょう。例えば、対話の開始前に主催者がワールドカフェの意義について説明することで、参加者は目的意識を持って対話に臨めるようになるかもしれません。ただし、参加者の自由な意見交換がワールドカフェの醍醐味なので、テーブルでファシリテーションを行う場合は過度な誘導を避けましょう。

3.解決案の合意を目的としない
ワールドカフェは討論の場ではなく、より多くの知識やアイディアを生み出すためのオープンなコミュニケーションを目的にしています。アイディアの優劣を決めることなく、意見の多様性を受け入れることが参加者に求められます。したがって、対話の末に一つの解決案に辿り着くことはあまり期待できません。早急に解決しなければならない議題には、ワールドカフェ以外の手法を用いると良いでしょう。

ワールドカフェ実施のポイント

ワールドカフェ開催に重要な準備のポイントをご紹介いたします。

テーマ設定

まず、主催者側が話し合いの核となるテーマを設定します。テーマは、参加者全員がある程度の知識と興味を持って臨めて、前向きな気持ちになれるものが良いでしょう。ワールドカフェを開催する目的、参加者に共通する課題、期待する効果などを考えていくうちに、そのテーマは見つかるかもしれません。また、そのテーマを “問い” の形にして当日の参加者に提示すれば、より話を始めやすくなるでしょう。

備品の準備

  • 模造紙とマーカー
    対話の流れや大事なポイントなどを可視化するために、各テーブル用の模造紙と人数分のマーカーを用意しましょう。アイディアを書き出すことで思考を整理することも可能になります。
    情報の視覚化の方法はこちらの記事でもご紹介しています。
  • お菓子、お花、季節感のある小物など
    会場のデザインも工夫しましょう。カフェのようにお菓子やコーヒーを用意したり、テーブルに季節感のある小物を置いたりして参加者の気持ちを和ませることができれば、話し合いもリラックスした雰囲気で続けられそうですよね。参加者が一緒に取り組めるボードゲームやおもちゃなどを置いておくと、ワールドカフェを開始する前にお互いを知る機会にもなり得ます。また、当日のテーマに沿った問いを紙に書いて各テーブルに置くと、対話前の会話のきっかけになり、参加者の心理的なハードルを下げることができるかもしれません。

アイスブレイクの時間を設ける

参加者が会場の雰囲気に慣れるまでに少し時間がかかる可能性があるので、当日は対話を開始する前にテーブルメンバーでのアイスブレイクをおすすめします。アイスブレイクを行うことで、参加者がお互いを知る機会ができ、その後の対話がより活発になるかもしれません。

会議やイベントで活用!簡単に準備できるアイスブレイクのワーク

ワールドカフェの意図を説明する

なぜ通常の会議形式ではなく、ワールドカフェ形式を取り入れたのか。どんな効果を期待しているのか。対話が始まる前に、ワールドカフェの趣旨、流れ、備品について説明しましょう。解決策の合意を得ることではないこと、討論の場所ではないことを強調し、参加者にオープンな気持ちで対話に臨んでもらうことも得策と言えます。

ワールドカフェの流れ

ワールドカフェの一般的な流れを紹介します。ワールドカフェは4つのラウンド(各20〜30分)に区切られ、1テーブル5人以下のグループに分かれます。少人数グループを作ることで、時間内にメンバー全員が発言できるようにします。また、ラウンドの間にはグループのメンバーチェンジも行われます。

この流れは目的によってカスタマイズすることが効果的です。

  1. テーマについて探求
    自己紹介を行ってから、そのワールドカフェで与えられたテーマや問いについて対話します。主催者側が用意した問いをスタート地点とし、それぞれが自由に感じたことを話しましょう。
  2. Rアイディアの交換
    Round One のテーブルメンバーを一人だけ残して、他の参加者はバラバラに他のテーブルに移動します。残されたメンバーは、新しいメンバーに Round One の対話の内容を説明します。その後、新しいメンバーも元のテーブルで得た知識や洞察を元に、より深い対話を始めます。
  3. R気づきや発見を統合
    参加者全員が Round One で座っていたテーブルに戻り、Round Twoで得た気づきや発見を他のメンバーにシェアします。どのような意見の多様性が見られたか、逆にどこで合意したかなどを掘り下げて、Round One だけでは得られなかった学びが生まれることでしょう。
  4. 集合的な発見の共有
    最後のラウンドでは各テーブルの代表を決めて、参加者全員に向けてテーブルの成果を発表します。

さいごに

今回は、ワールドカフェという対話の手法について解説しました。今までの会議の方法とは異なるチームビルディングを試してみたい人、お互いを知ることでチームメンバー同士の信頼関係を築きたい人はぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか?Goodpatch Blogではワークショップ形式の他にも、チームの生産性を高めビジネスに役立つチームビルディングについてご紹介しています。ぜひ参考にしてみてください!

参考文献
https://www.kaonavi.jp/dictionary/world-cafe/
http://world-cafe.net/about/about-04.html
https://www.humanvalue.co.jp/keywords/worldcafe/

ABOUTこの記事をかいた人

honoka

千葉県出身。米国大学で美術史と建築を勉強中。デザインと美味しい食べ物が好きなGoodpatchインターン生。
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