こんにちは。Androidエンジニアのあらんです。

突然の宣伝となりますが、本日はUI Crunchが開催されます
UI CrunchはDeNAさんと共催させて頂いているイベントで、UIにまつわる講演やパネルディスカッションを通じて、日本のUIデザイン業界を盛り上げていこうと活動しています。今回は初の海外からのスピーカーとして、Monument Valleyで有名なustwoの方に登壇していただきます。
残念ながら会場は満席となってしまいましたが、今回もスクーさんによる生中継がございますのでご興味がありましたらぜひ御覧ください!

今回は、彼らが公開しているDesigning Watch Faces for Android Wearを、株式会社エクサの安藤幸央(@yukio_andoh)さんと一緒に翻訳させていただいたので、ご紹介したいと思います。

※翻訳版のPDFはこちらです↓
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ustwo

まずはustwoの簡単な紹介をしましょう。
最も有名な作品はMonument Valley という美しいゲームです。エッシャーのだまし絵などからインスピレーションを受けた不思議な世界を進むパズルゲームで、昨年のAppStoreベストアプリを受賞、全世界で244万以上ダウンロードされている大ヒットゲームです。
現在はロンドンを拠点に、スウェーデン、NYなどにオフィスを展開、ゲームだけではなく、優れたデザインのデジタルプロダクトを生み出しています。

Designing Watch Faces for Android Wear

このガイドラインはなんぞや、という話ですが、一言で言えばAndroid Wear のwatch face(時計文字盤) のためのデザインガイドラインです。
まず、Android Wearとはなにかですが、要はAndroidOSの搭載されたスマートウォッチです。
そしてwatch faceは、スマートウォッチのホームスクリーン(待ち受け画面)を司るアプリケーションです。
そのアプリによって、時計の文字盤のデザインを変えることが出来ます。
ustwoはGoogleのパートナーとして、Android Wearの文字盤のアプリをリリースしています。
ustwo Watch Faces

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ustwo_016ustwo Smart Watch Faces
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彼らの文字盤(もはや単なる文字盤じゃないので、文字という言葉が適切かはわかりませんが…)は良く出来ていて、使っていて飽きません。
ガイドラインができるまでの話は、ustwoのウェブサイトにあります。
(この記事の翻訳は株式会社エクサの安藤さんが行ってくれています)

このガイドラインの中には、彼らが文字盤をデザインする中で、得られたであろう知見や経験がたくさん詰まっています。
主に6つの章で構成されていて、章立ては

1.原則
2.工程
3.技法
4.データに基づいたデザイン
5.制約
6.公開
というものです。

今回翻訳したこのガイドラインの中から私が特に興味を惹かれたものをいくつかピックアップすると

  • 表現を控えめにすることや、ひと目見てわかるようにする等の原則
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  • 様々な”データ”を1枚の小さな画面に流し込む際の着眼点
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  • 新しい時計をデザインするために、これまでの腕時計の歴史を学ぼうという姿勢
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  • 身に付ける人のことをイメージしながらデザインすること
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などなど。
どれもが当たり前のようですが、深い洞察と、豊富な経験に裏打ちされている印象を与えます。

ちなみに、ustwoのWear関連のページには、ガイドラインの他にも複数の資料やAI、PSD、sketchファイルがあり、デザイナーや開発者にとってはうれしいものがたくさんあります。
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翻訳をしたきっかけ

実は、Goodpatchwatch faceをいくつかリリースしています。
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先月に、社内でのプロトタイピングの一環として、小さなワークショップを行いました。
その際、このガイドラインはとても有用でした。我々としては、翻訳したものを公開したいなと思っていました。

同じくちょうど先月、安藤さんにお越しいただき、デザインスプリントのワークショップを行いました。
安藤さんもこのガイドラインに興味を持っておられたので、お話したところ、
「一緒に訳しますか!」
ということでコラボすることに。
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どうせなら、ustwo来日に合わせて、公開しようということで、本日ここにアップすることにしました。

Androidだけじゃなく

watch faceはAndroid Wearのアプリですが、Android Wearと切り離して考えることも出来ます。というのも、スマートウォッチであれば必ずwatch faceをデザインすることになるからです。たとえば、このガイドラインはApple Watchの文字盤をデザインする際にも通用するはずです。
訳文に関しては、Android Wearや、Android自体に触れたことがない人にもわかるように心がけました。(いくつかの単語は意訳してあります。)
ぜひ、Android Wearに興味のある方も、これからApple Watchの文字盤のデザインをしようと思う方も、ご一読ください。
きっと得るものがあると思います。

さいごに

翻訳を一緒にやろうと提案・監訳までして下さった安藤さん、
翻訳を公開することを快くOKしてくださったustwoの方々、
ustwoと連絡をとってくれたさそう氏
いろいろなフィードバックをくれた@hashimoto, @ghostnotes, @dyki, @tsuchinao83
ありがとうございました。この場を借りて御礼申し上げます。

翻訳に関しては許可を得た上でのものであることを明記しておきます。
なお、現在このガイドラインはPDFとして公開されていますが、HTML化を進めているとのことした。
我々の翻訳もustwoのサイトから見れる予定です!乞うご期待!
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