「ユーザビリティの原則」まずは身の回りから意識しよう!

UIデザインにかかわらずどんなものづくりでもユーザビリティ(使い勝手)を考えることは欠かせないことですが、そもそもユーザビリティとはどのように定義されているのでしょうか?

ユーザビリティの原則としてヤコブ・ニールセンの10原則などがよく取り上げられます。

ヤコブ・ニールセンの10原則

  1. システム状態の視認性を高める (Visibility of system status)
  2. 実環境に合ったシステムを構築する (Match between system and the real world)
  3. ユーザーにコントロールの主導権と自由度を与える (User control and freedom)
  4. 一貫性と標準化を保持する (Consistency and standards)
  5. エラーの発生を事前に防止する (Error prevention)
  6. 記憶しなくても、見ればわかるようなデザインを行う (Recognition rather than recall)
  7. 柔軟性と効率性を持たせる (Flexibility and efficiency of use)
  8. 最小限で美しいデザインを施す (Aesthetic and minimalist design)
  9. ユーザーによるエラー認識、診断、回復をサポートする (Help users recognize, diagnose, and recover from errors)
  10. ヘルプとマニュアルを用意する (Help and documentation)

また、iOS 9241-11での定義では

特定の利用状況において、特定のユーザによって、ある製品が、指定された目標を達成するために用いられる際の、有効さ、効率、ユーザの満足度の度合い。

といった説明がされています。

参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/ユーザビリティ

文章だけで理解しようとしてしまうと初心者には難しく感じるため、身の回りにある身近な具体例を探してみました。まずは身近なモノやUIからこれはなぜこうなっているのだろうと考え始め、気が付いていくことがユーザビリティを考える第一歩で、トレーニングにもなります。

ヒューマンエラーを前提としたデザイン

人はミスをするもので、思った通りに動いてくれないものです。許容できないミスに対して予防することもユーザビリティの一つです。

例えば非常ボタンのプラスチックカバー。
非常ボタンには誤まってボタンを押さないようにプラスチックの蓋が付いています。これがあることによって非常ベルをワンタップで間違えて押さないようにするためと、本当に必要な時に意志を持って押すことができます。

UIでも、最近スマホ版Amazonの「いますぐ買う」ボタンの仕様が変わっていますぐ買うボタン一つで注文が完了する仕様から「スワイプして注文する」ボタンがワンバウンドする形で搭載されました。これも非常ボタンの蓋と同じユーザビリティでワンタップで誤まって買ってしまうことを予防し、スワイプすることで明確な意志を持って欲しい商品を買えるようなりました。

ユニバーサルデザイン

ディスアドバンテージ、利き手、ジェンダーなどに考慮したデザインは不特定多数の人が使うものになればなるほど考えられていなければなりません。

参考:https://hidari-kiki.shop/items/5c18506b3f300134cdf097d7

例えばガストのおたま。
左利きの天敵の最たるものとして、しずく型のおたま(レードル)があります。飲食店やホテルのバイキングやスープバーに行くとよく設置されているこのおたまは右利き用で、左利きの人はスープを掬いづらく、このおたまを見るだけででテンションが下がります。ガストのおたまはこれを全て両利き用のラグビーボールのような左右対称の形をしたおたまにしています。マイノリティですが確実に存在する左利きにも配慮した嬉しい設置で、右利き・左利きどちらかでなく双方が使いやすい設計のおたまは誰も不幸になりません。

防災アプリなどの警報の色もユニバーサルデザインです。
特に危険な警報が紫で、次に危険な警報が赤に統一されています。一見、紫より赤の方が強く目に入って来るように感じますが、色が見えづらい人にとっては濃度の濃い色の方が強く見えるのです。色覚特性などのかたも見分けがつきやすい配色として赤よりも強い色として紫が設定されています。
また一般の色覚の人にも赤とオレンジは違いが小さく感じられるため、紫は赤みの多い色合いでなく少し青に寄った色合いに調整しており、万人に通じる緊急時の視野性が考慮されています。

ちょっとした心遣い

痒い所に手が届くようなユーザビリティのあるデザインは心遣いとしてユーザーに伝わります。

参考:https://joliemaison.jp/2019/06/12/joliemaisonsilkcotton/

例えばベビー肌着やスポーツウェアなどのフラットシーマ縫製
ベビー服やフィット型のスポーツウェアには縫い目をわざと表側に出し、肌に当たる裏側には縫い目が当たらないようにするフラットシーマという縫製技法が採用されていることがあります。普通の縫製でも服としては成立しますが、デリケートなベビーの肌や長時間の運動で縫い目のごろつきが痛くなることなく快適に長時間着れるように気遣われた、使って初めてわかる制作者側の心遣いです。

iOS13の音量調整の表示も、痒いところに手が届いたアップデートになりました。
画面を邪魔しないで音量が見えるようになり、さらにタップで調整も可能になりました。また音量ボタンの近くにでることによってアクションとの親和性がより高くなりました。

こうして少し周りを見渡してみるだけで今まで当たり前だと思っていたことでもユーザビリティを考えた上での工夫の軌跡を感じることができます。

デザインする上でも自分がデザインしたものをユーザーが使うとき、誰がどのような状況で、どのように目的を果たすとよりよく使ってもらえるのか、気に入ってもらえるのか。を考えることがユーザビリティで、デザイナーとユーザーの対話に繋がる醍醐味でもあります。

ABOUTこの記事をかいた人

asanomio

ものづくりも大好きなUIデザイナー。好きな食べ物はシメサバ
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