昨今D2C、IoTなど、ユーザーのリアルな生活とデジタルを繋げるサービスに注目が集まっています。このようなサービスはデジタルで完結するサービスと比べて、ユーザーとの接点が多く、より一貫性のある体験をデザインすることが求められます。

今回はそんな複数の接点で一貫性を保ちながらデザインするために重要な「共通言語」についてお話したいと思います。

なぜ共通言語が求められるのか

冒頭でもお話した通り、リアルとデジタルを繋ぐサービスでは、リアル店舗、ハードウェア、サプライチェーン、アプリケーション、カスタマーサポートなどユーザーと接触する点が多くあります。それらの点ごとに割り当てられたチームは役割や得意分野が異なる場合が多く、大目標への向かい方や方法論が違います。そんな異なった考え方を融合させ、コラボレーションするには共通の認識を持って判断することが求められます。

コラボレーションがうまくできていないと、チームごとの個別最適になってしまい体験の一貫性が失われたり、目的に添わない選択肢を選んでしまうことにつながります。そうならないように、共通の認識を持つための強力な武器として共通言語が求められます。

共通言語とは

今回話題に取り上げている「共通言語」が意図するのは文字通りの言語(テキスト)だけではありません。図や絵、イメージや体験など、非言語のものも含めて、他者と共通の認識を持つための情報を共通言語と呼んでいます。よくUXデザインで利用されるペルソナは共通言語の1つの例で、ユーザーのイメージを複数の人間で共有することができます。

共通言語とは何か、より詳しく知りたい方はGoodpatchメンバーの関連記事もあわせて読んでみてください。

非言語による共通言語のつくりかた

共通言語をもつための4つのポイント

共通の認識を持つために共通言語が武器になるのは説明しましたが、共通言語を持つのは簡単なことではありません。会議で言葉を決めて「これを今日から共通言語にするぞ!」と言ってできるものではなく、いかにそれが認識を揃えるために機能するかを考えないと、価値のある情報でも全く使われずに忘れ去られてしまいます。

例えば、ペルソナやカスタマージャーニーマップを作っても使われないのは、フレームワークそのものや内容のクオリティが問題ではなく共通言語として機能していないことが原因かもしれません。

以下では共通言語を持つための4つのポイントを紹介します。

Point1. キャッチアップコストを下げる工夫をする

共通言語として機能するためには、初めて情報に触れた人でもスムーズに理解できるようになっているのが好ましいです。事前に持っている情報には差があるので、自分にとってはわかりやすい情報でも、初めて見たメンバーにとってはすぐに理解できない可能性があります。もし説明がないと理解できない情報であるなら、共有の度に説明の機会が必要になり、情報として価値があるものだったとしても浸透しません。

専門用語をできるだけ使わない。テキストのみでなく図や絵を用いて可視化する。などの工夫をしておくと、共通言語になる可能性が高いです。

Point2. 議論をその場で収束させる

複数のチームが集まって議論すると、情報を見る観点が増えるので、結論を出しづらくなります。一方で観点が揃った状態で導き出した結論なので、共通の認識として機能する可能性が高いです。

その場で結論を出すことを嫌って一旦持ち帰ると、結局観点が偏ったり、経緯が不透明になるので、後から結論を共有しても使われない可能性が高いです。議論をその場で収束させるためのコツとして、リアルタイムで情報を編集すると良いでしょう。オンラインのホワイトボードツールでリアルタイムに情報を残したり、議事録をミーティングの参加メンバーが見えている状態で書く。などがおすすめです。リアルタイムで相手のカーソルが見えるツールなどを利用できればリモートワークでも活躍します。

Goodpatchからも「Strap」というクラウドワークスペース(β版)していますので、ぜひチェックしてみてください。

Point3. 運用イメージまで考えてアウトプットする

フレームワークを利用して情報を整理する時にそのアウトプットがどのように利用されるのか?まで考えておくと良いです。

フレームワークやツールを満たすことに目的がすり替わってしまうことが良くありますが、手段を目的にせず、それがどう使われるのかを意識しましょう。使い方、共有の方法、伝え方、タイミングなどまで考えておいて共有すると、理解・利用のハードルが下がり、広く使われる共通言語になりやすいでしょう。

フォーマットを用意しておいたり、作り方の説明書もあらかじめ作っておくことなどが方法として考えられます。

Point4. まずは自分の道具にする

当然のことですが、作った当事者が使わないものはなかなか使われないです。

自分が普段から使うようにすると、他のチームやメンバーの記憶に残り、使い方・使い所の理解も深まるでしょう。作って共有したらあとは放置ではなく、自分が使うように心がけましょう。

さいごに

共通言語の重要性とポイントについて知っていただけたでしょうか。今回紹介した内容はリモートワークの環境でも使っていただけるナレッジです。リモートワークの環境では、気軽に声をかけて認識を揃える機会は減りますが、一方で1回ごとのコミュニケーションの重要性は増していると思います。

そんなコミュニケーションの質が問われる機会を、より強力なチームワークを育てるチャンスと捉え、共通言語を持つことにトライしてみてはいかがでしょうか。

また、Goodpatchでは、フルリモートチームGoodpatch Anywhereのナレッジを活用しながら2月よりリモートワークを導入しています。以下の記事ではより具体的なコミュニケーションや働き方のポイントをご紹介していますので、よかったら参考にしてみてください!

Goodpatch Anywhere式リモートコミュニケーションマニュアル

グッドパッチの「コロナ×リモート」働き方ガイドライン