伝えるためのプレゼン作りをGoodpatchメンバーに聞いてみた!UIデザイナー編

みなさんこんにちは。
前回の記事では、情報設計を大事にしたプレゼンの作り方について、執行役員 / UXデザイナーの村越から学ぶことができました。

今回は、UIデザイナー / グラフィックレコーダーの香林にインタビューしました。香林は、グラフィックレコーダーという特性を活かし、様々な場所で自身の経験や知見を基にしたプレゼンを行なっています。

テーマ・内容の発散と収束

──登壇までの大まかな流れを教えてください。

登壇のお話をいただいた後、イベントの趣旨、主催者の意図、参加者の属性、自分に期待されることを意識し、これまでの経験と照らし合わせて話の内容を決めます。この際に、グラフィックレコーディング(以下グラレコ)を描くことで頭の中で考えていることを可視化させています。

実際に香林が登壇内容を決める際に描いたグラレコ

その後、グラレコを基にスライドの作成と話の内容を詰める作業に入ります。

──話の内容を決める際に気をつけてることって何でしょうか?

私は発散と収束を意識しています。登壇の準備を進めている途中段階でよく「話したいことを盛り込みすぎ」というフィードバックをもらいます。それからは、最初にグラレコを使って話したいことや重要なことを発散するという工程を大切にしています。

この時点では内容がまだ絞り切れていませんが、頭の中で流れを作って再生してみたり、リハーサルを行なったりすることで話の内容を絞っていきます。これが収束の工程です。

──発散と収束から、どのように次の工程へ進んでいますか?

グラレコで作成した流れをもとに、発散が終わったら一度スライドを作成しています。収束は内容を絞るのと同時進行でスライドも詰めていく形です。グラレコの描き直しや、描き足しなどはしません。

話の内容もスライドも最初から全て形になっているわけではありません。収束の工程で実際のプレゼンの形に少しずつ近づけていくイメージです。

スライドで話のポイントを押さえる

──スライド作りの際にはどのようなことに気をつけていますか?

ひとつは、読み上げるだけのスライドにならないようにすることです。これはカンペにも繋がる話だと思いますが、用意してあるものを読み上げるだけだと伝えたいことが参加者に伝わりにくいのではないかと考えています。なので、私のスライドには必要なポイントを押さえた要素のみ載せています。これによって、スライドを見ることで参加者は重要なことが分かりますし、私自身の話す際のメモにもなります。

もうひとつは、見飽きないスライドを心がけることです。スライドは視覚的に訴えることができる手段です。文字ばかり続いてしまうと、参加者が退屈してしまうのではないかと考えています。これを解決する方法として、私は図や写真を多く使ったスライドを作成しています。話の内容にもよると思いますが、自分の経験を基にした内容であれば図や写真を多く使うことは言葉や文字よりも説得力があるのではないでしょうか。

──作成時には参加者の反応が見ることができないので、まとめるのが難しそうですね。

ここで役に立つのがフィードバックですね。収束の工程としてリハーサルを行うことで、実際にスライドを使ったプレゼンの空気感や聞き手がどう反応するのかが分かります。さらにリハーサル後にフィードバックをもらいそれを反映していくことで、より聞き手が聞きやすく、学びになるスライドと話の内容を作り上げていきます。

こう聞くと、開発の現場に近いように感じませんか?私はプレゼン作りも開発の現場に近いなと考えています。UIなのかスライドなのかの違いだけであって、発散と収束を意識してフィードバックを基に改善していくのは私自身が開発の現場に参画しているからできることなのかなと思います。

デザイナーとしてできる表現とは

──視覚に訴えるような「聞きやすく、学びになるスライド」は、UIデザイナーとして活かせることが多そうですね。

そうですね、私はスライドのテキストルールをAndroidの『マテリアルデザイン』に沿って統一しています。フォントは『Noto Fonts』を使っています。多言語対応で文字化けしにくく、ウェイトに統一感があり7種類もあるので、使い分けしやすいです。

様々なフォントサイズを使ったり、印象が強いフォントを使ったり、ウェイトをバラバラにしてみたりすることも面白いかもしれませんが、全体の統一感が落ち、散漫になってしまうのではないでしょうか。スライドが見づらいと話も聞いてもらえないと考えているので、一つの発表としてまとまりがありつつ、緩急があり見飽きない表現を大切にしています。

──スライドの色味にも繋がる部分がありそうですね。

色味で言うと、スライドの説明の中では白と黒を基調とすることが多くなりました。見やすいですし、プレゼンを行う会場の設備、環境に影響されにくいことが理由です。強調などをしたい場合も、文字の太さや配置を工夫することで色を使ったものに近い表現が可能だと考えています。

色を使う際には、コントラストを重要視しています。以前コントラストが弱い色を使った際に、会場の設備環境の影響で全く見えなかった経験から、読めない事態だけは絶対に起こらない色を使うようにしています。主にコントラストが強い配色がこれに当たります。

綺麗で見やすく伝わりやすいスライドを作ることは、アウトプットのクオリティーに責任をもつデザイナーとして当たり前に行わなければならないことであり、同時にそれが大きな強みにもなると考えています。

まとめ

インタビューをしてみて、以下の3つがポイントだと感じました。

  • 事前にグラフィックレコーディングでテーマや内容を発散する
  • リハーサルで得た気づきやフィードバックを反映した収束をする
  • 見飽きず、環境に左右されないスライドを作成する

プレゼン準備の段階から情報設計を大事にしつつ、UIデザイナー / グラフィックレコーダーとして、ビジュアルの表現にも非常に気を遣っている印象を持ちました。
自身の能力や経験を上手に活かし、プレゼン全体をデザインしているんだなと思います。

今回登場したグラフィックレコーディングについて詳しく知りたいという人は、香林が書いた以下の記事もぜひご覧ください。

1年3ヶ月描き続けて考えるグラフィックレコーディングのこと

近日、ビジネスデベロップメントによるプレゼンについても公開予定です。引き続き、プレゼン作りのコツをみなさんにお届けしてまいります。

ABOUTこの記事をかいた人

Hiroto Fukada

’95年横浜生まれ。商業高校卒業後、美術大学でメディアデザインを学ぶ。グッドパッチでは自社プロダクトに関する記事を中心に発信。

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