Goodpatch Tokyoを経て、Goodpatch Berlinで気づいたこと

私はカリフォルニア出身です。東京に移り住んで5年、Goodpatchで働きはじめてからもちょうどそのぐらいになります。Goodpatchに入ったときは、まだミーティングルームの1つもない、秋葉原の狭いオフィス時代でした。ミーティングルームもないのに、いつか世界中にオフィスを開くなんて、まだ遠い夢みたいでした。

その2年後、私の同僚であり親友のボリスがたった一人で8909km離れているベルリンに行きGoodpatchの海外オフィスを開くことになりました。送別会では「See you soon」と言いながら涙しました。しかし私は、ボリスは必ず成功すると確信していました。
そこから2年が経ち、ベルリンオフィスは20人ほどのメンバーを抱えるチームに成長しました。今回は、そんなベルリンオフィスに出張してきて感じたことをまとめました。

忘年会の代わりにクリスマスパーティー

Goodpatch Berlinには、20人のデザイナーやデベロッパー、ストラテジストがいます。
この日私は、彼らと一緒に、英語やドイツ語、フランス語が飛び交う中で時を過ごしました。(彼らは自分たちのことを「Goochies(グッチーズ)」と自称しています)。

この写真はクリスマスパーティーの時のもので、私がベルリンで過ごした3ヶ月間を締めくくるものです。私はベルリンにいる間、スタートアップのクライアント先でiOSデベロッパーとして働かせていただきました。

ベルリンのチームメンバーは色々なイベントやプロジェクトのために東京を訪ねてにきてくれましたが、私がベルリンに行くことは初めてでした。しかし顔見知りのメンバーも多く、安心して新しい街に慣れることができました。日本を発つ前には「ドイツ語ができなくてもベルリンなら英語で安心して生活できるはず」と言われていて、それが本当だったことを実感しました(ベルリンに到着してすぐに行ったスーパーは、唯一英語が通じない場所でした)。

ベルリンで働くということ

ベルリンに着いた次の日は社内ワークショップのためバルト海へ。バルト海では、普段ミュンヘンやパリで働いている同僚も含めたベルリンチームのみんなと改めて話しました。2日間のワークショップの1日目はデザイン思考についてのセッションで、2日目は「オープンユニバーシティー」という各メンバーから15分ずつ何かプレゼンをしてもらうものでした。間に人狼をやったり、冷たい海で遊んだり、アウトバーンで運転したりしました(アメリカ人としてアウトバーンはすごく楽しみでしたが、制限速度がない場所は限られており、少しガッカリしました)。

ようやくベルリンに帰って、新しいプロジェクトがはじまりました。他のベルリンメンバーと同じように、週に4日はクライアント先で働いていました。サービスの開発途中でクライアントのチームに入って、現場がものを作るのはベルリンチームの強さの1つですが、チームのメンバーがそれぞれの場所で働いてるせいでベルリンメンバー間の関係が弱くなるリスクが高まりました。ではGoodpatch Berlinメンバーはどのようにクライアントと現場で働くとともに、物理的に離れてるメンバー間の絆を保っていたのでしょうか?

チームを結びつけるユニークな取り組み

WUK(ウェイクアップキーノート)

単純ですが、人を集めるためには食べ物で釣るのが一番効果的です。ベルリンでは毎週の火曜日の朝9時から、朝食を含めたWUK(ウェイクアップキーノート)を実施します。もちろん食べることが主要な目的ではないので、パンやチーズといった極めてシンプルな朝食を用意します。ですがシンプルな朝食と、刺激的なナレッジ交換のセッションが合わされば、お腹もいっぱいになります。この週毎に担当者を変えて行うセッションでは、チームメンバーや社外の友人や知人が、都市計画にまつわるデザインプロセスなど、さまざまなトピックについてピッチをします。

みんなで朝ごはん

WUKのあとはすぐにオールハンズミーティングがあります。ここでは営業の数字や新規案件、現在のプロジェクトの進捗を共有されます。あらゆる問題を抱えているメンバーは、この場で全体にシェアします。

リモートで働くベルリンメンバーも、WUKとオールハンズミーティングに参加します。オンラインだとしても、アイデアはシェアできるからです。私たちはZoom.usを使い、複数人数で会議を行います。音響の設定が最もクリティカルな部分で、ビデオがフリーズするときはみんな頭を抱えてしまいます。そこで私たちはJabra Speak Speakerphoneを導入してこの問題を解決しました(Jabraの回し者ではありません)。

デザインレビュー

デザインレビューはチームが集まるもう1つの機会です。チームが物理的に結合するチャンスでもあります。リモートで働くチームメンバーはZoom.usを使って、ベルリンオフィスの大会議室に集まるメンバーと交流します。デザインレビューは事前にアジェンダとファシリテーターを決め、当日の進行を担ってもらいます。この時間はアップデートのシェアやブレインストーミング、ディスカッション、Show&Tellなどさまざまです。

デザインレビュー

Show&Tellは誰でも自由に自分のプロジェクトで何をしているか、大枠から細かい部分までさまざまなことを話す機会です。Show&Tellではメンバーは話を聞くだけでなく、プレゼンテーションを聞いている間もメンバーは”I like”、”I wonder”、”I wish”を軸にポストイットに思ったことを主体的に書き出します。思い立ったら書き出すということを重視しているため、どれだけの量を書くかという指定はありません。プレゼンテーションの後は、円になってそれぞれのポストイットに書き出した内容を読みだしてボードに貼り、カテゴライズします。なるべくディスカッションにならないよう、ポストイットの内容への言及はしないようにルール化しています。ある人がポストイットを1つずつ読み上げてボードへ貼り終えた後は、次の人が同じように書き出した内容を発表します。プレゼンターは効率的にフィードバックを得て、参加者は皆何かしらのインサイトを得ることができます。“I like-I wonder-I wish”は参加者全員のポジティブな気持ちを保ちつつ、建設的なフィードバックを得ることができます。

ベルリンの中心区ミッテにあるスタートアップMitte

ここで私がベルリンオフィスにいる間に関わったプロジェクトについて紹介します。
ベルリンを訪れたことのある人は、ブランデンブルク門やテレビ塔のあるミッテというベルリンの中心区を知っているでしょう。浄水器を手がけるスタートアップ『Mitte(ミッテ)』もこの地から名前の由来を得ています。Mitteは人々が日々口にするペットボトルよりもピュアでミネラル豊富な浄水を届ける家電です。また、ポットの代わりにもなります。ただお湯を瞬時に沸かすだけでなく、水の温度を調節できることも特徴です。お茶やコーヒー、粉ミルクに使用したお湯の温度をカスタムレシピとして保存もできます。この温度の調節を行うのがiOSやAndroidのアプリです。

Mitteのチームは、今まで一緒に働いたチームの中で一番国際的でした。エジプト、オーストラリア、イギリス、モーリシャス、インド、ヨルダン、南アフリカ、シンガポール、アルゼンチン、ポーランドなど多国籍なメンバーが集い、そこに加わったシベリア猫。会話はたまにドイツ語が1言2言挟まるものの、ほとんどが英語でした。また、Slackはほぼ使わず、ほとんどは対面でコミュニケーションをとっていました。

私はMitteがKickstarterで資金調達に成功する前にチームへ加わったので、資金調達に成功した瞬間に居合すことができ、とてもラッキーでした。Kickstarterのキャンペーンでは、MitteのバックエンドエンジニアがWebhookを使って資金調達するたびに鳴るベルを何度も鳴らしました。私たちはKickstarterのProject of the dayにフィーチャーされ、さらに30時間も経たないうちに目標の資金調達額に達したのです。月の終わりには360%の資金調達に成功することができました。

ベルリンで面白かったいくつかのこと

  • 続いてベルリンで過ごしている間に見つけた、興味深いことをシェアします。
    フードデリバリーサービスの配達人が自転車に乗っている姿をよく見かけました。東京と違って、UberEatsではなくFoodoraとDeliverooというサービスが主に利用されています。ベルリンではMyTaxiが市場優位を占めているため、Uberは人気があまりないように感じました。
foodoraの自転車スタンド
  • ベルリンの日曜日はSpatiとレストラン以外はほとんど閉まっています。スーパーやデパートも含めて。宗教的な理由と、家族や友達とゆっくり時間を過ごせるという理由と、「人々のリラックスと回復」のためらしいです。
  • マンションやアパートは部屋番号がありません。私は1階に住んでいましたが、1Aや101という部屋番号はありませんでした。宅配はビルの外のインターホンのプレートに書いてある名前、もしくはメールボックスに書いてある名前を頼りに届けられます。
  • もうすでに恋しいものは暖房タオルヒーターです!シャワーから出たら、暖かい1枚のタオルが待ってるのは欠かせない贅沢だと思います。今年の日本の寒い冬にぴったりです。
  • サービスエリアのトイレは料金かかるけど、店のクーポンを貰うので少しお金が戻って来ます。
  • ヨーロッパはあまりApple充電器にフレンドリーではありません。深くて、奇妙なコンセント口が多いです。
  • 公園ではカラオケのようによく歌を歌っている人がいます。東京のようにカラオケがポピュラーなわけではありませんが、2009年以来Mauer Parkでは毎週日曜にカラオケセッションが開かれています。オーディエンスは数百人ほど集まり、皆フレンドリーで、歌唱力問わず暖かい声援をくれます。

さいごに

私は東京も好きですが、Goodpatch BerlinやMitteのチームと働けたこと、そして彼らと過ごせた時間にとても感謝しています。ベルリンにはリラックスした面とエナジャイズした面があり、それがベルリンの個性であると感じています。Goodpatchはベルリンと東京のVibeを兼ね備えたユニークな会社なので、両者が今後より融合していくことを楽しみにしています。私のネクストステップはGoodpatchの拠点である台北なのでしょうか?もしかしたらそんな日も遠くないかもしれませんね。

ABOUTこの記事をかいた人

WestraElaine

アメリカ出身。カリフォルニア大学バークレー校を卒業後、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科を経て、グッドパッチに入社。現在はiOSデベロッパーとして働いています。
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